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2015年05月10日
桜井GS 岐阜工場新技術発表会を開催 顧客視点で開発した新技術披露 特注対応の仕様に関心集まる  桜井グラフィックシステムズ(桜井隆太社長)は4月15日から18日までの4日間、同社岐阜工場(岐阜県美濃市)において、「第5回岐阜工場新技術発表会」を開催。過去1年間に顧客とともに開発してきた同社の新製品・新技術を発表した。  今回の新技術発表会では、ロールツーロールスクリーン2色印刷ライン「MSDR―60」の新製品をはじめ、オフセットでは四六半裁5色オフセット印刷機「オリバー580SDC+水無しLED UV(乾燥装置)」、シルクスクリーンではスクリーン印刷用LED UV(乾燥装置)システム、デジタルダイレクト製版装置DLEコンパクトといった新技術を披露した。  また、サーボ駆動シリンダースクリーン印刷機「MS―102SD」を四六全判サイズまで印刷でき、最大紙サイズ1140×788㎜までサイズアップさせた製品を展示したほか、4色機同等の自動化装置を搭載し、生産効率を追求した菊半裁2色両面兼用オフセット印刷機「オリバー266SIP(セミパイル)」を発表した。  さらに、今回の新技術発表会では、同社工場純正オーバーホール中古機の即売会も併催された。  初日午前9時30分から記者発表が行われ、あいさつした桜井隆太社長は「当社はオフセット印刷機とシルクスクリーン印刷機の両方を製造している世界唯一のメーカーであるが、徐々にシルクスクリーンの方に力を入れてバランス良くやっており、その姿勢を示すためにも発表会を続けている。オフセット印刷の場合は生産性と品質が高められる革新的な機械を作ることがビジネスモデルとしてあるが、シルクスクリーンに関しては1品として同じものを作るのではなく、常に改造が必要で見込み生産というより、受注生産に近い形になっている。  今回の発表会ではMSDR―60というロール機をメインに据えているが、かなり細かい部分で驚きを与えられるものとなっている。当社では、競合メーカーと同じものを作るという発想ではなく、お客様と一緒にものを作るという考え方で技術開発を行っており、新技術発表会のコアは前期1年間でお客様と一緒になって取り組んだ特注や改造をデータベース化して、その中からオプション品や新しい製品を作ったデータの集大成をお客様にお見せすることである。  今回も国内外から大勢の方に集まってもらえるのは、他のメーカーにはないものを見せられることにある。今後はメーカーというよりも、メーカー+サービス業という位置付けで製品開発を行っていく。印刷業界を取り巻く環境は大変厳しいが、新しい活路を見出すためには個々のお客様のニーズに合わせていくことが必要であり多様化するニーズにメーカーができることはきめ細かさであると考えている」と述べた。  「第5回岐阜工場新技術発表会」で発表された製品は次の通り。  【オフセット】  ▽新技術  四六半裁5色オフセット印刷機「オリバー580SDC+水無しLED UV(乾燥装置)」  5色機の排紙部にLED硬化装置を取り付けて理想的な省エネ印刷が行えるようになった。新技術発表会ではフィルム材料への印刷が行われた。  ▽バージョンアップ  菊半裁2色両面兼用オフセット印刷機「オリバー266SIP(セミパイル)」  4色機同等の自動化装備を搭載し、生産効率を追及した2色機。排紙紙積み量が増えたことにより、ロットの大きな仕事にも便利に使えるようになった(排紙紙積み量は600㎜)。  【シルクスクリーン】  ▽新製品  ロールツーロールスクリーン2色印刷ライン「MSDR―60」  昨年発表したラインとは全てのデザインを一新。フィルム搬送安定性・薄材料対応・乾燥性能を大幅に改善した新設計の印刷ラインとなった。  薄材料対応印刷胴では、38μm程度の薄フィルムでソリッド印刷でも吸着穴の影響が印刷に表れないように加工されており、薄いフィルムに高精度印刷を実現する機能を盛り込まれている。  