大日本印刷 大学や専門学校の教科書・教材選定を支援するサービスを開発
2021年03月29日
大日本印刷株式会社(DNP,北島義斉社長)は、出版社と大学と書店*1をネットワークで結び、大学や専門学校の教科書・教材の選定において、教員が情報検索・閲覧・選書やシラバス登録などを容易に行えるサービスを開発した。また、これに賛同する約50社の出版社*2とともに、出版社から提供された約500タイトルの教科書・教材を用いた実証実験を2020年11月頃から進めており、2021年9月頃に本格サービスを開始する予定。

■教員向けオンライン教科書選定サービスの開発背景と概要
大学や専門学校での教科書・教材の選定は従来、各出版社が送付する書籍見本を参考に大学教員が行っているが、直近ではコロナ禍によって構内への立ち入り制限や教員のテレワークが増え、書籍見本が教員の手元に届きにくくなっており、見本送付という方法自体の見直しが出版社の緊急の課題となっている。また、教員の教科書選定後、書誌情報が大学のシラバスと連携されていないため、書店の発注業務において取次や出版社への問い合わせ業務過多や誤発注、絶版・品切れ等の欠品情報の正確な把握が出来ないといった課題があった。

こうした課題に対してDNPは今回、出版社が登録する教科書・教材等の書誌情報をデータベース化し、教員のオンラインでの教科書選定を支援するサービスを提供する。登録した書誌データは、各大学の教務システムとの連携も可能で、教員の情報検索・閲覧・選書の際やシラバス等の作成時、学生の購入時や実際に利用する際に、書誌情報をシームレスに提供する。プラットフォーム上で教科書・教材の選定時から実際の利用までの一元管理を行うことで、出版社・大学・書店の業務上のリスクや無駄を軽減し、学生の利便性向上につなげていく。




■オンライン教科書選定サービスのポイント
出版社側のメリット :
•専用サイトで電子書籍データと書誌情報を登録し、教科書・教材の特徴やアピールポイントを記載することにより教員に向けた最新情報の提供が可能で、効果的な営業活動につながる。
•電子書籍を活用してオンラインで、教員に向けた献本や学生に向けた試読用見本を提供することも可能。
•出版社は、専用サイトで教員に向けた独自のアンケートを実施できる。また、アクセス解析によって教員の利用情報を把握して、新たな出版企画などにおけるマーケティングに活用できる。
•出版社は、教科書・教材の採用状況を随時確認することが可能。

教員側のメリット :
•キーワードやジャンル別で、出版社を横断した教科書・教材の検索が可能で、オンライン上で授業に適した教科書採用を十分に検討できる。選定時の利便性及び効率化を図ることができる。
•教員は、採用した教科書・教材について紙か電子どちらで授業に利用するかを選択することが可能。
•登録された書誌情報は、教員が採用した後、学生が利用する時まで一元的に利用できる。シラバス登録時や学生への販売時の参考情報として利用することで、課題となっていたシラバスへの最新情報の掲載や販売時の誤発注防止につながる。

■今後の展開
同実証実験を通して、出版社より、版元の営業では行き届かない教員に利用が広がることや、出版社と書店が連携したサービスとなることに対し、期待の声をもらっている。また教員に向けた電子献本やオンラインでの書誌情報の提供は、コロナ禍における非対面での営業活動の推進に繋がることについて評価を得ています。また大学や教員より、時間や場所にとらわれず、オンラインで教科書・教材検討ができることに評価を得ている。
同サービスは実証実験を経て、2021年9月頃に提供を開始する予定。DNPは、今後も出版社や書店等との連携を強化し、同サービスが搭載された教育ICTプラットフォームを全国の大学や専門学校を中心とした高等教育機関に提供するとともに、教育のデジタル化を推進し、より質の高い教育の実現を支援する。

*1 参加出版社 : 朝倉書店、朝日出版、医学映像教育センター、インターメディカ、インプレス、エヌ・ティー・エス、化学同人、学芸出版社、看護の科学社、共立出版、金星堂、近代科学社、くろしお出版、慶應義塾大学出版会、弘文堂、コロナ社、サイオ出版、三修社、照林社、碩学舎、中央経済社、中央法規出版、東京大学出版会、中山書店、南雲堂、丸善出版、みすず書房、ミネルヴァ書房、三輪書店、メディカ出版、有斐閣、羊土社、吉川弘文館など

*2 書店 : 教科書を販売する全国の販売会社。丸善雄松堂株式会社など