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2015年08月06日
「人と情報、知識に寄り添う」に集約  印刷企業が各県で組合を結成して、国の指導と支援を受けながら、社会環境の改善と発展に組織的に動き出した節目の60年を迎えることから、全国各県工組で「組合創立60周年」の記念事業が開催されている。近代化促進支援法を基盤に右肩上がりに駆け上がってきた歴史に範を取るのか、革新支援法と業態変革の激動の10年に範を置くのか、60周年と向き合う主催者の開催コンセプトの考え方に注目が注がれている。  その中で、5月22日に「未来への礎~2015大印工組の新たなスタート」をテーマに、これからの10年に視点を置いて検討された大阪府印刷工業組合(吉田忠次理事長)の未来志向コンセプトに評価が寄せられている。需要の減衰、消費者ニーズの多様化、普及するITメディアとの相克、この10年間を今後の10年間に置き換えた企業・業界の目的とミッションを、「健全な業界の姿を次世代につなげる」と集約した周年事業実行委員会の1年間にわたる集中力は、多くの業態変革マニュアルが訴え続けた指導概念とは明確に異なる「これからの印刷」の姿を描き出し、「テクニックよりも発想力」をベースとした業界絵図に多くの共感が寄せられている。  実行委員会の総意を背景に、式典での理事長挨拶に立った吉田忠次理事長は、業界の現状を基に製造業に求められる知識、文化・文明に携わる役割を再認識するとともに、社会への変化に対応しなければならないことを訴えている。「人に寄り添い、情報に寄り添い、モノづくりを極めていきたい」と結んだ吉田理事長の「寄り添う思い」にこれからの印刷企業の姿を重ねてみた。 人と情報は誰にでも提供できる 共有化で基礎築くことも可能に  「人に寄り添い、情報に寄り添う」という、きわめて平凡な表現の中に、吉田理事長は副理事長5名で組織する企画委員会が検討した複数のコンセプトをまとめ込んでいる。組合として何をするのか、企業として何をするのか、先を見据えた事業を示唆するためにも重要なキーワードとなるものだ。  吉田理事長は「基本的には、人に寄り添うとは、顧客も社員もすべて一緒になって初めてわれわれの目指す業界のあり方だと感じるので、誰に寄り添うというのではなく、一般消費者や家族も含めてすべての人に寄り添うということです」と説明する。また「情報に寄り添う」という表現では「われわれはもっと勉強しなければいけないということです。寄り添ったからといって情報は入手できません。入手した情報を噛み砕いて自社で活用する。それを表現したわけです」と説明を加える。  しかし、人と寄り添うのも、ただ寄り添っていればいいというものではない。  「情報を提案する。情報を入手する。お客さまや社員と知恵を出していく」ためのプロセスと結果を意味する。  「プロの情報もあれば、そうではない情報もあるので精査しなければいけません」という寄り添い方になる。  「基本的には人と情報。企業経営は人・モノ・カネで、そこに情報を付け加える。モノとカネはどうしようもないことですが、人と情報は努力次第では十分に活用できる源だと思うので、特にここを強調したわけです」。  言い換えれば「寄り添うとは、情報の共有です。社長が仕組みを作っていくために、その土台となる場を作る」ということなのだという。 社員年齢の若返りに課題を残す 余裕と時間が枷になる小規模企業  決して難しいことを言っているわけではない。それをなぜあえて基本に据えるのか。これまでの業態変革推進事業においても、屋上屋ともいえる手引書が発刊されたが、その趣旨は浸透せずに繰り返されてきた。各県工組を参加組合員の単位とする全印工連とは異なり、各企業と直接接点を持つ県工組は、整えられたロジック展開の指導書では受け入れられないことを実感している。その地域の特殊性を活かした訴え方や言い方に咀嚼されていなければならない。  吉田理事長も自らの「寄り添う概念」についても、関心を持ってもらえるのは半数ぐらいだろうという。中小零細企業は、将来に向けてどうあるべきかということについては関心が薄い。「大印工組の平均従業員数は19名、社長の平均年齢は60歳です。40代、50代は、次世代を担っていく人なので、そういう意識を持っていますが、残念ながら60代以上の方は、どの程度の意識を持っているのだろうか」と現実をクールに分析している。  「19人、20人規模の企業は平均社員年齢が50歳です。アンケート調査の結果が出ています。それを見ると年齢が高いので、ここにも問題があります。会社全体での意識変革が行いにくい状態になっている」と語る。  吉田理事長のダイシンコラボレーションでも従業員の平均年齢は50代以下が5割以上となっていることから若返りを図る必要性に課題をもっているのだという。時代が求める技術や知識、常識、感性に追従できない側面を、どのようにカバーしていくかが経営トップの責務になってくる。  「人・モノ・カネ」の3大経営資産の内の人の部分での若返りは、トップも含めて、従業員の若返りを必要とする。「印刷業を取り巻く環境は5年で様変わりをしていく。それに追従しなければ企業の改革はできない」という。  「印刷業界は、大卒の人材が夢と希望を持てる業界なのだろうか。残念ながら、印刷というカテゴリーの中では期待できない。生産系よりもクリエイティブの分野が注目されている」。  ダイシンコラボレーションは、企画・提案を軸に販促活動を支援するソリューション展開を強めているが、「それでも根本は印刷です。社名から印刷を取りましたが、印刷は手放せない大事なものであり、コンサル的な営業がこれから求められます。そうなると、ある程度の経験が必要になりますが、30人規模の会社は、若い人を入れても育てる余裕も時間もありません。百人規模であれば、調和をとりながら育てられますが、中小零細は明日を支える売上を確保しなければいけない。5年後、10年後になっても、そんな状態が続いているようでは進化発展は望めない」。  全印工連の印刷道も同様のことを説いている。しかし現実はどうなのか、そのとおりにはいかない理想論になっている。「業態変革が必要だと常に言っていますが、なぜ業態変革をしなければいけないのかという疑問や不安から解き放されていない。アンケートでは組合の2割は業態変革ができていますが、それは若い経営者の所です」と吉田理事長は語る。 クリエイトとディレクション軸に 他産業に経験者を求める努力も  若い、優れた頭脳を持つ人々がなぜ印刷業界に目を向けないのか。印刷を知らない人はいないが、同時に、印刷は、お客様の要求を再現する受注産業、仕事をクリエイトする産業ではなく「仕事をいただく枠組みの中での経営基盤」であることに発展性を見出していない。  「今までの印刷業界は、社会に対して自分たちで何かを作り出して提供するというよりも、社会からいただく側でした。そこに違和感があって、主従関係みたいな行き止まり感を感じてしまうのかもしれません」。  60周年で大印工組が打ち出した「これからの10年」で提示する視点は、プロモーション企業として「人と情報に寄り添う」ことを打ち出している。提案して一つの企画を動かしていく姿だ。受注という印刷のイメージから作り出していく創注産業を目指すことでもある。「機械設備のある大きな会社は、どんどん設備投資をして、品質管理をしてよいものを作る。これも一つの方向性ですが、それは大きな会社です。20~30人の会社では、資金や人材のこともあるので企画営業とディレクションの部分を強めた企業を目指す方向へ進むべきです」。  