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2015年06月29日
言論・表現と出版の自由尊守 社会繁栄のための貢献目指す 全出版人大会で誓いを新たに  一般社団法人日本出版クラブ主催の第54回全出版人大会が5月11日、千代田区・ホテルニューオータニで開催され、古希を迎えた長寿者31名を祝い、永年勤続者341名を表彰した。これは出版業界あげての大会で、わが国出版文化の昂揚と発展を期するため、その誓いを新たにする場として例年行われており、今大会は創元社(大阪市)の矢部敬一社長が大会委員長を務めた。  冒頭、野間省伸大会会長は今年が戦後70周年にあたり、「8月の終戦記念日に向けて、各出版社から戦後70年に関連する数多くの出版企画が刊行されると思われる。メディア規制が垣間見える今、『言論・表現と出版の自由』は何があっても守らなければならない。あの忌わしい戦争を二度と起こさない為にも出版業界に携わる我々の果たす役割はますます大きくなると思われる。それについては大会声明で強く言及している。出版業界を取り巻く環境は厳しさが増しているが、我々出版人が一丸となり知恵を結集して難局を好機に転じていこう」と挨拶した。  次いで、矢部敬一委員長が「戦後70年、阪神淡路大震災から20年、三宅島噴火から15年など、いろいろな出来事の節目であり、立ち止まり、過去を振り返り、自分はどこにいて何をしていたのか考えることに意味がある」と述べ、大会声明を朗読し採択された。  大会声明では、日々進化するデジタル化・ネットワーク化の影響が出版の概念を大きく変えつつある中で、著作権法も今年から電子書籍について改正がなされ、今こそ未来に向けた「本とは何か」、「出版とは何か」という本質的な議論が必要であると言及している。  さらに、次世代の子どもたちに読書の楽しみを伝えていくためには、読書推進運動の輪をさらに広げ、地道な活動が必要であり、昭和32年に制定された出版倫理綱領の前文に〝我々出版人は、文化の向上と社会の進展に寄与すべき出版事業の重要な役割に鑑み〟の一文の原点を再確認し、社会の繁栄の為に貢献することを新たに誓った。  長寿祝賀、永年勤続表彰の後、作家のあさのあつこさんと文藝春秋文庫局長の羽鳥好之氏の対談が行われた。(2015年5月30日号掲載) ≫ニュース全文を読む

2015年06月10日
「PRIDE」名古屋総会特集 対談 三浦康彦氏×木野瀬吉孝氏 熱田台地・尾張地域のDNAを引き継ぐ名古屋印刷業界の地の利と精神性 ものづくり千5百年の歴史を支える物流拠点・トヨタ、三菱小型ジェット旅客機の生産拠点として約束される未来 徳川家康生誕4百年を機に、いわれを持つ各地で社会・経済・文化に多くの影響を残した業績に再スポットを与える企画事業が開催されている。印刷センチュリークラブ(浅野健理事長)も発足7年を機に、印刷業界はもとより一般社会への印刷百年の業績と百年を超えて企業継承を願う印刷経営者の「社会への寄与」を主眼とする活動を根付かせる活動に転じていく。  昨年の定時総会で「総会及び情報交流懇親会の開催を各地持ち回りで開催する」ことが決議されたが、平成27年度通常総会は印刷センチュリークラブ監事のお一人である三浦康彦氏(エムアイシーグループ代表取締役社長)のお引き受けによって名古屋での開催となり、その名称も「名古屋城能楽堂会議」として7月17日に開催されることになった。  織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と日本統一に名を連ねる個性強い3人のリーダーを輩出した尾張の土地柄を背景に、名古屋印刷業界はどのような精神的DNAを今に活かし、変わる印刷業界にどのような環境を設定しようとしているのか。熱田台地から始まる「ものづくり1千5百年」の歴史風土が育んだ名古屋の企業家精神を、三浦康彦監事と全印工連副会長の木野瀬吉孝氏(愛知県工組理事長・木野瀬印刷社長)が対談の形で全国印刷業界にお届けする企画を5月28日、名古屋印刷組合で実施した。  海に接近しながらも水の無い台地・熱田台地で始まった土器づくりは、やがて窯業「須惠器」に発展するが、海運を利用して各地に運ばれ、新機能を盛り込んだハイブリッド型の器として繁栄する。この物づくりと海に直結した物流拠点の強さは、尾張一族の造船業を生み出し、江戸時代になって徳川家康が水の無い台地に南北に走る堀川を施設して名古屋城を築く。現在では東に東京、西に大阪の消費地を配する名古屋経済圏は、トヨタ自動車や三菱航空研究所などが運輸拠点の性格をさらに鮮明にする。こうした風土と地理的条件が印刷企業の成り立ちと企業経営者の精神にどのように反映しているのか。印刷業界と名古屋の風土を知り尽くす三浦氏と木野瀬氏の両氏が対談で語り明かしていく。 日本の中央に位置する地盤強化な台地 東日本大震災後、大企業が物流拠点に 三浦 印刷センチュリークラブが今年発足七年目を迎え、企業変革から革新へと業界の動きが変化してきたことに対応して、「百年企業におけるこれまでの業態変革の実例から学ぶ」を基本としながらも、受注産業から創注産業への目線を加えて、地域需要者に寄り添う姿勢、言い換えれば「社会貢献」の在り方を求め、業界と一般社会に印刷企業の役割りと、その役割を果たす強さの根幹を提示していこうと変わり始めています。 そこでセンチュリークラブの主要事業である総会と情報交流懇親会を、全国各地の会員業界をクローズアップする形で、持ち回りで開催することになった第1回目を名古屋からスタートすることになったのです。来年は金沢との声がすでに出ていますが、地域と密着して活動する印刷業界を新しい視点で理解していく機会になるのではないかと思っているのです。 そこで今回、永年にわたり愛知県印刷工業組合の理事長として、また全印工連の副会長として印刷業界の動きをよく理解しておられる木野瀬理事長をお迎えして、名古屋の業界はどういう業界なのかを、あらためてクローズアップしてみたい。他府県と比べた場合の異質性がどこにあるのか、地場産業としての影響を受ける経済環境、このあたりはどうなのか。それから、東京と大阪の中間位置にある名古屋の地の利、そのメリットは何か。今後の名古屋はどう発展していくのか。こういうことを主題に語り合えたらと思っています。よろしくお願いします。 木野瀬 今回の名古屋総会では、名古屋城の本丸御殿の修復状況を見学するとも聞いていますが、ものづくり1千5百年の歴史を持つ名古屋経済圏の底力を多くの方々にご理解いただける機会になるといいですね。 三浦 木野瀬さん、名古屋の特殊性というか、印刷業界全体の再建計画に長く携わってこられていますが、名古屋の特殊性をどのようにお考えになっていますか。名古屋の印刷業界は他府県と比べてどこが違っているのか。