全印工連「印刷DX推進プロジェクト」補助金交付決定、印刷の受発注から生産管理の業務の流れを自動化
2020年07月14日
 全日本印刷工業組合連合会(全印工連、滝澤光正会長)が予てより準備を進めてきた印刷産業における収穫逓減構造からの脱却を目的とした令和版印刷構造改善事業を具体化させるため「印刷産業デジタルトランスフォーメーション」の開発着手と併せて国の助成事業の申請を6月30日付で行った。特定非営利活動法人映像産業振興機構(松谷孝征理事長)により全印工連の「印刷DX推進プロジェクト」がコンテンツグローバル需要創出・基盤整備事業補助金(コンテンツのサプライチェーンの生産向上に資すシステム開発を行う事業の支援)が7月6日付けで決定した。補助金交付の決定を受け、7月13日、中央区・日本印刷会館で記者会見が行われ、補助金交付の決定、印刷産業DXシステムの概要、今後のスケジュールについて説明した。会見には全印工連の滝澤光正会長、福田浩志DX推進PT委員長、江森克治常務理事が同席した。
 同事業の目的及び内容は、コンテンツの表現媒体として重要な役割を占める印刷物の製造工程をデジタルトランスフォーメーションによって合理化することを目的とし、印刷市場の需要ギャップを解消しつつ、産業全体としての高生産性・高収益性を実現し、印刷の受発注から生産管理の業務の流れを自動化する、メーカー横断型のオープンプラットフォームを新規に開発する。システム開発完了日は2021年2月28日。間接補助事業全体に要する経費総額は1億3千198万2,880円、補助対象経費は1億円、助成率が50%なので補助金額5千万円。
 5月13日の時点で、同プロジェクトに参画するメーカー5社(富士ゼロックス、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ、リコージャパン、SCREEN GPジャパン、小森コーポレーション)が決定していたたが、滝澤会長は「助成金申請に時間制限があり、全てのメーカーに説明する制限があった。その後、国内の印刷機、PODメーカーなどで説明を強力に行っている。このプロジェクトは、今年度の全印工連の基本方針にも触れ、全印工連の中心的事業として推進していく。組合員に対してしっかり説明をするが、メリットは生産性の向上であり、新しい社会において役割を果たしていく」と述べた。また、10月9日オンラインによる全印工連フォーラムを開催するが、「印刷DX推進プロジェクト」について最新の情報を提供する。
 印刷産業DXシステムは、①業界が抱える供給過剰を解消し、業界の高いサービスを提供するサービスプロバイダと生産に特化するスマートファクトリーを目指す企業を結ぶシステムMISを開発し、組合員に安価で提供する。②ファクトリーサイドの生産管理システムの開発で、JDFを中心にオープンなプラットフォームになる様々なデバイスをJDFで管理していく生産管理システム。③付加価値を高めるサービスプロバイダとファクトリー間の受発注を円滑に行うためのジョブシュアリングプラットフォーム(JSP)――この3つのシステムの開発を来年の2月28日までに完成させる。福田DX推進PT委員長は「時間的な制限もあり、一部はパッケージ型のシステムを採用する。組合に加入しているメリットとして、安価で利用できることだ」と述べた。

 今後のスケジュールは、2020年度印刷DX推進プロジェクト第1期として、試行に必要なシステムの完成、生産性向上の目標設定し、2021年度は全国モデル地区での試行(10地区程度)で本稼働に必要な要件の整理、生産性向上のモニタリングを行う。さらに、印刷DX推進プロジェクト第2期として、生産性目標に対する仮設の検証、本稼働に必要なファシリティの整備とシステム改修、また、全国での説明会を開催し、募集を行う。そして、2023年度からの本稼働を目指す。


 左から福田委員長、滝澤会長、江森常務理事