現在、同社は企画とディレクションができる人材の確保に尽力している。  その構想では「営業は仕事の案件を取ってくる。もしくはチームを組んで取ってきたら、あとは全部、企画、ディレクション、クリエイトに振って、最後に納品書を提示する。それが営業の仕事で、真ん中はディレクションとクリエイトに任せる流れ」にすることだ。  改革を進める同社においても、まだ80%は旧名・大新印刷のころからのお客さんを引きずっている。「印刷屋」と思っている従来からのお客様は、言えばどんな要求でも聞いてくれると思っている。そうしたクライアントの目線を変える必要がある。だから、「営業は案件や情報をクリエイトとディレクションに流して、そこで企画して提案を持っていく。受注から創注に切り替えていく努力をしなければならない」という。営業という枠組みの中にゆとりをつくる。同氏は、これから何年も自分が社長ではいられない。今のうちにゆとりを生み出す仕組みづくりをしておく必要があると考えている。  人材確保と合わせて、8年前にデジタルカラー印刷機を導入して、クリエイティブとプロデュース活動を軸にした営業展開を開始し、その3年後には「広告代理事業」へと発展させている。地元企業などの販促活動をプロデュースする機能を提供する形態を打ち出して、根本的な骨組み変革に着手している。  「新しい風を入れなければならない。印刷業界とは異なる他の業種や産業で、何かをプロデュースする経験を積んだ人々を迎え入れることも必要でしょう。そうでないと印刷企業の機能は変えられない」と語る。(2015年7月20日号掲載) 吉田理事長 ≫ニュース全文を読む

2015年07月31日
高橋武彦氏(=全日本印刷工業組合連合会元理事、河北印刷取締役)が7月30日に逝去、享年84歳。 通夜は8月1日午後5時から、葬儀は8月2日午後3時30分から、盛岡市愛宕町7 -8 のメモリアルホール・もりおか長安殿で執り行われる。 喪主は妻、千恵子さん。 ※火葬は、8月2日午後1時より、「やすらぎの丘」で執り行われる。 ≫ニュース全文を読む

2015年07月24日
全日本印刷工業組合連合会(全印工連、島村博之会長)の全印工連CSR認定制度では、平成25年6月にワンスター認定登録した40社が2年間の認定有効期限を迎え、6月29日に開催したCSR認定委員会において、CSR認定開始初となるツースター認定12社を認定した。  全印工連CSR認定制度の上位認定であるツースター認定は横浜市立大学CSRセンターにより書類審査と現地審査が行われ、CSRと取り組みの目的・目標、対象ステークホルダー経営効果等の分析・評価がお行われているが、全印工連CSRマネジメント・システム規格によりCSRが社内に定着しているかなどを書類と実地の両方で評価を行った。  また上記40社のうち28社が横浜市立大学CSRセンターのワンスター認定更新審査(書類審査)を通過し、ワンスター認定取得後の事業の継続性や発展性が確認されたため、ワンスター認定更新の認定登録を行った。新規ワンスターでは4社が認定され、CSRワンスター認定及びツースター認定企業は計87社となった。  第1期ツースター認定企業12社は次のとおり。 ▽(福島工組)日進堂印刷所▽(神奈川工組)協進印刷、大川印刷▽(長野工組)亜細亜印刷▽(東印工組)池田印刷 六三グループ、文唱堂印刷▽(愛知工組)新日本印刷、二和印刷紙業▽(滋賀工組)アインズ▽(広島工組)ユニバーサルポスト▽(香川工組)ミヤプロ 第1期ワンスター認定更新企業28社は次のとおり。 ▽(北海道工組)ヒロミ産業、プリプレス・センター、アイテックサプライ、中村印刷、正文舎、北陽ビジネスフォーム▽(宮城工組)東北プリント、ユーメディア▽(秋田工組)秋田印刷製本▽(千葉工組)太陽堂印刷所▽(新潟工組)第一印刷所▽(静岡工組)きうちいんさつ▽(東印工組)金羊社、大同印刷、賢工製版、システム印刷、ウエマツ、白橋▽(愛知工組)マルワ▽(岐阜工組)岐阜文芸社▽(富山工組)第一共同印刷、朝日印刷▽(大印工組)ダイム▽(兵庫工組)船場印刷、交友印刷、丸山印刷▽(奈良工組)天理時報社▽(和歌山工組)和歌山印刷所 第9期ワンスター認定登録企業は次のとおり。 ▽西日本印刷工業(福岡県福岡市)▽泰和印刷(京都府京都市)▽野毛印刷社(神奈川県横浜市)▽相互印刷紙器(大阪府大阪市) ≫ニュース全文を読む

2015年07月24日
公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT、塚田司郎会長)は、JAGAT東北地区の集い「JUMP東北2015」を「印刷の「未来を創る!」」をテーマに8月21日に宮城県印刷会館で開催する。 また、JUMP前日の8月20日には「ジョイントセミナー」を2本開催する。 印刷業界の未来に対する問題提起の書『未来を破壊する』の著者ジョー・ウェブ博士の新刊『未来を創る-THIS POINT FORWARD』は、印刷業界を取り巻く経営環境が急速に変化する現代において、どのような方向で経営マインドのチェンジを図っていくべきかにスポットをあてており、印刷業界の未来を真剣に考える最適なツールだ。 JUMP東北2015では、同書を通じて従来とは違った知見やヒントを得て、未来を考え、議論することで「自社のビジネスをどう変えていけばよいのか?」という課題解決に向けたきっかけづくりの場にしたいと願っている。 [JUMP東北2015&ジョイントセミナー開催概要] ●主催:公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT) 協力:東北地区印刷協議会 ●JUMP東北企画推進メンバー(氏名50音順・敬称略): 今野敦之 (株)ユーメディア/斎藤誠 川口印刷工業(株)/坂部登 坂部印刷(株)/佐久間信幸(株)日進堂印刷所/大門一平 秋田印刷製本(株)/藤井治夫 (株)東北プリント/三上伸 青森オフセット印刷(株) ■ JUMP東北2015 ●テーマ:印刷の「未来を創る!」 ●開催日時:2015年8月21日(金)14:30~18:00 ●講演会場:宮城県印刷会館(仙台市宮城野区扇町3-9-12) ●対象:印刷および関連業の経営者、後継者、幹部社員、幹部候補者 ●参加費:JAGAT会員、東北地区印刷協議会傘下組合員:7,000円(税込『未来を創る』付き) ●プログラム 1. 開会の辞 14:30~14:35 2. ご挨拶 14:35~14:45 塚田 司郎氏[JAGAT会長/錦明印刷(株)代表取締役社長] 3.JAGATからの報告1 14:45~15:35 「印刷業界の最新動向(印刷白書+経営力調査分析)」 藤井 建人氏[研究調査部部長 主幹研究員] 4.JAGATからの報告2 15:35~16:25 「『未来を創る』を読み解く 破壊されない印刷の未来に向けて」 郡司 秀明氏[JAGAT専務理事 首席研究員] <Coffee break> 名刺交換、お茶、コーヒー、菓子など 16:25~16:55 5. ディスカッション 16:55~18:00 "新しいビジネスの構築はゼロベース発想から!~共に考えよう2020年の印刷会社の成長戦略" モデレータ:郡司秀明氏[JAGAT専務理事]/パネラー:星名勧氏[(株)DIG JAPAN 代表取締役]/塚田司郎氏[JAGAT会長]/藤井建人氏[JAGAT研究調査部部長] ■ JUMP東北2015ジョイントセミナー ●テーマ:印刷会社の新たなビジネスのヒントを掴もう! ●開催日時:2015年8月20日(木)13:00~18:30(1部:13:00~15:00/2部:15:30~17:30) ●講演会場:宮城県印刷会館(仙台市宮城野区扇町3-9-12) ●対象: 第1部 提案活動に向けてデジタルメディアやマーケティング動向を学びたい方 第2部 経営者、経営幹部、新事業開発・企画・営業・マーケティングなど各部門責任者、リーダー ●参加費(税込):JAGAT会員、東北地区印刷協議会傘下組合員: 第1部6,000円 第2部8,000円(テキスト『印刷会社と地域活性』(Vol.1及びVol.2)2冊の代金を含む) ●プログラム 第1部 13:00~15:00 「印刷業を取り巻くデジタルメディアとマーケティング動向」 影山 史枝氏[(株)スイッチ/DTPスペシャリスト] 第2部 15:30~17:30 「印刷会社の地域活性とインバウンドビジネス ~データ・事例・実際の地域活性印刷物に見る手法と最新動向~」 藤井 建人氏[研究調査部部長 主幹研究員] ≫ニュース全文を読む