その中で名古屋はどのような受け皿を作ってやっていこうとしているのか、良いも悪いも含めてお話し願いたい。 木野瀬 以前は東京・大阪に埋没するような時期もありましたが、ここに来て、「ものづくり県」としてクローズアップされています。どこに行っても「愛知はいいね」と言われます。愛知が特別いいわけでも何でもないのですが、そういう見方をされること自体、この地域の特性が現れて評価されているのではないかと思います。  全国の中央に位置しており、全体的に地盤の固い地域であることから、物流の拠点を中部地区、または愛知を中心に岐阜あたりに拠点を置く企業が全国的に増えています。これはBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を請け負う上においても有利に展開しているという感じがします。物流にしても、うちも通販をやっていますが、青森よりも北、鹿児島よりも南以外は夕方に出せば翌日に着きますので、こんな恵まれた地域はここだけではないか。この利点は今も生かされているし、今後も生かされていくと思います。 三浦 確かにそうですね。大企業が移りだしたのは、いつごろから顕著になったのでしたかね。 木野瀬 東日本大震災後が特に顕著ですが、その前からあります。例えばジャパネットたかたは愛知県春日井市だけにしかないですし、岐阜県多治見市にはアマゾンというように、物流の拠点として集まってきています。  東京、大阪に比べて土地代が安いこともあります。関東地区に倉庫業を持とうとしてもペイしないので、それはこちらで請け負うという形が自然な流れだと思います。東北や中国、九州の方だと、全国的な物流としては体をなさないところがあります。 三浦 情報的な面、例えば関東から官庁の情報、大阪からは芸術っぽい感性的な情報など、情報収集という面での地の利はどうですか。 木野瀬 情報の場合は、今はなんら問題ないですね。逆に情報過多の時代ですから、的確な情報をどうつかむかの方が情報を収集するよりも大事な時代になってきています。分析するのも冷静な判断がいる時代に、やたら近くにいて情報が流れるよりは、逆にプラスになるのではと思います。 三浦 情報収集よりも分析、ふるいにかける。その地の利ですね。愛知県は明治からものづくりが盛んであって、戦前・戦後、豊田紡績、豊田織機がトヨタ自動車になりました。このところの円安もあって輸出企業は元気がいいです。しかしながら、中小のわれわれから見ると円安は、印刷業界を含めてどの業種も、原材料の値上げなどが響いたりして、全国的に好況だと言われている中でも、実感がないのが本当のところではないか。そういうギャップを見ながら生活しています。しかしながら、ものづくりの生産拠点として、全国的に見ても愛知県はかなり高いものがあります。それを何らかの形でわれわれの仕事に活用しなければならない。そういうこともあります。  愛知の人たちは独創性が高い。独創性というのは、ものづくりの中では特に大きくて、多くの発明や、改善にもつながっています。そういう伝統があって、印刷関係の方々でも改善をするなど、業態変革という言葉が生かされてきたと思います。 自社のことよりユーザーに目を向ける 保守的ではなく斬新な反骨精神の都市文化が昔からありますね 木野瀬 それこそ名古屋の歴史だと思います。確かに徳川家ですが、徳川御三家でありながら徳川家に一番反発したのが尾張です。いまだに中央に対する反骨精神が生きています。質素倹約をしなさいと言われて、では何をすればいいのか。それに反発して徳川宗春は干されてしまいました。大須も一度はすたれたのですが、今、大須ではリユースデパートのコメ兵が全国展開しています。反骨精神があり、そこで独自の文化を作り上げるエネルギーを持っています。  そのDNAが生き続けているような気がします。一つのことをやり遂げるにしても、例えば有名なノリタケは、ノリタケは森村グループですが、統合してターゲットは世界です。世界に冠たるものにするにはすべて統合してしまえというやり方で、陶器から住宅産業にまで上り詰めています。  グループとしてどう発展させるかということになってきます。トヨタにはマツダと提携するというようなおおらかさがあります。何が目的かというと、ユーザーのために競争力をつけるにはどうすればよいか。自社のことよりもユーザーに目を向ける。愛知は保守的だとよく言われますが、保守的ではなくて、斬新な、反骨精神の町だと、私自身は思います。 三浦 それが、ある意味、文化というのか、そういうものにも現れて、名古屋城の本丸御殿ができて、焼失してから復元していますが、特に尾張地方は文化を大事にする。それを痛切に感じます。これは歴史的な背景があります。三河地方でいえば海運で、五万石の岡崎城の前まで船が着く。そこから綿織物など、関西や関東から来る品物や、三河湾でできた塩を岡崎から広く長野県まで運ぶ塩の道がありました。そういう歴史的な背景もあって全体が潤っていました。 木野瀬 街道と海道があり、塩を運ぶのが街道で、塩尻は塩の終着点でした。その地域で文化を完結させて成長してきています。また、挑戦することが得意なので、東京とは張り合わない。大阪は東京と張り合うところがありますが、張り合う必要はなくて、よい意味で漁夫の利を得る。そんなところで独自の文化、独自の企業が発達し、それが世界に発信できるものづくりになってきました。端的な例がMRJ(三菱リージョナルジェット)で、愛知県で民間機が製造されます。今は4千人近くが働いていて、さらに増えていくでしょう。そういう壮大な航空宇宙産業都市としての役割があります。  歴史をひも解くと、戦後、トヨタも航空産業に進出したかったのですが、アメリカから、軍事に使われる可能性もあるので飛行機はまかりならん。そのはけ口として自動車に能力を向けていきました。ここに来て、三菱は昔から飛行機をつくっていたので、本丸に戻ってきて三菱がそれを担う。そういう壮大なものです。MRJの工場のそばには展示施設も建設され、そこには零戦も展示されます。今でも当時の作り方の零戦が豊山町にある三菱の南工場に置かれています。  そういう意味では、次なる展開、アメリカ、ブラジルに対抗するような小型ジェット旅客機「リージョナルジェット」の生産拠点として国策としてやっていくことになる。  個々の発信力で個々が企業と結び着く これからは印刷業界としての発信力に 三浦 そうしたことを印刷企業だけでなく、名古屋の企業経営者はどこで知って、どのように理解しているのでしょうね。 木野瀬 認識していないと思います。認識していなくて自然にやっている。また、自然にその恩恵に浴している。それでいいのだと思います。  われわれは組合として群れているわけですから、群れている中で、それをどう整理して業界として発信していくか。業界としてアピールしていくか。これがこれから大事になってきます。