凸版印刷 超臨界流体を用いた「超薄肉射出成形容器」を開発、強度と環境適正の両立を実現
2021年02月24日
 凸版印刷株式会社(東京都千代田区、麿 秀晴社長)は、「価値あるパッケージ」で、よりよい社会と心豊かで快適な生活に貢献する「TOPPAN S-VALUE™ Packaging」を掲げ、「ちきゅう」に価値ある「サステナブル バリュー パッケージ™」を提供している。
 このたび凸版印刷は、「サステナブル バリュー パッケージ™」が提供するラインアップの一つとして、プラスチック射出成形において、超臨界流体(*)の活用と当社独自の成形技術を組み合わせることにより、成形するプラスチックの厚みを従来よりも約30%薄くすることが可能な「超薄肉射出成形容器」を開発した。2020年2月24日より食品メーカーやトイレタリーメーカーに向けたサンプル提供を開始する。
 同技術は、溶融樹脂に超臨界流体を溶解させることで、プラスチック樹脂を射出成形金型の隅々まで効率よく行き渡らせる技術。これまで射出成形において成形が難しかった0.35mm厚までの成形が可能となるため、大幅にプラスチック使用量を削減することが可能となった。また、流動性が向上することで、成形自体が困難だった生分解性樹脂やバイオマスポリエチレンなどの環境対応樹脂にも対応可能。
 本製品は2021年2月24日(水)から26日(金)に開催される「TOKYO PACK 2021-東京国際包装展-」(会場:東京ビッグサイト)の凸版印刷ブース(南1ホール・小間番号S1-12)に展示する。

* 超臨界流体について
物質の温度と圧力が臨界点を超えた時の状態で、気体と液体の両方の性質を持っている。


「超薄肉射出成形容器」のサンプル © Toppan Printing Co., Ltd.

■ 開発の背景
 SDGs(持続可能な開発目標)など、世界規模で環境配慮や省資源化推進の機運が高まり、また世界的な課題となっている「廃棄プラスチックによる海洋汚染問題」を受け、環境負荷を低減するパッケージに注目が集まっている。
 射出成形容器のプラスチック樹脂の使用量削減は、成形の際に最低限の厚みが必要であることや、量産性と耐久性、コストを含め大きな課題があった。また、一般的に薄肉が必要とされる容器にはシート成形技術が有利とされていたが、こちらも射出成形品ほど自由な設計ができないという課題があった。
 このたび凸版印刷は、超臨界流体を用いた射出成形技術を開発し、従来の射出成形の厚みの限界を超えて、シート成形品に近い厚みで成形することが可能となり、形状や設計の自由度も確保しつつ、薄肉、軽量化を実現した。
■ 「超薄肉射出成形容器」の特長
・プラスチック使用量30%削減
 超臨界流体の活用と当社独自の成形技術を組み合わせることにより、通常の射出成形品の厚み(0.5mm)を約30%薄くすることが可能な成形技術を確立し、0.35mmまでの薄肉化を可能とした。薄肉化により、プラスチック使用量を約30%まで削減することが可能。

・強度を保ったままの薄肉化を実現
 新たな成形技術の確立により、従来の強度を保ったまま、シート成形の厚みに近い肉厚設定が可能になった。設計の自由度も確保しているため、丸型、角型など、用途に合わせてさまざまな形状に対応可能。

・環境対応樹脂の活用が可能
 金型内部において、射出された樹脂の流動性が向上するため、従来流動性が悪く成形が困難だった生分解性樹脂やバイオマスポリエチレンなどの環境対応樹脂でも射出成形が可能。

・CO2排出量を削減
成形に使用する樹脂量が減るため、樹脂の製造時に発生するCO2排出量を削減。今回試作したマーガリン容器の場合には、製造時のCO2排出量が約20%削減された。


従来の射出成型技術のサンプル


「超薄肉射出成形容器」のサンプル
■ 今後の目標
 凸版印刷は、同技術を食品メーカーやトイレタリーメーカーなどに拡販し、2025年度までに関連事業を含めて約10億円の売上を目指す。
 また今後、「価値あるパッケージ」で、よりよい社会と心豊かで快適な生活に貢献する「TOPPAN S-VALUE™ Packaging」を掲げ、お客の事業成長と持続可能な社会の実現に貢献する。