2015年07月21日
経産省が示した20%節電強要にこたえて PBブランドの小ロット印刷への対応で反論  全国グラビア協同組合連合会(田口薫会長)は6月18日、ホテルモントレグラスミア大阪で第45回通常総会を開催し、①省エネ・省資源による地球環境保全への対応、②「グラビア印刷(軟包装)グリーン基準」の啓蒙と認定取得の奨励・周知活動、③業界品質基準策定(ガイドライン)の理解と支援を得る活動展開などを骨子とする2015年度事業計画を可決するとともに、任期満了に伴う役員改選では、会長に田口薫氏、副会長には安永研二氏、竹下晋司氏、大月正雄氏、後藤啓行氏、中村政晃氏、金谷益孝氏の6氏を選出し、新年度の事業に踏み出した。  なお、これまで全グラを支えてきた岡山県グラビア印刷協同組合が解散したため、2015年度からの構成単組は8つとなった。  総会に先立ち、田口会長は春の叙勲に対して感謝の意を示すとともに、「私たちの顧客である食品メーカーのさらに上位に流通業界があり、イオン、セブン共に7兆円を売り上げているが、いずれも総合スーパー部門は赤字だ。これだけ我々が努力し、安くして、食品メーカーもギリギリでやっているのに2社が赤字とは何かが狂っている。3・11の直後、経済産業省から日印産連に係官が見え、『直ぐに20%の節電をしろ』と強要した。それに対して、安永副会長は、『そんなことを言うなら大手スーパーの販管費の高さを指導しろ。彼らの言う通りにPBブランドの小ロット印刷をすると電気の消費量は増える。大ロットで印刷すると20%、30%削減できる』と明言した。これは素晴らしかった。安く買い叩いて、安く売っても、消費者はついてこない。我々も客なのだ、ということを考えていないのではないか」と指摘した。  また、同会長は、「日本には500万以上の中小企業があったが、15年間に130万社が去り385万社になってしまった。国内の70%の従業員を抱え、付加価値も全体の55%を稼ぐ中小企業を痛めつければ国内経済への影響は重大だ。10大財閥が70%もの付加価値を独占する韓国のようになっては大変だ。中小企業が今後も円滑に事業承継し、活力を残していくよう我々も努力して世間に認められるようにしよう。傍観者とならず、あらゆる関係者に訴えていこう」と促した。  2015年度の事業計画は、(1)省エネ・省資源による地球環境保全への対応、(2)日本印刷産業連合会と連携を取り、行政関連経済支援策・セーフティーネット・下請適正取引・優越的地位の乱用等と、原材料・エネルギーコストの転嫁についての迅速な対応と関連行政官庁の連携強化、(3)環境対策の推進、(4)業界品質基準策定(ガイドライン)の理解と支援を得る活動の展開、(5)会員・賛助会員の増強など9項目を挙げている。  新役員は次のとおり(敬称略)。  【理事長(会長)】田口薫(関東グラビア協同組合、大日本パックェージ)  【副理事長(副会長)】安永研二(関東グラビア協同組合、東包印刷)、竹下晋司(新任:関西グラビア協同組合、ダイコー)、大月正雄(関東プラスチック印刷協同組合、セイユー)、後藤啓行(東海グラビア印刷協同組合、中京化学)、中村政晃(九州グラビア協同組合、三裕商会)、金谷益孝(北海道グラビア印刷協同組合、彫刻グラビヤ札幌)  【専務理事】村田英雄(事務局、全国グラビア協同組合連合会) ≫ニュース全文を読む

2015年07月21日
千代田区のブランド資源を用いて 印刷業の得意分野も活かして  一般社団法人むらまち結び(東京都千代田区、山本久喜代表理事)は、千代田区内及びその周辺に存在するブランド資源を用いて、地方自治体及び関連事業の発展や活性化を図ることを目的として4月1日に設立された。これまで、千代田商工業連合会(商工連)として、人と地域を繋げる活動を展開してきたが、さまざまな表情を持つ千代田区の特長と印刷業の得意分野を活かし、全国の1700以上の市町村のプラットフォームになり、商業、工業、観光など総合的な産業振興と地域活性化の支援を行うために同法人を設立した。  同法人の代表理事である東洋美術印刷の山本久喜代表取締役社長と仲山裕文トーヨーデザインコアXメディアグループグループ長プロデューサーに同法人の設立経緯ならびに千代田区のブランド資源について取材した。 千代田区のブランドを分析して  千代田区の人口は5万2千人だが、昼間の人口は82万人のビジネスパーソンや学生が通うとともに、日中、千代田区を行き交う多種多様な人々は約300万人といわれている。円安の影響により秋葉原電気街や小川町のスポーツ店街には多くの訪日客の外国人が見られるようになり、お昼近くになると安くてウマいランチを求め店の貼り紙を食い入るように見る姿が目立つ。外国人旅行者が都内で行きたい街として、秋葉原が4位、丸の内が8位とランキングされている。  さらに、千代田区には、江戸城の名残を留める皇居、国の中枢となる国会議事堂や政府省庁が集まる霞ヶ関・永田町の他、大企業の集積(上場企業本社数312社)、4大新聞社、出版社の街であり、金融機関、産業の街でもある。また、国立・私立大学数は16大学(学生数8万5千人)、東京駅の乗降客数は41万人、千代田区内のホテルは帝国ホテル、シャングリ・ラやアマン東京など65件が軒を連ねる。  また、電気街とサブカル文化の秋葉原、楽器店街の御茶ノ水の他、江戸の風情が残る神田や、千鳥が淵や靖国神社は日本でも有数の桜の名所として知られ、千代田さくら祭りには全国各地から100万人を超える見物客が訪れ、千代田区最大のイベントのひとつとなっている。さくら祭りに対して、千代田の秋まつりは、世界一の神保町古書街の古本まつりや小川町のスポーツ街まつり、神田カレーグランプリなど多様なイベントが大小を問わず、複合的に開催されており、千代田区の秋のイベントウィークの風物詩として例年30万人を超える人が訪れている。  中でも、神田カレーグランプリは昨年で4回目を迎えたが、欧風、インド、タイ、カフェバー、うどんなど多種カレー店舗数は日本最大級。3日間を通したイベントでカレーグランプリを決定するとともに、『神田カレー街公式ガイドブック2014』を配布し、53店舗の神田カレーを100日間楽しめる食べ歩きスタンプラリーを行い、集めたスタンプ数に応じて抽選で豪華賞品がもらえるイベントで好評を得た。 むらまち結び設立の経緯と目的 むらまち結びの設立までの経緯は、1964年4月、千代田区内の印刷業、製版業、製本業、軽印刷の組合4団体をはじめ、紙器業、繊組業の企業が参加し、千代田区の産業の活性化を推進する目的で千代田区工業団体連合会を設立し、2005年4月に地域産業の変革に伴い組織改編を行い千代田区商工業連合会(商工連)に改名する。2015年3月現在、参加企業数は136社。  