今までは個々の発信力で個々が企業と結びついてきましたが、これからは印刷業界として何ができるかというプライドと責任が大事な時代になってきました。 三浦 自動車産業と新しい航空宇宙産業がかぶさってきたということで、変化にうまく対応していく対応力と独自性、そういうものが、吉宗の時代に宗治という名古屋の城主がいましたが、そういう流れが歴史的にあると思います。 木野瀬 幸い、みんな、このあたりで出ているので、信長好きがいて、秀吉好きがいて、家康好きがいて、それぞれのタイプによって違います。 三浦 以前は家康公、企業をまとめて大企業を築いていった家康が一時はもてはやされましたが、今のように混沌としてきた中では、信長のように先見性と勇気を持って未来を開いていく。そういう信長方式がよい。考え方がいいというように、それぞれ2大背景によって多少は変わってきます。 名古屋の「調整力」をバックボーンに 若い経営者が持つノウハウを活かす 三浦 業界の動き、業態変革に触れさせてもらいたいと思いますが、寄り合って意見を交わしてというのは、前に中村守利さんがスタートしたときの発想です。浅野さんは、業態変革、組合は集いの場だという言い方をされていて、集うことで物事ができるのだと。名古屋の精神からすると業態変革の初期の精神と同じだという感じがしますが、理事長はどのようにお感じになりますか。 木野瀬 私が組合とかかわったのは、中村さんのときです。1999年の中小企業経営革新支援法、その前の構造改善から大きく舵取りをしたときに、では業界としてどうするのかということで提唱されたのが2005計画だと記憶しています。  突然そこに行けと言われたのですが、なんせ組合が嫌いだったので、なぜやらなくてはいけないのかと言ったのですが、そこには浅野委員長がいて、委員の中には水上さんもいました。いろんなことで誘発されましたが、そのときの感覚は、どのようにまとめていくかという発想ではなかったわけです。どういう方向か、可能性をたくさん出して、その中で出てきたのが業態変革という言葉でした。  要するに変化と変革は違う。われわれは変化してきただけ、1999年までは。その1999年以降は、頑張ったところを国は支援します。ということは、がんばったところしか生き残れない。がんばるには自ら変革を起こさなければならない。流れに乗って変化するだけではダメだということで、変革ということに議論を費やして業態変革という言葉が出てきました。自ら変わるという意思を示すのが、これからのキーワードになってくるのではないか。そこが一番の、根本の精神ではないでしょうか。 三浦 その精神は、名古屋の調整力、独創力とイコールですか。 木野瀬 イコールだと思います。そこのところでいろんな投げかけをすると、これからを担っていく業界の若者たちは素晴らしく、前に進めようという力も、レベルが高いですから、われわれが引き継いだころと比べて危機感を持ってやっています。業界は大変だ、産業が大変だ、日本の経済が大変だという裏打ちがあるから、なおさらがんばらざるをえないというのは、ものすごく大きいと思います。 三浦 会社によって温度差はあるのでしょうが、全体的には、われわれの業界自体が印刷というメディアからいくつかのメディアに変革していく最中でもありますし、特にタブレット端末の変化は激しいものがあります。若い人でないと見えてこないところもありますが、危機感を持って進もうとしています。若い人たちが持っているノウハウは高いものがあります。そういう若い人のノウハウ、あるいは若い人がこれから進む、それは5年先か3年先かという短いスパンでの感覚かもしれませんが、大変大事ではないか。今の若い人の考え方をわれわれも把握し、業界が把握して、それを生かしていかなければいけないということですね。 受注産業からコンシェルジュの立場に 印刷物より「こんな結果が出せますよ」 木野瀬 私が社長になったのは30年前です。先代が突然亡くなったからですが、当時の業界は、印刷業界に限らず、がんばってもがんばらなくても結果は同じという時代でした。例えば企業が伸びていけばお付き合いをしている印刷会社も伸びていく。お付き合いしている企業が伸びれば自然に伸びていく。地域の人口が勝手に伸びていくので、例えば広報紙をやっていると自然に伸びていく。それが実力と錯覚するような時代でした。  そのころは広告を打てば集客できる時代でした。今はそんな時代ではありません。お客さま自体が何をすればよいかわからない。困っている時代です。そこにおいては、どれだけアドバイスをしてきちんと結果を出せるか。こんな美しい印刷物ができますという時代から、こんな結果を出せますということ。  愛知県印刷工業組合では、ソリューションプロバイダーの延長線上でビジネスコンシェルジュ、業界のブランディングのために新たにムービーを作りました。お客さまが何をすればよいかがわからない時代に、その方向性を示してあげるのがわれわれの仕事の範疇になってきた。だから、おのずと受注産業ではなくてコンサル業に近いコンシェルジュの一貫。それを1社で賄うのは無理なので、寄り集まってコラボレーションして立ち向かっていく。そういう時代ではないかと思います。  驚きのムービーです。昨年、新たに若手の経営者のために、ブランディングツールとして印刷産業をPRするムービーを作りました。それぞれの企業のブランディングを考えたときに、彼らは業界のブランディングのためのムービーを作りたい。予算がないので1社から1万円ずつ合計100万円ほど集めて、それを資金にムービーを作り、先週それを発信しました。ユーチューブにもアップしています。昨日、中部経済局の部長に送りましたが、他業種にもアピールしていきます。リクルートには最適だと思っています。 三浦 印刷関係は、リクルートになると学生には斜陽的で魅力のない業界。この間までは魅力があって、会社説明会でも、20年前に社屋ができたときは、100人以上が入れますが、入りきれないほどで鈴なりのように列ができていました。そういう会社説明会もありましたが、今は変わりました。 われわれが培ってきた印刷工程において提案できることだけではなくて、その人たちの考え方、まさにコンサルタントかもしれませんが、考え方自体をお手伝いする。そういうことが求められています。例えば、印刷物もありますが、デジタル関係の仕事もお手伝いできる。こういう時代背景が今はあるのではないかと思います。  町によって格差があるので、私どもの西尾地区や岡崎地区では、オーナー同士の懇親を深めるためにバーベキュー大会をしたり、小旅行を計画したり、コミュニケーションを緊密にとりながら地域の業界のつながりを大事にしています。 木野瀬 我々がこうした考え方をするようになったのも、業界を担ってきた岩田さんや高井さんなど、そういう先輩たちのおかげだと思います。