また、印刷部にはCCDカメラによる位置補正の精度を向上。マスターフレーム方式を採用し、補正動作も確実に行えるようになっている。  さらに、搬送機構の巻き出しは印刷機動作に合わせて間欠送り、印刷後はエアーダンサーによって、搬送を連続に切り替えて乾燥機へ搬送。これらの複雑な搬送を蛇行なく、確実に行える。  ▽サイズアップ  サーボ駆動シリンダースクリーン印刷機「MS―102SD」  最大1140×788㎜まで印刷ができるため、四六全判シート対応で仕事の幅を広げることができる。  ▽新技術  スクリーン印刷用LED UV(乾燥装置)システム  同社と乾燥装置メーカー、インキメーカーの3社で銘板スクリーン印刷などに使用可能なLED―UV印刷システムを開発。熱の影響を受けやすい材料の印刷に威力を発揮する。  全長6・5m以下での全自動印刷ラインを実現。新技術発表会ではIMD成型が可能な車載計器銘板の印刷デモが行われた。  ▽新技術  デジタルダイレクト製版装置DLEコンパクト  スクリーンにマスキングすることなく、直接紫外線を照射し、必要な部分のみ露光する全く新しい製版装置。(2015年5月10日号掲載) ≫ニュース全文を読む

2015年05月10日
ミューラー・マルティニ ルドルフ・ミューラー チェアマンの記者会見発言から 変化するマーケットへの貢献策  毎年4月に日本の主要ユーザーとの情報交流を目的として来日する製本関連ソリューションのトップ企業ミューラー・マルティニのチェアマンであるルドルフ・ミューラー氏が、4月10日、会長を兼務する日本の販売会社ミューラー・マルティニジャパン(東京都板橋区東坂下、宮崎靖好社長)で、報道関係者に「世界の印刷マーケットの現状と、変化するマーケットへの貢献策」を主テーマに、同社戦略の最新情報を披露した。  「世界の印刷マーケットはいまだに大きな変化の途中にあるようです。地域によって、印刷需要や印刷技術に差異はあります」としながらも、「印刷(印刷メディア)は電子メディアと共存し続けるでしょう。そして、お互いが助け合うことでコミュニケーションの力をより強固にできると私は確信しています。共存は継続し、さらに発展して、印刷業界に明るい明日をもたらしてくれるかもしれません」と未来の明るさを示唆する力強い発言で終始する内容を残して注目された。  drupa2012で発表した製本工程の効率化技術「モーションコントロール技術」を搭載したハードカバーラインの「ディアマントMC」、糸かがり「ベンチュラMC」などの世界市場での反響を語ったほか、今春スイスで開催されたフンケラー主催の「イノベーションディズ」で発表した「プレストⅡデジタル中綴じ機」と、世界初発表となった「バレオ無線綴じ機」について概要を説明した。  日本市場ではまだ紹介されていない製品を持つ同社は、今秋開催のIGAS展への出展を決め、新製品の「バレオ」出品の可能性を示しながらも、詳細は同展に譲るとした。同社が世界で展開する戦略を日本市場に向けたメッセージとして発信するとした。  以下にルドルフ・ミューラー氏の同日における発言大要を紹介する。 世界の印刷マーケットの現状を語る 狭い読者の嗜好を狙い個性化の方向 書籍全体の発行部数は漸減、出版点数は増加傾向  世界の印刷マーケットはいまだに大きな変化の途中にあるようです。地域によって、印刷需要や印刷技術に差異はあります。しかしながら、私たちは「イーショック」からは、ゆっくりと確実に抜け出そうとしていると考えます。  イーショックというのは、ある大手のIT会社の著名な経営者の不躾な発言から始まった印刷業界内の深刻な不安を指しています。彼はかつてこう断言しました。「すべての印刷物は数年で電子デバイスに切り替わるに違いない」と。しかし、ご承知のとおり、彼のメッセージが現実とはなる日は訪れませんでした。  印刷(印刷メディア)は電子メディアと共存し続けるでしょう。