2005年より、地域活性化事業に注力し、同年千代田さくら祭り、2010年より千代田の秋まつりなど各種のイベントに参画し、2011年から神田カレーグランプリの企画を運営する。  さらに、2013年商工連の部会として、千代田ブランド委員会(地方創生支援委員会)を発足、商工連の基本方針である「人と地域をつなげる力」を具現化させるため、千代田区の地域資源調査ならびに解析を開始する。  2015年4月、千代田区の地域資源を活かして、日本全国の市町村と相互補完的な活性化施策の実施を検討するため「むらまち結びプロジェクト」を発足させ、今年3月、千代田さくら祭りで三重県尾鷲市の特産品の試食と販売やふるさと納税のPR活動を行った。  今年4月には本格的に事業に取り組むため、一般社団法人むらまち結びを設立した。このむらまち結びでは、①地域振興支援に関するコンサルティング及び調査、②地域振興支援に関する展示会・交流会等の企画・開催・運営、③地域振興支援に関する広報業務の代理業、④地域振興支援を促進するための各種物品の製作に関する事業、⑤前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業を行う。  役員として、山本代表理事の他、理事に米倉伸三氏、佐野栄二氏、中俣拓哉氏、二村宏志氏、設立時社員に長瀬千鶴子氏、大和綜合印刷、ミイレー、千代田オフセット、東洋美術印刷などが参画している。 定期的な情報発信〝市〟を開催  今後の活動として、むらまち結びの所在地である千代田区飯田橋の「ii―Bridge(イイブリッジ)」で定期的な情報発信〝市〟を開催していく。各市町村の自治体や地方事業者との関係づくりも目的の一つとして、今後の構想では7月に同会場で地方のクラフトビールとその地方の食材を使った料理を提供するイベントの他、8月に日比谷公園丸の内音頭大盆踊り大会への出展、千代田の秋まつりなどがある。  この他、時期は未定だが、各市町村を千代田区内のクリエイターたちが各市町村のブランディングをサポートし、コンテンツ形式により参加自治体ごとに優秀賞を表彰し、国内外へのシティプロモーションに繋げていく。  むらまち結びは、千代田区に集まる多くの人々を「千代田モノ(者)」と定義し、「千代田モノ」は「ここ(千代田)」に通うことを誇りに持ち、楽しんでいる人と捉えている。そして、「千代田モノ」の属性を一言でいうと情報高度感である。同時に、「千代田モノ」は情報発信者でもあり、SNSなどを使いリアルタイムで千代田区のトレンドを発信している。むらまち結びは地方と「千代田モノ」を結ぶ手段や接点を提供していくことになる。 左から仲山グループ長プロデュサーと山本社長 ≫ニュース全文を読む

2015年07月14日
一般社団法人電子出版制作・流通協議会 技術委員会 オンデマンド制作流通部会は、製作会社が出版物のオンデマンド印刷における入稿仕様を策定する際に参考となる『オンデマンド印刷(出版物)における入稿仕様策定のための確認項目一覧』と、その項目の必要性や推奨設定などを説明した『その解説』を公開した。  出版物のオンデマンド印刷は拡大を始めているが、本格的な普及はこれからの状況だ。このような状況の中、出版社と製作会社間のデータや底本(データのない場合にスキャニングする本)のやり取りにおける共通認識の不足に起因した確認作業の発生が、スムーズな作業進行の妨げとなる場合が多く、普及の加速を阻んでいるひとつの要因となっている。そこでこの課題を解決すべく、現有の設備や仕組みを踏まえたうえで、各製作会社がオンデマンド印刷の入稿仕様書を策定するために最低制限必要な確認項目をピックアップし、その項目確認の必要性と推奨環境について解説書を作成した。  今回は下記の2つのケースを想定して、確認項目をピックアップした。 ① 出版社から製作会社へデータ入稿されるケース ② 出版社から製作会社へ底本が入稿されるケース  今回作成した『確認項目一覧』及び『その解説』をたたき台として、各製作会社が入稿仕様書を作成することにより、出版社と製作会社のコミュニケーションの円滑化が図られ、出版物におけるオンデマンド印刷の普及が促進されることを期待している。 『確認項目一覧』及び『その解説』は同協議会のホームページよりダウンロードできる。 ≫ニュース全文を読む

2015年07月09日
持続可能社会の実現に賛同表明 印刷産業の社会的責任向上へ未来志向の計画を背景にして  一般社団法人日本印刷産業連合会(日印産連、稲木歳明会長)は、5月21日に開催された理事会において、国連が提唱する持続可能な社会の実現に関するイニシアチブである「グローバル・コンパクト(GC)」※へ賛同表明することを決定した。この決定を受けて、稲木会長名で賛同表明レターをGCに送り、6月12日に国連グローバル・コンパクト賛同企業として登録された。日本の経済団体としてGCに賛同表明するのは日本で初めてのケースとなる。 日印産連は今年で設立30周年を迎えるが、設立時との経営環境の変化は極めて大きくなっている。このため、これまでの日印産連の事業を抜本的に見直して、未来志向の計画としてグランドデザインを描き、事業目的である「印刷産業の発展を通じて、社会の発展や情報文化、生活文化の向上に貢献」し、これまで以上に社会的責任(SR)を果たしていくための活動に集中していく。  このグランドデザインの展開の中で、日印産連は会員企業の価値創出力強化につながる情報提供や教育・啓発活動に力を注いでいく。次に、地球環境問題、情報セキュリティー、新しい法制度などへの対応、安心して働ける職場の安全衛生への対応、女性活躍推進などのテーマにも積極的に取り組み、印刷産業が社会の期待に応え、これまで以上に信頼される産業をめざしていく。  印刷産業は、ドメスティックな産業というイメージが強いが、グローバルな事業も拡大してきている。国外で事業を進めるということだけでなく、サプライチェーンのグローバル化はすでに定着してきており、海外のさまざまな諸課題に直面することも増えてきている。日印産連のGC賛同表明は、印刷産業のSR推進のシンボルという意味だけでなく、グローバル化する印刷産業にとって重要な意味を持っている。今後は、このGCを核に、印刷産業全体のSRの取り組みをさらに強化していく。 ※グローバル・コンパクト(GC)とは、国連が課題としている、人権の保護、労働(強制労働や児童労働、職業差別などの課題)、環境、腐敗防止の4分野について10の原則を定め、その原則に企業や団体が賛同するとともに、それらの課題解決に自ら取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献しようとする取り組み。 グランドデザイン元年に位置付ける 30周年の節目迎え事業計画遂行目指す  一般社団法人日本印刷産業連合会(日印産連、稲木歳明会長)は6月10日、千代田区紀尾井町・ホテルニューオータニで第30回定時総会を開催し、平成26年度事業報告並びに決算報告および平成27年度事業計画並びに収支予算等、原案どおり承認された。  懇親会の挨拶で、稲木会長は日印産連が設立30周年の節目を迎えたことにふれ、「総会で承認された事業計画と予算は皆さんの協力で策定されたグランドデザインに基づいて作られた。事業計画の基本となるグランドデザインは単年で完了するものではなく、本年は『グランドデザイン元年』として位置づけ、事業計画を着実に遂行していく」と述べるとともに、日印産連が業界の発展と生活文化向上に寄与する団体を目指していくことを促した。 平成27年度事業計画は、グランドデザインの概念に沿い、印刷産業のSR遂行に資する活動に集中していくとともに、グランドデザインの目的に沿った組織体制と明確な指針(ミッションステートメント)で行動する組織体制に再編する。事業運営体制は3区分を基本とし、日印産連として表彰を司る顕彰委員会を設け、審査・認定事業を継続する。また、数年来の継続事業の労働安全衛生の推進、環境政策の推進、経営課題への取り組み、変化への対応についてはグランドデザインの考え方に基づき、それぞれの委員会、部会、WG等で推進していく。 ≫ニュース全文を読む