突然降ってわいてこうなるわけではないと思うのです。そうではないリーダーのもとだったら、我田引水であったりフレームワンであったり、そういうことがベースになると活力は生まれません。自らすべてのものを作り出す、すべてのお客さまにというように、CS(顧客満足)を実行していけばやることはごまんとあります。逆に、既得権益みたいなところで昔はということになると、そこで思考停止になるのだと思います。  印刷センチュリークラブで以前、若手経営者が対談しているのを読ませていただきましたが、素晴らしいレベルでした。そういう意味では、彼らが生み出したわけではなくて、彼らを指導し、いろんなことを伝えてきた人たちが立派だったと思います。 三浦 印刷分野での危機感は皆が持っています、若い人は特にそうで、そういう中でどのようにやろうとしているかを語ってもらうと刺激になります。 印刷を中心に置くと色々な結果が出る 「プリント トウ ウエッブ」の考え方 三浦 お客さまのために、すべてのアイデアと、創注産業を目指してコンシェルジュとしての役割を果たして、印刷物とプラス何かでということが言われ始めました。これはどうですか。全印工連活動の目標の中にうたわれていますか。 木野瀬 印刷がペイントやプレスというところで思考停止したら、それはお客さまが望むことではなくなります。本当の意味のクロスメディアという言葉が、何十年もたって、ここでやっとわれわれの持ち物になってきたという感じがします。クロスメディアという言葉は古いです。言葉として独り歩きをしていた時代から、実際に印刷物からQRコードやARなど、いろんなものができます。これからはウェブでやるから、映像で片付けるからと、印刷物が排除されかかったときがありましたが、結果的にそのものを見るためには印刷物が一番手っ取り早く、説得力があるので、波及効果、訴求効果は大きいです。何かがなければホームページにも飛ばない。何かがなかったら伝えたい映像も見てくれません。最初からそれを見てくれるのはよほどマニアックな人です。  印刷物は、名刺ひとつにしてもさっと渡せます。読んでもらえるのが本当のクロスメディアで、ウェブ・トゥ・プリントではなくてプリント・トゥ・ウェブ、プリント・トゥ・ムービーだと、ある人が言っていました。中心にあるのは印刷物です。おごった言い方ではなくて、当たり前に、印刷を中央に置いたらいろんな効果が生まれやすいということを、われわれはもっと感じなければいけない。そうするとものすごく変わってきます。 三浦 木野瀬さんの今の説明はわかりやすくて、言葉が印象的に残ってきますね。全印工連の広報、PRも今ような言い方で作ってくれると浸透すると思いますが。 木野瀬 残念ながら作っていません。一度、根本的に変えようとしたのですが、結局、改革に失敗しました。その意味からいっても、業界のブランディングは何ですかと問いかけるものを愛知で作りました。それを誰もが感じてくれるものを作りました。  良いものを作ってほしいと言っただけで、ひと言も要求していません。ストーリーはありましたが、どう作るかは任せました。最後にチェックをしてほしいと言われましたが、皆と一緒に感動を味わいたかったので総代会のときに見ました。その発想力に感動しました。これが印刷業界の発想力であって、他の業界にはないと思いました。 三浦 例えば「クロスメディア」で説明が完結してしまうと聞いている方としては何も残らない。「ようやくわれわれのものになった」という言い方をされると、そうなんだ、あれもそうなんだ、これでいいんだとうなずけると思いますが。 木野瀬 クロスメディアという言葉は、私が最初に使ってからでも25年はたっていると思います。うちの会社も今年クロスメディア事業部を立ち上げました。今までは立ち上げても名前が独り歩きするだけですが、月刊誌を出しているところは、まさしく印刷を中心にしてできるからです。 三浦 今、やっとクロスメディアになった。その感想を語れる人、裏付けを持って、現在のスマートフォンや端末も理解し、プリント・トゥ・ウェブ、プリント・トゥ・ムービーだと語れる。これが大事なときです。 木野瀬 業態変革の中でも、考え方は7keys、5Doorsをリニューアルしながら引き継がれていますが、今回、その精神をリスペクトする形でレベルの高いものを作り上げると思います。  あれは個々の会社に置き換えてチェックできる項目ですから、あれをそぎ落として、いい意味の今風にしていければと思っています。キーワードは相当変わってきたはずです。われわれが最初にやったときはCSRという言葉はなかったし、MUDという言葉もダイバーシティ経営という言葉もなかった。今はそれが当たり前に求められています。  MUDで目立つ会社が出てきましたが、そこの専売特許ではない。印刷業界全体でMUDに取り組むからMUDを依頼してくれる。その発想に期待してくれる。そうなるべきであって、数社が目立っている状態はダメです。CSRもしかりで、地域に貢献している。レベルの高いことを求めるのであれば、他の業界から期待されるところまで上り詰める。  例えば、ARにしてももっと吹聴してもいいと思います。吹聴してマネをするところが出てくれば横展開ができます。よいことはマネをしてもらわないといけない。目立つときはとことん目立つことも大切です。全印工連の女性活躍推進室に出向させる記事を中部経済新聞が取り上げたのですが、メンバーの近藤印刷の近藤起久子社長の写真を女性記者に頼んだのですが、さすが良い写真を撮って掲載してくれました。要するに、これからは女性の力が必要で、それをどう活かすか。コーナーを設けて記事を載せるから自慢の写真を送れと。やっぱり女性記者ですね。顔写真ではなくて全身。業界として、女性がこれだけ活躍しているとアピールすることが必要です。片隅ではなくてメインにしなければならない。 オリンピックの受け皿に我々の地域が 歴史と観光、産業立国の優位性生かす 三浦 企画やアイデアの業種になるには企業全体の演出も必要だということですね。 木野瀬 外国人観光客がこれだけ増えています。東京オリンピックも東京の専売特許にしてはいけない。当たり前に、われわれの地域でも享受できる。また、受け皿になれるようなグレードにする。そして地場の産業、地場の観光資源として活用していく。そういうサイクルが当たり前に必要です。  5月に三浦さんが創業110周年を迎えた感謝の意味で行ったコンサート「ピアノ独奏と歌姫との響演」こそ、本来は『あいちの印刷』に取材をさせて、広くその意義を伝えるべきです。そのことで、すごいとなってマネをするところが出てこないといけない。 三浦 オリンピックの話題が出ましたが、オリンピックも含めて、今後の市場開拓、名古屋としての取り組み、その可能性と具体策として何をやろうとしているか、いかがですか。 木野瀬 名古屋はものづくりで、MRJは輸出向けにやるわけです。