技術ニュース
Technology news

トップ > 技術ニュース

技術ニュース一覧
154件中 151~154件を表示

2015年05月30日
FFGSと富士特殊紙業がデジタルグラビアで記者会見 低臭気UVインクジェット技術と軟包装デジタルグラビア印刷機で  富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(渥美守弘社長)と富士特殊紙業(杉山仁朗社長)は4月24日、軟包装印刷用「低臭気UVインクジェット技術」の開発実用化と、同技術を搭載した軟包装デジタルグラビア印刷機「FUJI・M・O」開発の合同記者発表会を開いた。  合同記者発表会には、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズから吉田整会長、佐藤武彦アドバンストマーキング部部長、富士特殊紙業の杉山仁朗社長、杉山真一郎専務、ミヤコシの天野剛執行役員営業本部副本部長兼POD営業部長、オリエント総業の原田等社長、原田秀典常務取締役らが出席。  冒頭、吉田会長は「当社では、既存事業であるオフセット印刷を主とした製版・刷版を中心に資機材をワールドワイドに提供しながら、今後の新規事業の提案として、デジタル・プリンティングとパッケージ印刷分野へのソリューションを市場に展開している。  パッケージ印刷分野では、脱溶剤・水性化など、環境や安全といった側面とともに、製版システムから印刷機・後加工まで、水性フレキソ印刷のトータル・ソリューションを構築し、昨年春には足柄に『グランパックス・ラボ・センター』を開設したほか、ダイレクトレーザーによる彫刻機と版材を『FLENEX』シリーズとして、昨年秋からグローバルに展開、具体的に導入や検討を支援している。  食品包装を主とした軟包装グラビア分野では、短納期・多品種の要求がますます高まっており、400m以下のジョブの比率が大幅に増えているといった小ロット化が加速し、重要な課題となっている。  当社では、日本の研究・開発部門と、イギリスのインク開発・製造を担うグループ子会社が連携し、この課題に対してデジタル印刷・インクジェット技術を活用した解決策の検討を開始した。  従来、業界では軟包装分野のインクジェット化は、課題が多く難しいとされていたが、UVインクジェット技術を活用することで多くの課題解決はできるが、食品に対する安全性が社会的にも重要視されている現在、最大の課題は『UVは臭いがする』ということであった。  そこで、当社では市場で達成できなかった課題に取り組み、これまで培ったインク開発技術、画像形成技術を活かし、窒素パージ技術を活用・応用した最適化に向けて研究を重ねてきた結果、数々の問題点をブレイクスルーし、世界で初めて新たなデジタルインクジェット技術を応用したイノベーションであるUVインクジェットの低臭気化の達成に至った。  これにより、パッケージの軟包装印刷分野において、可変印刷およびエンドレス印刷にも対応でき、小ロットでもコストを抑えられ安定した品質を実現するインクジェットデジタルとしてのソリューションが完成した。  これをアライアンスパートナーであるデジタル印刷機メーカーのミヤコシと協業で、高品質と高生産性を両立する低臭気UVインクジェット技術をインクジェット印刷機に搭載し、世界に先駆け実用化に至った。  そして、このほど常に環境配慮とグラビア印刷の水性化に対し、先進的に取り組んでいる富士特殊紙業が進めて完成した革新的なデジタルとグラビアを融合した印刷ユニット『FUJI・M・O』に、富士フイルムの軟包装用の低臭気UVインクジェット技術が採用され、ついに実用化を実現した。  当社の最新技術を初めて採用され実用化に至るまで、その卓越した技術力と培われてきたノウハウで、品質や運用に関する評価に対し、多大な協力を得たことに感謝している」と述べた。 ハイブリッド印刷ユニット「FUJI・M・O」開発  今回発表された「低臭気UVインクジェット技術」は、実用化の第1弾として富士特殊紙業(愛知県瀬戸市、杉山仁朗社長)のデジタル・グラビアハイブリッド方式の印刷ユニット「FUJI・M・O」に搭載された。  