2015年06月29日
言論・表現と出版の自由尊守 社会繁栄のための貢献目指す 全出版人大会で誓いを新たに  一般社団法人日本出版クラブ主催の第54回全出版人大会が5月11日、千代田区・ホテルニューオータニで開催され、古希を迎えた長寿者31名を祝い、永年勤続者341名を表彰した。これは出版業界あげての大会で、わが国出版文化の昂揚と発展を期するため、その誓いを新たにする場として例年行われており、今大会は創元社(大阪市)の矢部敬一社長が大会委員長を務めた。  冒頭、野間省伸大会会長は今年が戦後70周年にあたり、「8月の終戦記念日に向けて、各出版社から戦後70年に関連する数多くの出版企画が刊行されると思われる。メディア規制が垣間見える今、『言論・表現と出版の自由』は何があっても守らなければならない。あの忌わしい戦争を二度と起こさない為にも出版業界に携わる我々の果たす役割はますます大きくなると思われる。それについては大会声明で強く言及している。出版業界を取り巻く環境は厳しさが増しているが、我々出版人が一丸となり知恵を結集して難局を好機に転じていこう」と挨拶した。  次いで、矢部敬一委員長が「戦後70年、阪神淡路大震災から20年、三宅島噴火から15年など、いろいろな出来事の節目であり、立ち止まり、過去を振り返り、自分はどこにいて何をしていたのか考えることに意味がある」と述べ、大会声明を朗読し採択された。  大会声明では、日々進化するデジタル化・ネットワーク化の影響が出版の概念を大きく変えつつある中で、著作権法も今年から電子書籍について改正がなされ、今こそ未来に向けた「本とは何か」、「出版とは何か」という本質的な議論が必要であると言及している。  さらに、次世代の子どもたちに読書の楽しみを伝えていくためには、読書推進運動の輪をさらに広げ、地道な活動が必要であり、昭和32年に制定された出版倫理綱領の前文に〝我々出版人は、文化の向上と社会の進展に寄与すべき出版事業の重要な役割に鑑み〟の一文の原点を再確認し、社会の繁栄の為に貢献することを新たに誓った。  長寿祝賀、永年勤続表彰の後、作家のあさのあつこさんと文藝春秋文庫局長の羽鳥好之氏の対談が行われた。(2015年5月30日号掲載) ≫ニュース全文を読む

2015年06月10日
「PRIDE」名古屋総会特集 対談 三浦康彦氏×木野瀬吉孝氏 熱田台地・尾張地域のDNAを引き継ぐ名古屋印刷業界の地の利と精神性 ものづくり千5百年の歴史を支える物流拠点・トヨタ、三菱小型ジェット旅客機の生産拠点として約束される未来 徳川家康生誕4百年を機に、いわれを持つ各地で社会・経済・文化に多くの影響を残した業績に再スポットを与える企画事業が開催されている。印刷センチュリークラブ(浅野健理事長)も発足7年を機に、印刷業界はもとより一般社会への印刷百年の業績と百年を超えて企業継承を願う印刷経営者の「社会への寄与」を主眼とする活動を根付かせる活動に転じていく。  昨年の定時総会で「総会及び情報交流懇親会の開催を各地持ち回りで開催する」ことが決議されたが、平成27年度通常総会は印刷センチュリークラブ監事のお一人である三浦康彦氏(エムアイシーグループ代表取締役社長)のお引き受けによって名古屋での開催となり、その名称も「名古屋城能楽堂会議」として7月17日に開催されることになった。  織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と日本統一に名を連ねる個性強い3人のリーダーを輩出した尾張の土地柄を背景に、名古屋印刷業界はどのような精神的DNAを今に活かし、変わる印刷業界にどのような環境を設定しようとしているのか。熱田台地から始まる「ものづくり1千5百年」の歴史風土が育んだ名古屋の企業家精神を、三浦康彦監事と全印工連副会長の木野瀬吉孝氏(愛知県工組理事長・木野瀬印刷社長)が対談の形で全国印刷業界にお届けする企画を5月28日、名古屋印刷組合で実施した。  海に接近しながらも水の無い台地・熱田台地で始まった土器づくりは、やがて窯業「須惠器」に発展するが、海運を利用して各地に運ばれ、新機能を盛り込んだハイブリッド型の器として繁栄する。この物づくりと海に直結した物流拠点の強さは、尾張一族の造船業を生み出し、江戸時代になって徳川家康が水の無い台地に南北に走る堀川を施設して名古屋城を築く。現在では東に東京、西に大阪の消費地を配する名古屋経済圏は、トヨタ自動車や三菱航空研究所などが運輸拠点の性格をさらに鮮明にする。こうした風土と地理的条件が印刷企業の成り立ちと企業経営者の精神にどのように反映しているのか。印刷業界と名古屋の風土を知り尽くす三浦氏と木野瀬氏の両氏が対談で語り明かしていく。 日本の中央に位置する地盤強化な台地 東日本大震災後、大企業が物流拠点に 三浦 印刷センチュリークラブが今年発足七年目を迎え、企業変革から革新へと業界の動きが変化してきたことに対応して、「百年企業におけるこれまでの業態変革の実例から学ぶ」を基本としながらも、受注産業から創注産業への目線を加えて、地域需要者に寄り添う姿勢、言い換えれば「社会貢献」の在り方を求め、業界と一般社会に印刷企業の役割りと、その役割を果たす強さの根幹を提示していこうと変わり始めています。 そこでセンチュリークラブの主要事業である総会と情報交流懇親会を、全国各地の会員業界をクローズアップする形で、持ち回りで開催することになった第1回目を名古屋からスタートすることになったのです。来年は金沢との声がすでに出ていますが、地域と密着して活動する印刷業界を新しい視点で理解していく機会になるのではないかと思っているのです。 そこで今回、永年にわたり愛知県印刷工業組合の理事長として、また全印工連の副会長として印刷業界の動きをよく理解しておられる木野瀬理事長をお迎えして、名古屋の業界はどういう業界なのかを、あらためてクローズアップしてみたい。他府県と比べた場合の異質性がどこにあるのか、地場産業としての影響を受ける経済環境、このあたりはどうなのか。それから、東京と大阪の中間位置にある名古屋の地の利、そのメリットは何か。今後の名古屋はどう発展していくのか。こういうことを主題に語り合えたらと思っています。よろしくお願いします。 木野瀬 今回の名古屋総会では、名古屋城の本丸御殿の修復状況を見学するとも聞いていますが、ものづくり1千5百年の歴史を持つ名古屋経済圏の底力を多くの方々にご理解いただける機会になるといいですね。 三浦 木野瀬さん、名古屋の特殊性というか、印刷業界全体の再建計画に長く携わってこられていますが、名古屋の特殊性をどのようにお考えになっていますか。名古屋の印刷業界は他府県と比べてどこが違っているのか。その中で名古屋はどのような受け皿を作ってやっていこうとしているのか、良いも悪いも含めてお話し願いたい。 木野瀬 以前は東京・大阪に埋没するような時期もありましたが、ここに来て、「ものづくり県」としてクローズアップされています。どこに行っても「愛知はいいね」と言われます。愛知が特別いいわけでも何でもないのですが、そういう見方をされること自体、この地域の特性が現れて評価されているのではないかと思います。  