リニアの中間点、発着点になるので、産業観光がクローズアップされてくるはずです。航空宇宙科学博物館は、地域をアピールすると同時に、海外に対してもアピールするという思惑があるはずです。歴史の詰まった歴史的な地域であると同時に、産業観光にもなりうる地域、町でもあります。 三浦 先端産業県、名古屋を地域密着産業としての印刷業界が支える。 木野瀬 それをアピールするのは、広告代理店ではなくて印刷業界です。山車を見ると外国人はすごく喜びます。それは中央の大手広告代理店はやってくれない。でも、県と結びついて発信力があれば、八田や西尾でも集客ができます。それを当たり前の展開にするのは地場の印刷業者だと思います。 三浦 HISが見学コースの一つにトヨタ自動車を入れると新聞に載っていました。地元の抹茶生産工場も最新の設備で無人化されていて、ガラス越しに中の様子を見学することができます。オリンピックについても蒲郡がヨット(東京五輪セーリング競技)の開催地の候補にあがるなど、話題は多いと思います。 木野瀬 ラグビーのワールドカップは豊田スタジアムで開催されます。会社の数も多く、地域のことを理解しています。コンテンツを持っているのはわれわれですから、仕掛けをどのように作っていくか。そこのところの技は、これから私たちが磨いていかなればいけない。  組合としても、そういう技づくり、コンテンツづくり、仕掛けづくりの取り組みを促すために、前面に出しているのが業界のブランディングで、そのための専門委員会を立ち上げたわけですから、若手の力を使ってガンガン進めていきます。 三浦 印刷産業のブランディングツールとして、印刷産業をPRするムービー「お客様と文化を供創するビジネス・コンシェルジュ」を全国の方に観ていただきたいですね。 木野瀬 まずはこれで、学生たちに見せるとわかりやすいので、全国で使っていただきたい。 三浦 全国で使ってもらってマネをしていただきたいという気持ちです。 木野瀬 大切なことは面白いモノが出てきたときに既成品にしないということです。ブランディング委員会を作る気はなかったのですが、若手に変えようとマーケティング委員会の委員長と相談して、プリントネクストをやっていた荒川君を委員長にして、メンバーを集めてもらいました。この委員会をやるために、一緒にプリントネクストをやっていた非組合員が何人も入っています。若手の経営者たちですが、その発想力に未来の印刷業界を託せるのではないかと思っています。 三浦 今日は貴重なご意見を色々とお聞かせいただきありがようございました。堅牢な大地を名古屋の宝として、また日本の物流拠点としての強さを活かす努力を印刷業界として、これからも続けていかなければなりませんね。木野瀬さん、これからもご指導のほどよろしくお願いします。 ≫ニュース全文を読む

2015年06月10日
大阪府印刷工業組合 60周年記念事業で示した今後10年へのあるべき姿 魅力ある業界づくりを怠るなら、支持する人はいるだろうか 情報発信者に寄り添うコンテンツメーカーに 社会と産業における変化と 多様性に注目して対応図る  昨年7月に創立60周年を迎えた大阪府印刷工業組合(吉田忠次理事長)は5月22日、大阪市中央区のホテルニューオータニで来賓をはじめ、組合員や関連業界から452人の参加を得て60周年記念講演会・記念式典・記念祝賀会を挙行した。  印刷業界を取り巻く環境がここ10年間で大きく変化し、需要の減退や消費者ニーズの多様化、急進するIT・メディア媒体の登場によって大きな転換期に差し掛かっている。同工組は今後の印刷業が目指すべき方向性として「製造業」から「サービス業」への業態変革の重要性を示しながら、厳しい現状にあっても業界が一体となって常に前向きに躍進する必要性を組合員に訴えかけてきた。  今回の60周年記念事業では、「未来への礎~2015大印工組の新たなスタート」をテーマに設定し、実行委員会が一丸となって10年後の変化を見据えながら、「未来に向かって躍進する印刷の実現」「次世代が夢と希望を抱く業界であり続けるそのための礎づくり」を事業の目的として、さらに飛躍することを誓う場となった。  記念式典に先立ち記念講演が行われた。60周年記念事業実行委員会の作道孝行副実行委員長は「印刷業界を取り巻く環境は転換期にあり、組合のあり方も変わってきた。組合員企業が存続していくための新しい仕組みづくりや人材育成に力を入れなければならない。  次世代が夢と希望を持てる礎づくりを目指すとしても、これをやれば正解という安易な解決策はない。ともに悩み最善の方法を模索してこの厳しい時代を乗り越えていきたい」と開催趣旨について示した。  このビジョンを具現化するために今回の記念講演会では、川口盛之助氏(盛之助代表取締役社長、日経BP社未来研究所アドバイザー)を講師に招き、「2020年、産業界はこうなる。~日本企業は何で食っていくのか~」と題した講演会が行われ、社会と産業における変化の多様性を学んだ。  引き続き行われた記念式典では、吉田理事長のあいさつに続き、来賓を代表して近畿経済産業局産業部長の戸田美和、大阪府商工労働部長の津組修、全日本印刷工業組合連合会会長の島村博之の3氏が祝辞を述べた後、表彰式が行われ、過去10年に理事長・副理事長を歴任した人々をはじめ、同工組の発展に寄与した個人・企業を表彰した。  最後に大阪青年印刷人協議会のメンバーらが中心となって企画・制作した未来の印刷業に向けたメッセージビデオが流され、現在までの足跡を辿りながら先人に思いを巡らせるとともに、印刷業界発展に寄与した人々の功績を称え、今後も社会や会員企業から必要とされる組合であり続けるための決意を示した。  また、記念祝賀会では吉田理事長のあいさつに続き、国土交通副大臣・参議院議員の北川イッセイ氏と近畿地区印刷協議会会長の水落充氏が祝辞を述べ、近畿印刷産業機材協同組合の加貫順三理事長の発声で乾杯した。 夢が持てる印刷業の未来を次世代に 地域活性化リーダーを目指す 大阪府印刷工業組合 吉田忠次 理事長  60周年記念式典では、開会に先立ち吉田忠次理事長があいさつに立ち、変化の激しい時代にあって、印刷業が今後進むべき方向について、コンテンツメーカーとして歴史に裏付けられた技術と創造力を活かし、さらなる発展を目指すこと、組合員が一丸となって未来に向けて課題解決に果敢に取り組み、社会から必要とされる組織に成長していくことの必要性を参加者に熱く訴えかけた。  社会から必要とされる組織であり続ける  人に寄り添い、情報に寄り添い、私たち印刷人は「ものづくり」を極めてきました。  これからの印刷業の10年後、あるべき姿については、2014年に全印工連が発表した「印刷道」において、2020年に向けた印刷業の進むべき方向が示されています。  