そして、お互いが助け合うことでコミュニケーションの力をより強固にできると私は確信しています。共存は継続し、さらに発展して、印刷業界に明るい明日をもたらしてくれるかもしれません。  書店を見てみましょう。たくさんの本が並んでいますが、入れ替わりはとても速いです。出版社は初版の部数を抑えようとしていますが、しかし、いったん売れ行きが伸びると、即座に大量の重版を求めます。成功しているマガジンは比較的狭い読者の嗜好を狙って専門化しており、個性化された情報を提供しています。全体の発行部数は漸減していますが、本の点数は増加傾向にあります。  商業印刷はどうでしょう。いわゆるハイブリッドといわれる印刷物が出てきました。個人向けのチラシに可変データを印刷したり、QRコードやARを仕込んで、読者をプロモーションサイトに誘導したり、あるいは印刷リーフレットにはオフセット印刷ページとターゲットに特化したインサートをポストプレス工程で組み合わせることもあります。  逆の動きも出てきました。例えば新聞です。一度は完全に電子化された新聞のいくつかが、特別版を紙に印刷しています。インターネットショップには特別版として印刷カタログを配布するところもあります。電子マガジンも人気記事をまとめたリアル本として出版されたりしています。  これらは、伝統的な印刷メディアが新しい、ダイナミックな情報伝達メディアに変化しようとしている兆候だと私には見えます。 台頭してきた印刷技術―デジタル印刷が私の確信の裏付けとなっています。この急速な成長を見せるデジタル印刷は、今日の小ロット化および短納期化というニーズに対処する印刷会社にとって、有効なソリューションになっています。欧米の成功している印刷会社にとって、デジタル印刷技術抜きでは明るい未来は語れないとさえ言われています。  これはポストプレスにとって何を意味するのでしょう? デジタル印刷は自然と小ロット化、短納期化の流れを加速させます。印刷会社は差別化のために、オフセットとデジタルを組み合わせたユニークな印刷製品を作れるかもしれません。デジタル印刷プロセスがより効率的でかつ強力なものになるために、ポストプレスは小ロット対応や実質生産の向上のために、デジタル印刷機との直接あるいは仮想的な連結も含めて、より最適化されなければならないことは明白です。  デジタル印刷の伸長に関連してもうひとつ、考慮しなければならないポイントがあります。操作がシンプルなデジタル印刷の普及は、経験豊かな熟練のオペレーターを印刷現場から追い出しています。デジタル印刷の新しいオペレーターたちは調整ハンドルを回すより、キーボードをクリックするのが得意なようです。生産の効率化には操作の簡単さ、そして一冊目から良品を作れることも考慮しなければなりません。 効率化促すモーションコントロール  ポストプレス工程のさらなる効率化に寄与する重要なコンセプトが、ミューラー・マルティニのモーションコントロール技術です。モーションコントロールはマシンを迅速に正確にセットアップしますから、オフセットでもデジタルでもより理想的な生産プロセスを実現します。集中制御で使いやすいタッチパネルからの操作でモーションコントロールは1冊目からすぐ良品を目指すことができます。  個々のプロセスは個別のサーボで駆動され、このために、従来型と比べて約70%の保守備品を削減できました。これで修理や保全に費やす時間を節約できます。  モーションコントロール技術を初めて搭載した無線綴じ機アレグロはdrupa2012のデビューから65ライン超の納入と、大きな成功を収めてくれています。  さらに、当社の製品群のなかで主要なマシンにもモーションコントロールを搭載しました。それらはハードカバーラインのディアマントMCと糸かがり機ベンチュラMCです。いずれも世界のユーザーから、小ロットを高効率、高品質で生産できると好意的な評価を受けております。(2015年5月10日号掲載) ≫ニュース全文を読む