「FUJI・M・O」は、富士特殊紙業が、富士フイルム・ミヤコシ共同開発のインクジェットデジタル印刷ユニットと、オリエント総業(原田等社長)の水性グラビア塗布ユニットを組み合わせることで実用化したシステム。  CMYKのインクジェット印刷ユニットに、水性グラビア印刷の白インクユニットをインライン接続することで、インクジェット印刷ならではの小ロット・短納期対応のメリットを活かしながら、印刷面積の広い白インクに従来のグラビア材料を使用することで、低ランニングコストでの運用を実現した。  富士特殊紙業では、今回の実用化に向けて富士フイルム・ミヤコシの製品評価に協力してきたが、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「平成25年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業」の認定を受け、富士フイルム・ミヤコシ・オリエント総業とのコラボレイティブ・イノベーションとしてこのプロジェクトを推進し、3社とのパートナー関係を一層強化している。創業65年になる食品パッケージの製造・販売では老舗専業企業の富士特殊紙業では創業以来、「食品を作らない食品工場」をコンセプトにした工場のもと、食品パッケージに対応した品質管理と開発を行ってきた。  特に、製造工程において有機溶剤に起因した環境問題、従業員の健康問題、食品パッケージの残留溶剤のリスクおよび食品パッケージの小ロット多品種化に対応する技術開発は業界での生き残りを賭けた大きな課題であった。  有機溶剤に起因する課題に関しては約15年の歳月をかけ、グラビア印刷の水性化、張り合わせ工程の無溶剤化に成功し、現在は実用化を進め、有機溶剤の使用を極限まで削減した食品パッケージは、得意先をはじめ、国内外の専門機関から大きな評価を得ている。  一方、人口減少、ライフスタイルの変化、流通の多様化が進み、食品の小ロット・多品種化は今後避けることができない。その市場の変化に食品パッケージも対応を求められている。  元来、フィルム使用の食品パッケージは、グラビア印刷を主力に各種印刷方式で印刷されている。いずれの印刷方式も印刷用の版を作り、インキを使用し、色を調整し、印刷を行ってきた。  版を作ること、インキを使い色の調整を行うことは、多額の費用と時間を必要とする。そして、それに伴う製品ロスと印刷機の低稼働率は、グラビア印刷会社にとって負担となっている。  そこで、富士特殊紙業は業界が存続の危機に陥る前に、印刷の将来性を見据え版を必要としない、そしてインキの調整を必要としないデジタル印刷方式として、プラスチックフィルムに印刷をする技術開発を進めることを決断した。  この大きな挑戦には多くの革新的技術の集結を必要とした。そこで、グラフィックスに関して総合的な知識と技術が集結している富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ、インクジェットデジタル印刷機メーカーのミヤコシ、水性グラビア印刷機メーカーのオリエント総業と富士特殊紙業の4社が集まり、コラボレイティブ・イノベーション事業としてスタートさせた。  今回発表された「FUJI・M・O印刷機」は、協力4社の頭文字に因んで命名した機械であり、プラスチックフィルム印刷のデジタル化に関し4社の技術の枠を結集して完成した、世界でも全く新しいデジタルグラビア印刷機となっている。  この軟包装デジタル印刷グラビア印刷機は、今まで困難であったグラビア印刷のオペレーターの技術の標準化も期待でき、富士特殊紙業では小ロット・多品種化の対応とともに、デジタル技術を活かした今までにない全く新しいパッケージを提案していく。  合同記者発表会で富士特殊紙業の杉山社長は軟包装デジタルグラビア印刷機「FUJI・M・O」を採用した背景について次の通り説明した。  「当社はスーパー・コンビニで手にする食品パッケージを印刷・加工して66年となり、食品・パッケージでフィルムに印刷する加工業としては一番古い会社であり、プラスチックフィルムにグラビア印刷をもっていろんな印刷をしているが、この仕事をスタートした時から主に2つの課題を抱えてきた。  