この中で「印刷物」を作るのではなく、情報発信者に寄り添い、「コンテンツ」の魅力を最大限に引き出す「情報伝達物」をつくるソリューションプロバイダーとして印刷業を位置付け、その取り組み事例などが紹介されています。  地域経済に密接に関係する私たち印刷業は言い換えれば地域の活性化なくしては語れません。地域活性化の大きな基盤は、交流人口拡大であり、私たちの町、大阪は大きな潜在的力を秘めています。  「観光立国推進基本計画」の効果もあり、2013年度には初めて外国人観光客の数が1千万人を超え、2014年度は1340万人となり、大阪においても430万人にも上っています。  これは無形文化財として登録された「和食」「和紙」、そして食器や伝統工芸品などの職人技、アニメやマンガのサブカルチャーなどに代表されるジャパンコンテンツが世界各国で支持され、空前の日本ブームが起こっているからです。今後も日本に感動体験を求めて訪れる観光客は間違いなく増加するでしょう。  私たち印刷業は「コンテンツメーカー」であり、「情報発信者に寄り添う存在」として、歴史に裏付けされた技と創造力、斬新なアイデア、繊細な気遣いなどの特徴を持っているのではないでしょうか。  その特徴を活かしながら来日する外国人観光客に向けて「五感に触る感動」「心に触る感動」にフォーカスを当てた感動体験を私たちが顧客と共に演出していかなければなりません。このような活動が地域活性を現実のものとしてくれるのではないでしょうか。  「印刷道」はもとより将来の印刷業を考えるキーワードは身近な日常生活の中に存在するのかもしれません。  一方で、組合という組織が組合員や社員、家族から見て「魅力的な組織であり続けられるのか」という問いかけを考えた場合、60年と言えば、人間では還暦、還暦を迎えた組織が、これからも必要とされるためには「未来に向けて果敢に課題に立ち向かい、さらには業界のみならず社会から必要とされる組織」に成長しなければなりません。  そのためには、目的を同じくする同志が集う組織であり、その目的を常に確認する議論は避けて通ることはできません。  世間や組織への迎合ではなく、われわれの存在が印刷業界に留まることなく、社員はもとより、地域経済の活性化リーダーとして社会からも望まれているのかと向かい合うことを意味しています。  私たちがビジョンを描き、掲げ、公益活動を磨き、そして魅力ある組合、業界にするべく活動を怠るようであれば、一体誰が私たちを支持し、組合員も所属する意義を見出すのでしょうか。  同志が集うか否かは、われわれが印刷業界や社会が抱えている課題や問題を的確に捉えるだけの知識や見識を持ち合わせ、その解決に向けて大きくメスを入れる強い意志と実行力を持ち合わせているかにかかっています。  このことが組織の継続・発展の核心です。次世代に向けて私たちを育てていただいた印刷業界やそして組合を、夢が持て、そして実現ができる場所として健全に引き継いでいく責務があります。  60周年を期に未来への礎、そして新たなるスタートとして位置付け、「常に新しいことに挑戦し」、魅力ある組合組織として次世代へとバトンを引き継いで参りたいと考えています。これから5年後、10年後も一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。(2015年6月10日号掲載) ≫ニュース全文を読む

2015年06月10日
PrintNext2016開催へ 来年2月6日に東京で 印刷業界青年部3団体が合同で実施  PrintNext2016運営委員会(全日本印刷工業組合連合会・全国青年印刷人協議会、全国印刷緑友会、日本グラフィックサービス工業会・SPASE21の印刷業界青年部3団体、滝澤光正運営委員長)が運営する合同イベント「PrintNext2016」を2016年2月6日、東京・大手町サンケイプラザで開催する。  「新しい価値創造への挑戦!~印刷から始める、日本の新時代~」をテーマとして、全国から集う志の高いリーダー達が、新しい価値創造へ挑戦すべく、経済活動のエンジンとして希望の未来を創造する決意を持ち帰ることができるイベントになるよう準備を進めている。  主催者一同、全国より多くの同じ志を持つ仲間の参加を募りたいと考えており、各団体を通じて全国の青年部への発信などを積極的におこなって行きたいと考えている。  このほど、「PrintNext2016」のフライヤー・ポスターが完成した。  今回のPrintNext2016のロゴのコンセプトは「ネットワーク・シナジー」。PrintNextのダイナミックな活動による可能性の拡がりをデザインで表現した。  今後このフライヤー・ポスターは青年部3団体を通じて全国の各地域に配布していく。  また、公式HP、FBページも立ち上がっている。(2015年6月10日号掲載) ≫ニュース全文を読む

2015年06月10日
印刷産業のPRムービー制作 若手メンバーが新鮮な企画で 愛知県工組 ブランディングツール開発  愛知県印刷工業組合(木野瀬吉孝理事長)はこのほど、印刷産業のブランディングツールとして、印刷産業をPRするムービー【お客様と文化を共創するビジネス・コンシェルジュ】を制作した。ムービーはYouTubeチャンネルで公開。  同ムービーは、愛知県印刷工業組合ブランディング委員会(荒川壮一委員長)のミッション(社会の若い才能たちが、印刷産業に魅力を感じてくれるような施策を展開することへ注力し、印刷産業をブランド化、社会における「印刷産業へのプライオリティ」を向上させること)を念頭に、委員会内で企画を創案、シナリオ構築したうえで、映像制作会社のエイチアンドダブリュー株式会社(東京都目黒区)に制作を依頼し、愛知県印刷工業組合として監修を行っている。  このムービーを通して、社会に対して印刷産業の魅力を正しくPRすることで、印刷産業の認知度を向上させ、ひいては印刷産業へ優秀な人材流入を創出するきっかけとなるよう制作した。時期を同じくして、一般社団法人日本印刷産業連合会が、この度策定した「グランドデザイン」のミッションのひとつにも、「社会に向けて印刷産業をアピールすること」を掲げたが、「魅力ある印刷産業としてのPR活動は、人材獲得の面からも有効である」との日印産連の声明は、愛知県印刷工業組合の思い、並びにこのムービーの意図するところと、全く同じ。  今後、業界関連イベントや、就職・転職市場向けなど、さまざまな機会を通じて本ムービーを閲覧・拡散できるような関連企画を施策していく予定。  尚、このムービー制作にあたっては、同組合会員企業および全国の印刷関連業界企業の108社より協賛を得ており、ムービークレジットにはすべての協賛企業の社名が掲載されている。社会に対して印刷産業の役割をPRする重要性を認識する企業の多さを表していると考える。(2015年6月10日号掲載) ≫ニュース全文を読む