全国の中央に位置しており、全体的に地盤の固い地域であることから、物流の拠点を中部地区、または愛知を中心に岐阜あたりに拠点を置く企業が全国的に増えています。これはBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を請け負う上においても有利に展開しているという感じがします。物流にしても、うちも通販をやっていますが、青森よりも北、鹿児島よりも南以外は夕方に出せば翌日に着きますので、こんな恵まれた地域はここだけではないか。この利点は今も生かされているし、今後も生かされていくと思います。 三浦 確かにそうですね。大企業が移りだしたのは、いつごろから顕著になったのでしたかね。 木野瀬 東日本大震災後が特に顕著ですが、その前からあります。例えばジャパネットたかたは愛知県春日井市だけにしかないですし、岐阜県多治見市にはアマゾンというように、物流の拠点として集まってきています。  東京、大阪に比べて土地代が安いこともあります。関東地区に倉庫業を持とうとしてもペイしないので、それはこちらで請け負うという形が自然な流れだと思います。東北や中国、九州の方だと、全国的な物流としては体をなさないところがあります。 三浦 情報的な面、例えば関東から官庁の情報、大阪からは芸術っぽい感性的な情報など、情報収集という面での地の利はどうですか。 木野瀬 情報の場合は、今はなんら問題ないですね。逆に情報過多の時代ですから、的確な情報をどうつかむかの方が情報を収集するよりも大事な時代になってきています。分析するのも冷静な判断がいる時代に、やたら近くにいて情報が流れるよりは、逆にプラスになるのではと思います。 三浦 情報収集よりも分析、ふるいにかける。その地の利ですね。愛知県は明治からものづくりが盛んであって、戦前・戦後、豊田紡績、豊田織機がトヨタ自動車になりました。このところの円安もあって輸出企業は元気がいいです。しかしながら、中小のわれわれから見ると円安は、印刷業界を含めてどの業種も、原材料の値上げなどが響いたりして、全国的に好況だと言われている中でも、実感がないのが本当のところではないか。そういうギャップを見ながら生活しています。しかしながら、ものづくりの生産拠点として、全国的に見ても愛知県はかなり高いものがあります。それを何らかの形でわれわれの仕事に活用しなければならない。そういうこともあります。  愛知の人たちは独創性が高い。独創性というのは、ものづくりの中では特に大きくて、多くの発明や、改善にもつながっています。そういう伝統があって、印刷関係の方々でも改善をするなど、業態変革という言葉が生かされてきたと思います。 自社のことよりユーザーに目を向ける 保守的ではなく斬新な反骨精神の都市文化が昔からありますね 木野瀬 それこそ名古屋の歴史だと思います。確かに徳川家ですが、徳川御三家でありながら徳川家に一番反発したのが尾張です。いまだに中央に対する反骨精神が生きています。質素倹約をしなさいと言われて、では何をすればいいのか。それに反発して徳川宗春は干されてしまいました。大須も一度はすたれたのですが、今、大須ではリユースデパートのコメ兵が全国展開しています。反骨精神があり、そこで独自の文化を作り上げるエネルギーを持っています。  そのDNAが生き続けているような気がします。一つのことをやり遂げるにしても、例えば有名なノリタケは、ノリタケは森村グループですが、統合してターゲットは世界です。世界に冠たるものにするにはすべて統合してしまえというやり方で、陶器から住宅産業にまで上り詰めています。  グループとしてどう発展させるかということになってきます。トヨタにはマツダと提携するというようなおおらかさがあります。何が目的かというと、ユーザーのために競争力をつけるにはどうすればよいか。自社のことよりもユーザーに目を向ける。愛知は保守的だとよく言われますが、保守的ではなくて、斬新な、反骨精神の町だと、私自身は思います。 三浦 それが、ある意味、文化というのか、そういうものにも現れて、名古屋城の本丸御殿ができて、焼失してから復元していますが、特に尾張地方は文化を大事にする。それを痛切に感じます。これは歴史的な背景があります。三河地方でいえば海運で、五万石の岡崎城の前まで船が着く。そこから綿織物など、関西や関東から来る品物や、三河湾でできた塩を岡崎から広く長野県まで運ぶ塩の道がありました。そういう歴史的な背景もあって全体が潤っていました。 木野瀬 街道と海道があり、塩を運ぶのが街道で、塩尻は塩の終着点でした。その地域で文化を完結させて成長してきています。また、挑戦することが得意なので、東京とは張り合わない。大阪は東京と張り合うところがありますが、張り合う必要はなくて、よい意味で漁夫の利を得る。そんなところで独自の文化、独自の企業が発達し、それが世界に発信できるものづくりになってきました。端的な例がMRJ(三菱リージョナルジェット)で、愛知県で民間機が製造されます。今は4千人近くが働いていて、さらに増えていくでしょう。そういう壮大な航空宇宙産業都市としての役割があります。  歴史をひも解くと、戦後、トヨタも航空産業に進出したかったのですが、アメリカから、軍事に使われる可能性もあるので飛行機はまかりならん。そのはけ口として自動車に能力を向けていきました。ここに来て、三菱は昔から飛行機をつくっていたので、本丸に戻ってきて三菱がそれを担う。そういう壮大なものです。MRJの工場のそばには展示施設も建設され、そこには零戦も展示されます。今でも当時の作り方の零戦が豊山町にある三菱の南工場に置かれています。  そういう意味では、次なる展開、アメリカ、ブラジルに対抗するような小型ジェット旅客機「リージョナルジェット」の生産拠点として国策としてやっていくことになる。  個々の発信力で個々が企業と結び着く これからは印刷業界としての発信力に 三浦 そうしたことを印刷企業だけでなく、名古屋の企業経営者はどこで知って、どのように理解しているのでしょうね。 木野瀬 認識していないと思います。認識していなくて自然にやっている。また、自然にその恩恵に浴している。それでいいのだと思います。  われわれは組合として群れているわけですから、群れている中で、それをどう整理して業界として発信していくか。業界としてアピールしていくか。これがこれから大事になってきます。今までは個々の発信力で個々が企業と結びついてきましたが、これからは印刷業界として何ができるかというプライドと責任が大事な時代になってきました。 三浦 自動車産業と新しい航空宇宙産業がかぶさってきたということで、変化にうまく対応していく対応力と独自性、そういうものが、吉宗の時代に宗治という名古屋の城主がいましたが、そういう流れが歴史的にあると思います。 木野瀬 幸い、みんな、このあたりで出ているので、信長好きがいて、秀吉好きがいて、家康好きがいて、それぞれのタイプによって違います。 三浦 以前は家康公、企業をまとめて大企業を築いていった家康が一時はもてはやされましたが、今のように混沌としてきた中では、信長のように先見性と勇気を持って未来を開いていく。そういう信長方式がよい。考え方がいいというように、それぞれ2大背景によって多少は変わってきます。 名古屋の「調整力」をバックボーンに 若い経営者が持つノウハウを活かす 三浦 業界の動き、業態変革に触れさせてもらいたいと思いますが、寄り合って意見を交わしてというのは、前に中村守利さんがスタートしたときの発想です。浅野さんは、業態変革、組合は集いの場だという言い方をされていて、集うことで物事ができるのだと。