凸版印刷とALSOK福島 ZETAを活用し鳥獣被害対策サービスの実証開始
2020年11月17日
 凸版印刷(東京都千代田区、麿 秀晴社長)とALSOK福島(福島県郡山市、前田 泰彦社長)は、LPWA通信規格のZETA※1を活用した罠センサー※2および罠の遠隔リアルタイム監視システムを用いた鳥獣被害対策支援サービスの実証実験(以下 同実証)を2020年11月17日より福島県大熊町(以下 大熊町)で開始した。
 同実証は凸版印刷が提供するZETAを活用した罠センサー・罠の遠隔リアルタイム監視システムをALSOK福島が提供する罠の設置・見廻り・有害鳥獣の捕獲業務までワンストップで受託する鳥獣被害対策事業に導入し、より効率的な罠の見廻りから捕獲処分作業の実現を検証するもの。


ZETAを活用した鳥獣被害対策のサービスのイメージ(左)と罠センサー(右)


 野生鳥獣による農作物被害や人間の居住地域への出没被害が全国で問題となっており、とりわけイノシシによる被害は東北エリアで急速に広がっている。一方で、地元猟友会員の高齢化が進み、設置した罠の日々の見廻り作業が狩猟者にとって負荷が大きいことが課題となっている。また、原発事故に伴う帰還困難区域では住民の避難が長期化するに伴い、イノシシの出没エリアが拡大しており、住民の帰還や町の早期復興の妨げになっている事例もある。
 このような中で凸版印刷は、ALSOK福島がワンストップで受託している大熊町での鳥獣被害対策事業にZETAを活用した罠センサー・罠の遠隔リアルタイム監視システムを導入し、より効率的な鳥獣被害対策支援サービスの提供を目指し、同実証を実施する。

■ 本実証の概要
・場所:福島県大熊町
・実証期間:2020年11月17日~2020年12月17日
・特長:
① 中継機によるマルチホップ(メッシュアクセス)を活用し山間部での安定した通信が可能
 ZETAは中継器によるマルチホップ(メッシュアクセス)が可能なため、イノシシや鹿が生息する山間部などの電波が届きにくい場所でも安定的に通信することができる。

② 既存の罠に後付けが可能で、罠の作動状況や位置をリアルタイムで確認可能
 くくり罠やはこ罠など既存の罠に後付けが可能。有害鳥獣が罠にかかったことを罠センサーが検知すると、事前に登録した管理者はメールやLINEで通知メッセージを受け取ることが出来ます。また、罠センサーにはGPS機能が備わっており、設置した罠の位置情報をPCやスマートフォンなどの端末から常時閲覧可能です。自治体職員・猟友会員・ALSOKなど複数メンバーでの情報共有と連携した有害鳥獣対策にも貢献する。

■ 同実証における両社の役割
・凸版印刷:ZETAネットワーク構築機器および罠センサー、罠監視システムの提供
      ZETAを用いた通信状況の調査と情報提供

・ALSOK福島:罠および罠センサーの設置、見廻り、有害鳥獣の捕獲業務

■ 今後の目標
 凸版印刷とALSOK福島は、本実証実験を通じて、ZETA罠監視システムを活用した地方自治体向けの総合的な鳥獣被害対策サービス提供を推進していく。また、今後はZETAの通信ネットワーク提供とALSOKの見廻り管理などのソリューションを融合することで、電気柵の電圧の遠隔監視など新たなサービスの開発にも取り組んでいく。

※1 ZETA
 ZiFiSenseが開発した、超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信、メッシュネットワークによる広域の分散アクセス、双方向での低消費電力通信が可能といった特長を持つ、IoTに適した最新のLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク規格。LPWAの規格のひとつであるZETAは、中継器を多段に経由するマルチホップ形式の通信を行うことで、他のLPWAと比べ、基地局の設置を少なくでき、低コストでの運用が可能な方式として注目されている。

※2 同実証で使用している罠センサーはマクセルフロンティア(神奈川県横浜市、大橋 明社長)が設計・製造したものを使用している。