2015年05月30日
JP展14日に卒業生が集い「JPA・関西応援団」を立ち上げる 求められる新時代継承者の育成に動き出すJPA 浅野健理事長が結団式で激励講演  後継者育成を目指す日本プリンティングアカデミー(JPA・浅野健理事長、猪股康之学校長)が、5月14日、「JP2015情報・印刷産業展」の開催会場となったインテックス大阪の6号館2階会議室で、JPA関西卒業生が参集して、次世代経営者の誕生を支援する「JPA・関西応援団」を発足させた。  後継者育成に関心を持つ企業経営者や候補者、あるいはメーカーなどからも同じ志を持つ人なら誰でもが参加できる。すでにOB会が組織されているが、OB会の縦系列に加えて横のつながりを重視する応援団構想によって、後継者育成思想の広がりを期待している。今回の結成を皮切りに、順次、東京、名古屋などでの結成が計画されている。  全国応援団の団長となる浅野理事長は、同日の結団式で、JPAの誕生経緯を説明するとともに、時代が求める事業継承者のあるべき姿を基調講演の形で描いてみせ、企業及び業界再構築への意欲を促した。その主要部分を紹介する。 生産技術から経営技術にシフト企業引継ぎ再構築する力を養う  今、本科の1年生と2年生、合わせて10人です。1年生が5人、昨年の1年生がそっくり2年生になりました。そして編入が1名、久々の二ケタです。そんなことで喜ぶのかと思うかもしれませんが、久々の二ケタで、学生が10人いてくれることでどれだけ学校が楽しいか。劇的に変わっています。  ありがたいことに、過去の蓄積があったので無借金、資金を使わないようにしてきました。何かのときのためにと思って減らさないようにしてきました。そして今、それを積極的に投資しています。設備投資、改修投資、そして人材投資。投資のないところにリターンはない。しかし投資リスクはあります。投資しても学生数は増えないかもしれない。どうしますか。そのときはやめたらいいじゃないか。もう役目を果たしたと思うしかない。  学校の前のマンションの1階に使わなくなったスペースがありました。そこをなんと兵庫県、大阪府、群馬県、青森県の卒業生たちが自分たちの東京事務所にしたい。4者が集まれば知恵も出てくるだろう。そんなことでこの4月から使ってくれました。そこを使ってもらうための投資もしました。その方たちも投資をしてくれて、学生と一緒に現実の苦労の話をしてくれています。  対象者はこれから印刷会社を引き継いでいきたい人たち。もっと言えば、従来型の印刷会社であることを打ち破って、もっとダイナミックに、自分が経営して喜べる、楽しめる。そして、仲間たちにもそう思ってもらえる企業にリニューアルしたい。もうリフォームでは間に合わない。一度更地にして、そこに再度建物を構築する。そんな覚悟を持ってくれる人に育てたい。  今までは、印刷物を製造するための勉強でした。しかし、これからは経営をサポートするための技術教育。例えば印刷現場の温湿度管理は工場マターですか。私はそうは思わない。  これは経営マターです。メンテナンスはどうですか。メンテナンスは時間がかかります。その時間を生産時間からどう作りだして、その時間は何が何でもメンテナンスにあてる。その覚悟は工場マターですか。経営マターでしょう。  実際にメンテナンスは何をやるのですか。温湿度管理を前提として、例えばドットゲインの管理は月に1回でいいのですか。濃度管理だけでいいのですか。さまざまなチェックポイントがあります。それをチェックしないと、それが少しでもぶれると、どんな現象が出てきますか。裏付き、ムラ、さまざまな現象が出てきます。だからメンテナンスが必要になります。  しかし、そのメンテナンスは時間も明確に与えられていない。しかし、メンテナンスのチェック表だけはある。どうなりますか。やったことにしてしまいます。忙しいからできなかった。明日も忙しいに決まっている。納期がずれたやつがまた入ってくるのだから。そうすると最初に決めたものが形骸化していきます。そうするとどうなるか。あとで高い請求書が回ってきます。機械の修繕費です。10年もつ機械が、なぜうちは6年なのかということになる。だから経営マターです。それを今からわかってほしい。理解してほしい。 先輩の苦労を醍醐味に変えて 自ら考え行動する経営者目指す  素晴らしい印刷機のオペレーターになりたい。そういう人は、技術を学べるところに行けばいいと思います。小森さん、あるいはハイデルに行って、毎日OJTで先輩から教わりながら、盗みながら、スキルの高い印刷オペレーターになってください。でもわが校はそれとは違います。経営というサイドで、もう一つは発注者の視点で印刷を知ってもらいたい。なぜなら、発注者の上を行きたいからです。だから提案につながるのです。  今までは内向きの教育でした。今やっていることは違います。外向きです。単に経営者の養成、経営者の予備軍の養成ではありません。先進的な経営者になってもらうために、この学校で時間を費やしている間にその覚悟を決める。その醍醐味を先輩たちから耳にして、俺もやるぞ、困ったときは仲間がいるじゃないか。こういうことです。自分で考える。自ら考えます。学校の中では学校長と呼んでいません。われわれが主役ではない。主役は学生、お客さまは学生です。自分たちはスタッフです。コーチです。猪股さんはヘッドコーチと呼んでいます。  自分たちだけで教えきれるものではないから、さまざまな方のご協力をいただいています。いただいているのではなくて、いただけるようになりました。それは何よりも学生たちの熱意です。今日の話の中にもありましたが、先生がビックリします。「いろんなところで教えているが、ここの学生は、数は少ないが目の輝きが違う。また来るよ」と、一人の学生の補講のために朝8時から来てくれる先生はいません。しかも謝礼はほとんどなしです。  われわれの先輩には、自分たちが経験したことの中で大切なことは伝えていきたいという思いがあります。親子だと伝わりにくい。ついつい「そんな甘いものではない。俺の若いころは」と私でも出そうになります。だから「あのバカ」と言ってしまう。同じような星の下に生まれて、そこから逃げ出せない宿命を持った子たちが、せっかくその星の下に生まれたのなら、そうではない人に失礼のないようにしたいじゃないか。自分たちはなんと恵まれているのかということを肌で感じてほしいじゃないか。そのためには今までのことから学びましょう。親の背中を学びましょう。最初は今までの領域を守り、それを破って最後には離陸、テイクオフしていく。それを2年間、自らたたき込んでもらいたい。そんな環境に今はなっています。  少数だからできる。確かにそのとおりです。マックス25人、1年生15人、2年生10人、これが猪股さんの限界。教室はもっとあります。