名古屋の精神からすると業態変革の初期の精神と同じだという感じがしますが、理事長はどのようにお感じになりますか。 木野瀬 私が組合とかかわったのは、中村さんのときです。1999年の中小企業経営革新支援法、その前の構造改善から大きく舵取りをしたときに、では業界としてどうするのかということで提唱されたのが2005計画だと記憶しています。  突然そこに行けと言われたのですが、なんせ組合が嫌いだったので、なぜやらなくてはいけないのかと言ったのですが、そこには浅野委員長がいて、委員の中には水上さんもいました。いろんなことで誘発されましたが、そのときの感覚は、どのようにまとめていくかという発想ではなかったわけです。どういう方向か、可能性をたくさん出して、その中で出てきたのが業態変革という言葉でした。  要するに変化と変革は違う。われわれは変化してきただけ、1999年までは。その1999年以降は、頑張ったところを国は支援します。ということは、がんばったところしか生き残れない。がんばるには自ら変革を起こさなければならない。流れに乗って変化するだけではダメだということで、変革ということに議論を費やして業態変革という言葉が出てきました。自ら変わるという意思を示すのが、これからのキーワードになってくるのではないか。そこが一番の、根本の精神ではないでしょうか。 三浦 その精神は、名古屋の調整力、独創力とイコールですか。 木野瀬 イコールだと思います。そこのところでいろんな投げかけをすると、これからを担っていく業界の若者たちは素晴らしく、前に進めようという力も、レベルが高いですから、われわれが引き継いだころと比べて危機感を持ってやっています。業界は大変だ、産業が大変だ、日本の経済が大変だという裏打ちがあるから、なおさらがんばらざるをえないというのは、ものすごく大きいと思います。 三浦 会社によって温度差はあるのでしょうが、全体的には、われわれの業界自体が印刷というメディアからいくつかのメディアに変革していく最中でもありますし、特にタブレット端末の変化は激しいものがあります。若い人でないと見えてこないところもありますが、危機感を持って進もうとしています。若い人たちが持っているノウハウは高いものがあります。そういう若い人のノウハウ、あるいは若い人がこれから進む、それは5年先か3年先かという短いスパンでの感覚かもしれませんが、大変大事ではないか。今の若い人の考え方をわれわれも把握し、業界が把握して、それを生かしていかなければいけないということですね。 受注産業からコンシェルジュの立場に 印刷物より「こんな結果が出せますよ」 木野瀬 私が社長になったのは30年前です。先代が突然亡くなったからですが、当時の業界は、印刷業界に限らず、がんばってもがんばらなくても結果は同じという時代でした。例えば企業が伸びていけばお付き合いをしている印刷会社も伸びていく。お付き合いしている企業が伸びれば自然に伸びていく。地域の人口が勝手に伸びていくので、例えば広報紙をやっていると自然に伸びていく。それが実力と錯覚するような時代でした。  そのころは広告を打てば集客できる時代でした。今はそんな時代ではありません。お客さま自体が何をすればよいかわからない。困っている時代です。そこにおいては、どれだけアドバイスをしてきちんと結果を出せるか。こんな美しい印刷物ができますという時代から、こんな結果を出せますということ。  愛知県印刷工業組合では、ソリューションプロバイダーの延長線上でビジネスコンシェルジュ、業界のブランディングのために新たにムービーを作りました。お客さまが何をすればよいかがわからない時代に、その方向性を示してあげるのがわれわれの仕事の範疇になってきた。だから、おのずと受注産業ではなくてコンサル業に近いコンシェルジュの一貫。それを1社で賄うのは無理なので、寄り集まってコラボレーションして立ち向かっていく。そういう時代ではないかと思います。  驚きのムービーです。昨年、新たに若手の経営者のために、ブランディングツールとして印刷産業をPRするムービーを作りました。それぞれの企業のブランディングを考えたときに、彼らは業界のブランディングのためのムービーを作りたい。予算がないので1社から1万円ずつ合計100万円ほど集めて、それを資金にムービーを作り、先週それを発信しました。ユーチューブにもアップしています。昨日、中部経済局の部長に送りましたが、他業種にもアピールしていきます。リクルートには最適だと思っています。 三浦 印刷関係は、リクルートになると学生には斜陽的で魅力のない業界。この間までは魅力があって、会社説明会でも、20年前に社屋ができたときは、100人以上が入れますが、入りきれないほどで鈴なりのように列ができていました。そういう会社説明会もありましたが、今は変わりました。 われわれが培ってきた印刷工程において提案できることだけではなくて、その人たちの考え方、まさにコンサルタントかもしれませんが、考え方自体をお手伝いする。そういうことが求められています。例えば、印刷物もありますが、デジタル関係の仕事もお手伝いできる。こういう時代背景が今はあるのではないかと思います。  町によって格差があるので、私どもの西尾地区や岡崎地区では、オーナー同士の懇親を深めるためにバーベキュー大会をしたり、小旅行を計画したり、コミュニケーションを緊密にとりながら地域の業界のつながりを大事にしています。 木野瀬 我々がこうした考え方をするようになったのも、業界を担ってきた岩田さんや高井さんなど、そういう先輩たちのおかげだと思います。突然降ってわいてこうなるわけではないと思うのです。そうではないリーダーのもとだったら、我田引水であったりフレームワンであったり、そういうことがベースになると活力は生まれません。自らすべてのものを作り出す、すべてのお客さまにというように、CS(顧客満足)を実行していけばやることはごまんとあります。逆に、既得権益みたいなところで昔はということになると、そこで思考停止になるのだと思います。  印刷センチュリークラブで以前、若手経営者が対談しているのを読ませていただきましたが、素晴らしいレベルでした。そういう意味では、彼らが生み出したわけではなくて、彼らを指導し、いろんなことを伝えてきた人たちが立派だったと思います。 三浦 印刷分野での危機感は皆が持っています、若い人は特にそうで、そういう中でどのようにやろうとしているかを語ってもらうと刺激になります。 印刷を中心に置くと色々な結果が出る 「プリント トウ ウエッブ」の考え方 三浦 お客さまのために、すべてのアイデアと、創注産業を目指してコンシェルジュとしての役割を果たして、印刷物とプラス何かでということが言われ始めました。これはどうですか。全印工連活動の目標の中にうたわれていますか。 木野瀬 印刷がペイントやプレスというところで思考停止したら、それはお客さまが望むことではなくなります。本当の意味のクロスメディアという言葉が、何十年もたって、ここでやっとわれわれの持ち物になってきたという感じがします。クロスメディアという言葉は古いです。言葉として独り歩きをしていた時代から、実際に印刷物からQRコードやARなど、いろんなものができます。これからはウェブでやるから、映像で片付けるからと、印刷物が排除されかかったときがありましたが、結果的にそのものを見るためには印刷物が一番手っ取り早く、説得力があるので、波及効果、訴求効果は大きいです。何かがなければホームページにも飛ばない。何かがなかったら伝えたい映像も見てくれません。最初からそれを見てくれるのはよほどマニアックな人です。  