ひとつは、インクの問題であり、グラビア印刷機でプラスチックに印刷する場合、VOCを使わないとインクが溶けず、フィルムに載らないという大きな宿命を抱えていた。  大気汚染防止法が改正され、平成22年から有機溶剤を大気に放出してはならなくなったことである。当社ではインキメーカー・フィルムメーカー・製版メーカーと一緒になって英知を出して瀬戸市に工場を移転したのが21年前で新工場の建設と同時に有機溶剤の使用をやめた。  もうひとつは、グラビア印刷の大きなハードルとして小ロット化がある。これは先代がやっていた時から有機溶剤の問題と小ロット・多品種が来た時に、あまりにも設備が大きく手間を掛け過ぎているため、小ロットで立ちいかなくなるから、『小ロット・多品種の機械を探してこい』と言われ、何とか小ロット・多品種がハードルにならない印刷方法を探したが見当たらなかった。版を作ってインクを調合するという手間を省かなければ小ロット・多品種の解決策にならない。これが外れる機械が出れば、採用して何とか食品パッケージに合う新しい印刷方法に期待を抱いていた。  デジタル化に対してインクがのらない、臭いがする、透明フィルムといった3つの大きなハードルがあった。  そこで、インクジェットの部分はFFGSを先頭に、ミヤコシに担当してもらい、白色は水性グラビア印刷を10年以上付き合いのあったオリエント総業に参加してもらった。その結果、有機溶剤やアルコールを一切使わないものとして完成した。  この機械のメリットは、2000m以下の仕事になると版を作ってインクを調合して、色合わせをしていると時間とお金の無駄を作ることを解消したことである。小ロット・多品種は進む中で、これからこれを叩き台にしてお客様と一緒に商品を作っていきたい」と手応えを示した。(2015年5月30日号掲載) ≫ニュース全文を読む

2015年05月30日
利益アップに貢献するオフセット分野向け省資源ソリューション 新ブランド「FUJIFILM SUPERIA」を提供開始 「スーペリア」の名称で全世界に 高品質と環境性に「収益性」を加え  富士フイルム株式会社(社長:中嶋成博)は、「省資源」をメインコンセプトにした刷版工程・プレスルーム向けソリューションを、世界共通の新ブランド「FUJIFILM SUPERIA」(フジフイルム スーペリア)の名称でグローバル展開を図るため、4月7日から12日まで中国・広東現代国際展覧センターで開催された「PRINT CHINA2015」に初出展したのを皮切りに世界各国での提供を開始した。  富士フイルムのコーポレートスローガン「Value from Innovation」に基づき、これまで追求してきた「安定した高品質・優れた環境性」という価値に加え、オフセット印刷業界向けに「確実な収益性アップ」をもたらすという切り口で新たな価値を提供するソリューションといえるもの。  「省資源」はこれまで、資源を大切にするという環境配慮の観点で取り組まれてきた。環境への配慮は、CSRの一貫として、企業の最も重要な活動の一つとなっているが、この考えをさらに一歩発展させ、オフセット印刷会社で使われる用紙・インキなどの主資材の節減や、作業の効率化、工数の消減などによって生み出されるコスト消減効果という収益性改善という側面にも着目している。  経営的な視点から、企業基盤強化のための「省資源」を「省資材」「省工数」「省エネルギー」「省排出」「省ウォーター」の5つの〝What〟にカテゴリー分けし、これらを実現するための〝How〟を、刷版工程・プレスルーム向け製品群を中心に改めて体系化している。  5つのカテゴリーに分けられたソリューションは次の通り。  ■完全無処理サーマルCTPプレート  アルカリ現像やガム処理などの処理工程が一切不要という「完全無処理」に加え、High Productivity/High Speed/High Quality/High Definitionを同時に追求。