一時は1学年30人を超えていましたが、猪股さんの情熱、曹さんの情熱、野口さんの情熱、東京でがんばってくれている先生、留守をしてくれている先生、その方たちの情熱の限界です。正直だと思う。普通の学校だったら面白くも何ともない。何よりも、38期の卒業生たちはほぼ全員が現役です。こんな学校がありますか。OBのほとんどがこの産業の中にいて現役。しかも、それぞれ色が違います。個性が違います。そんな人たちが今、教壇に立っています。それも昔のイメージの教壇ではない。フラットな状況の中で自分の失敗談を語り、自分の思いや情熱、さまざまなことを伝えてくれています。  カリキュラムは毎年変えます。今年と同じカリキュラムで来年もやるなんていうのは講師たちの怠慢です。世の中は動いています。一番主のところ、一番大事なところ、昨年と同じなんてありえない。そんなものを学生たちにぶつける。それでいてコーチたちは学生からいろんな刺激を受けて、僭越な表現ですが、成長してくださる。そんな環境です。  残り15人、早い者勝ちです。「どうだ」と皆さんにお伝えするので、皆さんもぜひ、なるほど面白そうだと思ったら、とにかく一度来てください。見事に明るくなりました。ぜひおいでください。そして、学生たちの目を見てやってください。そのときに許される時間、1時間でも2時間でも3時間でも、学生たちに語ってやってください。ぜひお願いします。  この印刷業界に残り、印刷産業を建てなおして、新しい産業界をつくっていく。そのための原動力に必ずなる。必ずしてみせる。そういう思いを講師たちは持っています。学生たちも持ってくれています。ぜひ、皆さんのご理解、ご協力をいただければ大変ありがたい。どうぞよろしくお願いします。(2015年5月30日号掲載) ≫ニュース全文を読む

2015年05月14日
JP展速報 会場案内  この新聞は、ご来場の方それぞれに異なるバリアブル情報を提供しています。「バリアブルスタンプラリー」の赤字表記「エントリーナンバー」によって、あなただけがJP展会場で使える「特典情報」であることを保証しています。 写真は5号館の入口前で開催された開会式でのテープカットの様子(キャプション) 印刷と電子メディア 共存発展の時代を先駆ける 変わる業界を反映し、JP展会場も変化 開会式に各界から来賓が列席  5月14日午前9時30分、「JP2015情報・印刷産業展」が開幕した。  近畿経済産業局、大阪市経済戦略局振興部、大阪府商工労働中小企業支援室ものづくり支援課をはじめ大阪府印刷工業組合、近畿印刷工業会など来賓80名を迎えた開会式が行われ、16日まで3日間にわたる「収益に転嫁できる付加価値づくり」に向けた市場活性化策が88社235小間の規模で来場者を迎え入れた。  受注産業から創注産業への転換を宣言して、新たな営業手法に糸口を見つける第2世代型の「印刷とデジタルの融合化」に取り組むJP2015展は、マーケティング営業を基本として、紙媒体とインターネットをつなぐ融合技術を、ARポスターとスマートフォンを介した「ビーコンチャレンジ」やバリアブルインクジェットヘッドを既存オフ輪に追設して一人一人が異なる訪問先情報でスタンプを集める「バリアブルスタンプラリー」の2つの企画で、スマホ有りとスマホ無しのデジタル融合策を比較できる試みが組み込まれた会場を演出した。  挨拶に立った西井幾雄JP産業展協会会長は「足元を固めた新しい風は大阪から発信される。印刷を刷る技術の産業から、お客様の側でお役立ちする産業に。多くの方々の体験から明日につながるご意見がもたらされることを期待したい」と出展各社と一体化したJP展の内容に自信を示していた。 企画提案営業の新たな展開 印刷と電子の融合をベースに バリアブル機能をラリーで体感 スマホとARでO2O誘導も 2つのラリーでデジタル融合の形を比較体験  社会環境の変化に影響を受ける印刷需要。印刷物は購買行動の活性化に直結、結びついてきているだけに、爆発的な伸びを示すスマホユーザーと共存する媒体機能が求められてきてもいる。  今年のJP展は「ものづくり大阪・生活を彩る印刷技術」を主題テーマに掲げ、印刷技術が市民生活の中に色濃く、より深く浸透させることで、日常生活に豊かさを届け、同時に地域経済の活性化を促す使命を再提示していく。同時に、印刷企業が具体的にどのようなカタチで、「生活に彩りを添えるのか」についても、サブテーマである「付加価値づくり」を追求することによって、印刷物を発注するクライアントが意図する「増客増収」を具現化する仕組みによって寄与していく考えを示していく。  「伝えたい情報の固定化」によって多数の人々に同一情報を間違いなく伝える印刷物の特性と、「その場のニーズをすくい取り」伝えることで購買能力を高めるデジタルメディアの特性をどのように融合させ得るのか。JP展では、主催者企画として「来場者参加型の2つの試み」を実施し、印刷とデジタル機能の融合化の実効性を検証してもらうイベントを実施する。  1つはスマホなどの特別な通信機器を使わずに、バリアブル印刷機能を搭載した商業オフ輪で速報版として会場受付で配布する「印刷タイムス・会場案内版」の1面に掲載する「バリアブルスタンプラリー」で、来場者の一人一人に異なるラリー先が指定された可変情報印刷物の基本ケースを体験してもらう。  もう1つは、iBeaconを装着したARポスターとiPhoneの組み合わせで、主催者サイドのサーバーと結び、会場出展企業8社のポスターを閲覧することで、それぞれのポイントを獲得、8つのポイントを獲得すると今回のJP展テーマ「印刷の価値と付加価値づくり」の考え方を記載した電子ブックをダウンロードする資格が与えられる「アイビーコンチャレンジ」ラリーとなっている。  スマホが普及しているとは言え、来場者すべての人が常時携帯しているとは限らない。またARアプリのダウンロードを面倒と感じる人もいる。しかし、オンラインから実店舗に直結することで得られるメリットも多くある。JP展ではスマホを使わない「バリアブルスタンプラリー」とスマホとARに依存する「アイビーコンチャレンジ」の2つの事例を用意し、それぞれの利便性を体験しながら対比、実感してもらう企画としている。  JP展に出展する88社のブースは、基本的な「収益に転嫁できる付加価値づくり」への支援技術やソリューションが235小間のスペースで公開されている。生産コストの見える化を図る各種ソフトから、現場作業での省資源化を図ることで実益を追求するトータル提案、差別化技術やニッチ技術の提案、多機能化製品、アナログ機能とデジタル機能を組み合わせたハイブリッド製品、拡散する販売店を統一管理すると同時に各店舗独自のデータを差し替えるデータベース化ソフトなど、収益確保に向かう印刷業界に新たな視点から有益な提案が行われている。(2015年5月14日号掲載) ≫ニュース全文を読む