印刷物は、名刺ひとつにしてもさっと渡せます。読んでもらえるのが本当のクロスメディアで、ウェブ・トゥ・プリントではなくてプリント・トゥ・ウェブ、プリント・トゥ・ムービーだと、ある人が言っていました。中心にあるのは印刷物です。おごった言い方ではなくて、当たり前に、印刷を中央に置いたらいろんな効果が生まれやすいということを、われわれはもっと感じなければいけない。そうするとものすごく変わってきます。 三浦 木野瀬さんの今の説明はわかりやすくて、言葉が印象的に残ってきますね。全印工連の広報、PRも今ような言い方で作ってくれると浸透すると思いますが。 木野瀬 残念ながら作っていません。一度、根本的に変えようとしたのですが、結局、改革に失敗しました。その意味からいっても、業界のブランディングは何ですかと問いかけるものを愛知で作りました。それを誰もが感じてくれるものを作りました。  良いものを作ってほしいと言っただけで、ひと言も要求していません。ストーリーはありましたが、どう作るかは任せました。最後にチェックをしてほしいと言われましたが、皆と一緒に感動を味わいたかったので総代会のときに見ました。その発想力に感動しました。これが印刷業界の発想力であって、他の業界にはないと思いました。 三浦 例えば「クロスメディア」で説明が完結してしまうと聞いている方としては何も残らない。「ようやくわれわれのものになった」という言い方をされると、そうなんだ、あれもそうなんだ、これでいいんだとうなずけると思いますが。 木野瀬 クロスメディアという言葉は、私が最初に使ってからでも25年はたっていると思います。うちの会社も今年クロスメディア事業部を立ち上げました。今までは立ち上げても名前が独り歩きするだけですが、月刊誌を出しているところは、まさしく印刷を中心にしてできるからです。 三浦 今、やっとクロスメディアになった。その感想を語れる人、裏付けを持って、現在のスマートフォンや端末も理解し、プリント・トゥ・ウェブ、プリント・トゥ・ムービーだと語れる。これが大事なときです。 木野瀬 業態変革の中でも、考え方は7keys、5Doorsをリニューアルしながら引き継がれていますが、今回、その精神をリスペクトする形でレベルの高いものを作り上げると思います。  あれは個々の会社に置き換えてチェックできる項目ですから、あれをそぎ落として、いい意味の今風にしていければと思っています。キーワードは相当変わってきたはずです。われわれが最初にやったときはCSRという言葉はなかったし、MUDという言葉もダイバーシティ経営という言葉もなかった。今はそれが当たり前に求められています。  MUDで目立つ会社が出てきましたが、そこの専売特許ではない。印刷業界全体でMUDに取り組むからMUDを依頼してくれる。その発想に期待してくれる。そうなるべきであって、数社が目立っている状態はダメです。CSRもしかりで、地域に貢献している。レベルの高いことを求めるのであれば、他の業界から期待されるところまで上り詰める。  例えば、ARにしてももっと吹聴してもいいと思います。吹聴してマネをするところが出てくれば横展開ができます。よいことはマネをしてもらわないといけない。目立つときはとことん目立つことも大切です。全印工連の女性活躍推進室に出向させる記事を中部経済新聞が取り上げたのですが、メンバーの近藤印刷の近藤起久子社長の写真を女性記者に頼んだのですが、さすが良い写真を撮って掲載してくれました。要するに、これからは女性の力が必要で、それをどう活かすか。コーナーを設けて記事を載せるから自慢の写真を送れと。やっぱり女性記者ですね。顔写真ではなくて全身。業界として、女性がこれだけ活躍しているとアピールすることが必要です。片隅ではなくてメインにしなければならない。 オリンピックの受け皿に我々の地域が 歴史と観光、産業立国の優位性生かす 三浦 企画やアイデアの業種になるには企業全体の演出も必要だということですね。 木野瀬 外国人観光客がこれだけ増えています。東京オリンピックも東京の専売特許にしてはいけない。当たり前に、われわれの地域でも享受できる。また、受け皿になれるようなグレードにする。そして地場の産業、地場の観光資源として活用していく。そういうサイクルが当たり前に必要です。  5月に三浦さんが創業110周年を迎えた感謝の意味で行ったコンサート「ピアノ独奏と歌姫との響演」こそ、本来は『あいちの印刷』に取材をさせて、広くその意義を伝えるべきです。そのことで、すごいとなってマネをするところが出てこないといけない。 三浦 オリンピックの話題が出ましたが、オリンピックも含めて、今後の市場開拓、名古屋としての取り組み、その可能性と具体策として何をやろうとしているか、いかがですか。 木野瀬 名古屋はものづくりで、MRJは輸出向けにやるわけです。リニアの中間点、発着点になるので、産業観光がクローズアップされてくるはずです。航空宇宙科学博物館は、地域をアピールすると同時に、海外に対してもアピールするという思惑があるはずです。歴史の詰まった歴史的な地域であると同時に、産業観光にもなりうる地域、町でもあります。 三浦 先端産業県、名古屋を地域密着産業としての印刷業界が支える。 木野瀬 それをアピールするのは、広告代理店ではなくて印刷業界です。山車を見ると外国人はすごく喜びます。それは中央の大手広告代理店はやってくれない。でも、県と結びついて発信力があれば、八田や西尾でも集客ができます。それを当たり前の展開にするのは地場の印刷業者だと思います。 三浦 HISが見学コースの一つにトヨタ自動車を入れると新聞に載っていました。地元の抹茶生産工場も最新の設備で無人化されていて、ガラス越しに中の様子を見学することができます。オリンピックについても蒲郡がヨット(東京五輪セーリング競技)の開催地の候補にあがるなど、話題は多いと思います。 木野瀬 ラグビーのワールドカップは豊田スタジアムで開催されます。会社の数も多く、地域のことを理解しています。コンテンツを持っているのはわれわれですから、仕掛けをどのように作っていくか。そこのところの技は、これから私たちが磨いていかなればいけない。  組合としても、そういう技づくり、コンテンツづくり、仕掛けづくりの取り組みを促すために、前面に出しているのが業界のブランディングで、そのための専門委員会を立ち上げたわけですから、若手の力を使ってガンガン進めていきます。 三浦 印刷産業のブランディングツールとして、印刷産業をPRするムービー「お客様と文化を供創するビジネス・コンシェルジュ」を全国の方に観ていただきたいですね。 木野瀬 まずはこれで、学生たちに見せるとわかりやすいので、全国で使っていただきたい。 三浦 全国で使ってもらってマネをしていただきたいという気持ちです。 木野瀬 大切なことは面白いモノが出てきたときに既成品にしないということです。ブランディング委員会を作る気はなかったのですが、若手に変えようとマーケティング委員会の委員長と相談して、プリントネクストをやっていた荒川君を委員長にして、メンバーを集めてもらいました。この委員会をやるために、一緒にプリントネクストをやっていた非組合員が何人も入っています。若手の経営者たちですが、その発想力に未来の印刷業界を託せるのではないかと思っています。 三浦 今日は貴重なご意見を色々とお聞かせいただきありがようございました。堅牢な大地を名古屋の宝として、また日本の物流拠点としての強さを活かす努力を印刷業界として、これからも続けていかなければなりませんね。木野瀬さん、これからもご指導のほどよろしくお願いします。 ≫ニュース全文を読む