品質・生産性・環境性・経済性の全てを高レベルで兼ね備えた、いわばオフセット用CTPの究極形として国内外で高く評価され、現在までにワールドワイドで約3000社、国内では約450社に導入されている。  完全無処理プレートの全方位的な性能を支えているのは、富士フイルム独自の支持体表面処理技術を活用した「MULTIGRAIN構造」(MGV砂目)。無処理プレートでは、従来のMULTIGRAINを1段と進化させ、さらなる親水性向上を達成。より水を絞れるようになり、耐汚れ性が高まり、優れた印刷品質・刷りやすさを実現している。  さらに「FPD(Fine Particle Dispersion)技術」および「RSS(Rapid Stable Start―up)技術」をあらたに投入している。FPD技術は、感光層に特殊な微粒子を分散させることで、画像形成性と画像部強度を同時に確保。RSS技術は、「画像部の強度」と「比画像部の除去性」の相反する性能を両立させ、印刷機上で高速かつ安定した画像形成を可能にしている。これらの高度な独自技術の相乗効果により、印刷条件に左右されない、抜群の信頼性を実現している。  ■有処理サーマルCTPシステム  再現性・刷りやすさ・耐刷性に優れたプレートと、低補充・低廃液・高安定の自動現像システムの組み合わせにより、「最高レベルの印刷品質」と「歴然とした省資源効果」を提供する。またアルミ表面処理技術「MULTIGRAIN」や、塗布技術「MULTI―Coating」などの独自技術により、高品質な網点の安定的な再現を実現し、印刷時の汚れにくさと耐刷性を両立させたほか、最適な水・インキバランスを実現。さまざまな印刷条件下で「水を最適に絞った印刷」を可能にし、インキ使用量の最適化、インキ乾燥性の向上、色再現の安定化など刷版・印刷から後加工までのトータルな生産効率アップに大きく寄与する。  処理システムには、先進のZACテクノロジーを採用。現像カスを発生させない現像・補充液技術と、CTPプレートに投入された特殊表面処理技術、耐薬品性に優れた重層塗布技術の相乗効果により、処理液感度を常に安定維持できる「抜群の処理安定性」と、「圧倒的なロングバスライフ」を達成。その結果、CTP工程における「低補充・低廃液」「メンテナンス性の大幅な向上」を実現している。  ■湿し水・印刷関連薬品  長年にわたる技術サポートを通じて印刷現場を熟知し、さらに国内外の印刷薬品メーカーとのM&Aにより広範なノウハウを蓄積してきた富士フイルムは、印刷工程で生じる様々な課題に対し、豊富な薬品ラインアップの中から最適な製品を提供する。これらの印刷関連薬品は「高い安全性」と「優れた使用効果」を両立させているのが特徴。  印刷品質の維持において重要な役割を果たす「湿し水」は、インキ中に入る水量を最適にコントロールする「加乳化抑制技術」をはじめ、砂目の親水化を基に付着・蓄積していく汚れを除去する「Grain Refreshing技術」など、富士フイルム独自技術を複合的に投入することで、ローラー汚れやグレージング、ローラーストリップ、紙粉付着、ブランパイリングといった印刷トラブルを確実に抑制し、品質安定化、印刷機稼働率アップに大きく寄与。その効果により枚葉・輪転を問わず、多くのユーザーから高い評価を得ている。  ■ワークフローシステム  製造工程の要となるワークフローシステム「XMF」では、作業の効率化・工程数の削減を実現する自動化機能や、品質安定化・材料コスト削減に直結する機能など、さまざまな観点から「工程全体の最適化」に寄与する高度な技術を盛り込んでいる。  中でも、標準搭載の「インキ削減機能」は、透明効果やオーバープリントなどのグラフィック処理を含めた印刷品質を維持しながら、インキ使用量を確実にセーブすることが可能。さらに富士フイルム独自の網点精製技術を応用したFMスクリーニング・高精細AMスクリーニングを併せて活用することで、「品質向上とインキ量削減の両立」が、より高いレベルで実現する。  ■印刷工程改善サポート  版材や湿し水を実際に印刷で使用する際に、その性能が最大限に発揮されるよう、印刷工程の最適化を多角的にサポートするコンサルティングも実施している。  刷版生産拠点である吉田南工場でQC活動から得たノウハウなども活かしながら、印刷機や湿し水などの状態を診断・分析し、その結果を基に、メンテナンス方法や各種設定の見直しなど、印刷工程の改善活動をきめ細かくサポートすることで、品質の安定化、生産性の向上、材料・エネルギーコストの削減につなげていく。またJapan ColorやG7などの業界標準色の運用および認証取得の支援により、「標準化」による作業効率・コスト削減もサポートしていく。(2015年5月30日号掲載) ≫ニュース全文を読む

