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2015年05月10日
ミューラー・マルティニ ルドルフ・ミューラー チェアマンの記者会見発言から 変化するマーケットへの貢献策  毎年4月に日本の主要ユーザーとの情報交流を目的として来日する製本関連ソリューションのトップ企業ミューラー・マルティニのチェアマンであるルドルフ・ミューラー氏が、4月10日、会長を兼務する日本の販売会社ミューラー・マルティニジャパン(東京都板橋区東坂下、宮崎靖好社長)で、報道関係者に「世界の印刷マーケットの現状と、変化するマーケットへの貢献策」を主テーマに、同社戦略の最新情報を披露した。  「世界の印刷マーケットはいまだに大きな変化の途中にあるようです。地域によって、印刷需要や印刷技術に差異はあります」としながらも、「印刷(印刷メディア)は電子メディアと共存し続けるでしょう。そして、お互いが助け合うことでコミュニケーションの力をより強固にできると私は確信しています。共存は継続し、さらに発展して、印刷業界に明るい明日をもたらしてくれるかもしれません」と未来の明るさを示唆する力強い発言で終始する内容を残して注目された。  drupa2012で発表した製本工程の効率化技術「モーションコントロール技術」を搭載したハードカバーラインの「ディアマントMC」、糸かがり「ベンチュラMC」などの世界市場での反響を語ったほか、今春スイスで開催されたフンケラー主催の「イノベーションディズ」で発表した「プレストⅡデジタル中綴じ機」と、世界初発表となった「バレオ無線綴じ機」について概要を説明した。  日本市場ではまだ紹介されていない製品を持つ同社は、今秋開催のIGAS展への出展を決め、新製品の「バレオ」出品の可能性を示しながらも、詳細は同展に譲るとした。同社が世界で展開する戦略を日本市場に向けたメッセージとして発信するとした。  以下にルドルフ・ミューラー氏の同日における発言大要を紹介する。 世界の印刷マーケットの現状を語る 狭い読者の嗜好を狙い個性化の方向 書籍全体の発行部数は漸減、出版点数は増加傾向  世界の印刷マーケットはいまだに大きな変化の途中にあるようです。地域によって、印刷需要や印刷技術に差異はあります。しかしながら、私たちは「イーショック」からは、ゆっくりと確実に抜け出そうとしていると考えます。  イーショックというのは、ある大手のIT会社の著名な経営者の不躾な発言から始まった印刷業界内の深刻な不安を指しています。彼はかつてこう断言しました。「すべての印刷物は数年で電子デバイスに切り替わるに違いない」と。しかし、ご承知のとおり、彼のメッセージが現実とはなる日は訪れませんでした。  印刷(印刷メディア)は電子メディアと共存し続けるでしょう。そして、お互いが助け合うことでコミュニケーションの力をより強固にできると私は確信しています。共存は継続し、さらに発展して、印刷業界に明るい明日をもたらしてくれるかもしれません。  書店を見てみましょう。たくさんの本が並んでいますが、入れ替わりはとても速いです。出版社は初版の部数を抑えようとしていますが、しかし、いったん売れ行きが伸びると、即座に大量の重版を求めます。成功しているマガジンは比較的狭い読者の嗜好を狙って専門化しており、個性化された情報を提供しています。全体の発行部数は漸減していますが、本の点数は増加傾向にあります。  商業印刷はどうでしょう。いわゆるハイブリッドといわれる印刷物が出てきました。個人向けのチラシに可変データを印刷したり、QRコードやARを仕込んで、読者をプロモーションサイトに誘導したり、あるいは印刷リーフレットにはオフセット印刷ページとターゲットに特化したインサートをポストプレス工程で組み合わせることもあります。  逆の動きも出てきました。例えば新聞です。一度は完全に電子化された新聞のいくつかが、特別版を紙に印刷しています。インターネットショップには特別版として印刷カタログを配布するところもあります。電子マガジンも人気記事をまとめたリアル本として出版されたりしています。  これらは、伝統的な印刷メディアが新しい、ダイナミックな情報伝達メディアに変化しようとしている兆候だと私には見えます。 台頭してきた印刷技術―デジタル印刷が私の確信の裏付けとなっています。この急速な成長を見せるデジタル印刷は、今日の小ロット化および短納期化というニーズに対処する印刷会社にとって、有効なソリューションになっています。欧米の成功している印刷会社にとって、デジタル印刷技術抜きでは明るい未来は語れないとさえ言われています。  これはポストプレスにとって何を意味するのでしょう? デジタル印刷は自然と小ロット化、短納期化の流れを加速させます。印刷会社は差別化のために、オフセットとデジタルを組み合わせたユニークな印刷製品を作れるかもしれません。デジタル印刷プロセスがより効率的でかつ強力なものになるために、ポストプレスは小ロット対応や実質生産の向上のために、デジタル印刷機との直接あるいは仮想的な連結も含めて、より最適化されなければならないことは明白です。  デジタル印刷の伸長に関連してもうひとつ、考慮しなければならないポイントがあります。操作がシンプルなデジタル印刷の普及は、経験豊かな熟練のオペレーターを印刷現場から追い出しています。デジタル印刷の新しいオペレーターたちは調整ハンドルを回すより、キーボードをクリックするのが得意なようです。生産の効率化には操作の簡単さ、そして一冊目から良品を作れることも考慮しなければなりません。 効率化促すモーションコントロール  ポストプレス工程のさらなる効率化に寄与する重要なコンセプトが、ミューラー・マルティニのモーションコントロール技術です。モーションコントロールはマシンを迅速に正確にセットアップしますから、オフセットでもデジタルでもより理想的な生産プロセスを実現します。集中制御で使いやすいタッチパネルからの操作でモーションコントロールは1冊目からすぐ良品を目指すことができます。  個々のプロセスは個別のサーボで駆動され、このために、従来型と比べて約70%の保守備品を削減できました。これで修理や保全に費やす時間を節約できます。  モーションコントロール技術を初めて搭載した無線綴じ機アレグロはdrupa2012のデビューから65ライン超の納入と、大きな成功を収めてくれています。  さらに、当社の製品群のなかで主要なマシンにもモーションコントロールを搭載しました。それらはハードカバーラインのディアマントMCと糸かがり機ベンチュラMCです。いずれも世界のユーザーから、小ロットを高効率、高品質で生産できると好意的な評価を受けております。(2015年5月10日号掲載) ≫ニュース全文を読む