2015年05月10日
桜井GS 岐阜工場新技術発表会を開催 顧客視点で開発した新技術披露 特注対応の仕様に関心集まる  桜井グラフィックシステムズ(桜井隆太社長)は4月15日から18日までの4日間、同社岐阜工場(岐阜県美濃市)において、「第5回岐阜工場新技術発表会」を開催。過去1年間に顧客とともに開発してきた同社の新製品・新技術を発表した。  今回の新技術発表会では、ロールツーロールスクリーン2色印刷ライン「MSDR―60」の新製品をはじめ、オフセットでは四六半裁5色オフセット印刷機「オリバー580SDC+水無しLED UV(乾燥装置)」、シルクスクリーンではスクリーン印刷用LED UV(乾燥装置)システム、デジタルダイレクト製版装置DLEコンパクトといった新技術を披露した。  また、サーボ駆動シリンダースクリーン印刷機「MS―102SD」を四六全判サイズまで印刷でき、最大紙サイズ1140×788㎜までサイズアップさせた製品を展示したほか、4色機同等の自動化装置を搭載し、生産効率を追求した菊半裁2色両面兼用オフセット印刷機「オリバー266SIP(セミパイル)」を発表した。  さらに、今回の新技術発表会では、同社工場純正オーバーホール中古機の即売会も併催された。  初日午前9時30分から記者発表が行われ、あいさつした桜井隆太社長は「当社はオフセット印刷機とシルクスクリーン印刷機の両方を製造している世界唯一のメーカーであるが、徐々にシルクスクリーンの方に力を入れてバランス良くやっており、その姿勢を示すためにも発表会を続けている。オフセット印刷の場合は生産性と品質が高められる革新的な機械を作ることがビジネスモデルとしてあるが、シルクスクリーンに関しては1品として同じものを作るのではなく、常に改造が必要で見込み生産というより、受注生産に近い形になっている。  今回の発表会ではMSDR―60というロール機をメインに据えているが、かなり細かい部分で驚きを与えられるものとなっている。当社では、競合メーカーと同じものを作るという発想ではなく、お客様と一緒にものを作るという考え方で技術開発を行っており、新技術発表会のコアは前期1年間でお客様と一緒になって取り組んだ特注や改造をデータベース化して、その中からオプション品や新しい製品を作ったデータの集大成をお客様にお見せすることである。  今回も国内外から大勢の方に集まってもらえるのは、他のメーカーにはないものを見せられることにある。今後はメーカーというよりも、メーカー+サービス業という位置付けで製品開発を行っていく。印刷業界を取り巻く環境は大変厳しいが、新しい活路を見出すためには個々のお客様のニーズに合わせていくことが必要であり多様化するニーズにメーカーができることはきめ細かさであると考えている」と述べた。  「第5回岐阜工場新技術発表会」で発表された製品は次の通り。  【オフセット】  ▽新技術  四六半裁5色オフセット印刷機「オリバー580SDC+水無しLED UV(乾燥装置)」  5色機の排紙部にLED硬化装置を取り付けて理想的な省エネ印刷が行えるようになった。新技術発表会ではフィルム材料への印刷が行われた。  ▽バージョンアップ  菊半裁2色両面兼用オフセット印刷機「オリバー266SIP(セミパイル)」  4色機同等の自動化装備を搭載し、生産効率を追及した2色機。排紙紙積み量が増えたことにより、ロットの大きな仕事にも便利に使えるようになった(排紙紙積み量は600㎜)。  【シルクスクリーン】  ▽新製品  ロールツーロールスクリーン2色印刷ライン「MSDR―60」  昨年発表したラインとは全てのデザインを一新。フィルム搬送安定性・薄材料対応・乾燥性能を大幅に改善した新設計の印刷ラインとなった。  薄材料対応印刷胴では、38μm程度の薄フィルムでソリッド印刷でも吸着穴の影響が印刷に表れないように加工されており、薄いフィルムに高精度印刷を実現する機能を盛り込まれている。  また、印刷部にはCCDカメラによる位置補正の精度を向上。マスターフレーム方式を採用し、補正動作も確実に行えるようになっている。  さらに、搬送機構の巻き出しは印刷機動作に合わせて間欠送り、印刷後はエアーダンサーによって、搬送を連続に切り替えて乾燥機へ搬送。これらの複雑な搬送を蛇行なく、確実に行える。  ▽サイズアップ  サーボ駆動シリンダースクリーン印刷機「MS―102SD」  最大1140×788㎜まで印刷ができるため、四六全判シート対応で仕事の幅を広げることができる。  ▽新技術  スクリーン印刷用LED UV(乾燥装置)システム  同社と乾燥装置メーカー、インキメーカーの3社で銘板スクリーン印刷などに使用可能なLED―UV印刷システムを開発。熱の影響を受けやすい材料の印刷に威力を発揮する。  全長6・5m以下での全自動印刷ラインを実現。新技術発表会ではIMD成型が可能な車載計器銘板の印刷デモが行われた。  ▽新技術  デジタルダイレクト製版装置DLEコンパクト  スクリーンにマスキングすることなく、直接紫外線を照射し、必要な部分のみ露光する全く新しい製版装置。(2015年5月10日号掲載) ≫ニュース全文を読む

2015年05月10日
ミューラー・マルティニ ルドルフ・ミューラー チェアマンの記者会見発言から 変化するマーケットへの貢献策  毎年4月に日本の主要ユーザーとの情報交流を目的として来日する製本関連ソリューションのトップ企業ミューラー・マルティニのチェアマンであるルドルフ・ミューラー氏が、4月10日、会長を兼務する日本の販売会社ミューラー・マルティニジャパン(東京都板橋区東坂下、宮崎靖好社長)で、報道関係者に「世界の印刷マーケットの現状と、変化するマーケットへの貢献策」を主テーマに、同社戦略の最新情報を披露した。  「世界の印刷マーケットはいまだに大きな変化の途中にあるようです。地域によって、印刷需要や印刷技術に差異はあります」としながらも、「印刷(印刷メディア)は電子メディアと共存し続けるでしょう。そして、お互いが助け合うことでコミュニケーションの力をより強固にできると私は確信しています。共存は継続し、さらに発展して、印刷業界に明るい明日をもたらしてくれるかもしれません」と未来の明るさを示唆する力強い発言で終始する内容を残して注目された。  drupa2012で発表した製本工程の効率化技術「モーションコントロール技術」を搭載したハードカバーラインの「ディアマントMC」、糸かがり「ベンチュラMC」などの世界市場での反響を語ったほか、今春スイスで開催されたフンケラー主催の「イノベーションディズ」で発表した「プレストⅡデジタル中綴じ機」と、世界初発表となった「バレオ無線綴じ機」について概要を説明した。  日本市場ではまだ紹介されていない製品を持つ同社は、今秋開催のIGAS展への出展を決め、新製品の「バレオ」出品の可能性を示しながらも、詳細は同展に譲るとした。同社が世界で展開する戦略を日本市場に向けたメッセージとして発信するとした。  以下にルドルフ・ミューラー氏の同日における発言大要を紹介する。 世界の印刷マーケットの現状を語る 狭い読者の嗜好を狙い個性化の方向 書籍全体の発行部数は漸減、出版点数は増加傾向  世界の印刷マーケットはいまだに大きな変化の途中にあるようです。地域によって、印刷需要や印刷技術に差異はあります。しかしながら、私たちは「イーショック」からは、ゆっくりと確実に抜け出そうとしていると考えます。  イーショックというのは、ある大手のIT会社の著名な経営者の不躾な発言から始まった印刷業界内の深刻な不安を指しています。彼はかつてこう断言しました。「すべての印刷物は数年で電子デバイスに切り替わるに違いない」と。しかし、ご承知のとおり、彼のメッセージが現実とはなる日は訪れませんでした。  印刷(印刷メディア)は電子メディアと共存し続けるでしょう。そして、お互いが助け合うことでコミュニケーションの力をより強固にできると私は確信しています。共存は継続し、さらに発展して、印刷業界に明るい明日をもたらしてくれるかもしれません。  書店を見てみましょう。たくさんの本が並んでいますが、入れ替わりはとても速いです。出版社は初版の部数を抑えようとしていますが、しかし、いったん売れ行きが伸びると、即座に大量の重版を求めます。成功しているマガジンは比較的狭い読者の嗜好を狙って専門化しており、個性化された情報を提供しています。全体の発行部数は漸減していますが、本の点数は増加傾向にあります。  商業印刷はどうでしょう。いわゆるハイブリッドといわれる印刷物が出てきました。個人向けのチラシに可変データを印刷したり、QRコードやARを仕込んで、読者をプロモーションサイトに誘導したり、あるいは印刷リーフレットにはオフセット印刷ページとターゲットに特化したインサートをポストプレス工程で組み合わせることもあります。  逆の動きも出てきました。例えば新聞です。一度は完全に電子化された新聞のいくつかが、特別版を紙に印刷しています。インターネットショップには特別版として印刷カタログを配布するところもあります。電子マガジンも人気記事をまとめたリアル本として出版されたりしています。  これらは、伝統的な印刷メディアが新しい、ダイナミックな情報伝達メディアに変化しようとしている兆候だと私には見えます。 台頭してきた印刷技術―デジタル印刷が私の確信の裏付けとなっています。この急速な成長を見せるデジタル印刷は、今日の小ロット化および短納期化というニーズに対処する印刷会社にとって、有効なソリューションになっています。欧米の成功している印刷会社にとって、デジタル印刷技術抜きでは明るい未来は語れないとさえ言われています。  これはポストプレスにとって何を意味するのでしょう? デジタル印刷は自然と小ロット化、短納期化の流れを加速させます。印刷会社は差別化のために、オフセットとデジタルを組み合わせたユニークな印刷製品を作れるかもしれません。デジタル印刷プロセスがより効率的でかつ強力なものになるために、ポストプレスは小ロット対応や実質生産の向上のために、デジタル印刷機との直接あるいは仮想的な連結も含めて、より最適化されなければならないことは明白です。  デジタル印刷の伸長に関連してもうひとつ、考慮しなければならないポイントがあります。操作がシンプルなデジタル印刷の普及は、経験豊かな熟練のオペレーターを印刷現場から追い出しています。デジタル印刷の新しいオペレーターたちは調整ハンドルを回すより、キーボードをクリックするのが得意なようです。生産の効率化には操作の簡単さ、そして一冊目から良品を作れることも考慮しなければなりません。 効率化促すモーションコントロール  ポストプレス工程のさらなる効率化に寄与する重要なコンセプトが、ミューラー・マルティニのモーションコントロール技術です。モーションコントロールはマシンを迅速に正確にセットアップしますから、オフセットでもデジタルでもより理想的な生産プロセスを実現します。集中制御で使いやすいタッチパネルからの操作でモーションコントロールは1冊目からすぐ良品を目指すことができます。  個々のプロセスは個別のサーボで駆動され、このために、従来型と比べて約70%の保守備品を削減できました。これで修理や保全に費やす時間を節約できます。  モーションコントロール技術を初めて搭載した無線綴じ機アレグロはdrupa2012のデビューから65ライン超の納入と、大きな成功を収めてくれています。  さらに、当社の製品群のなかで主要なマシンにもモーションコントロールを搭載しました。それらはハードカバーラインのディアマントMCと糸かがり機ベンチュラMCです。いずれも世界のユーザーから、小ロットを高効率、高品質で生産できると好意的な評価を受けております。(2015年5月10日号掲載) ≫ニュース全文を読む