イクシスと凸版印刷 社会・産業インフラの施行から点検・維持管理までの生産性向上に向けて協業
2019年07月08日
 イクシス(神奈川県川崎市、山崎文敬・狩野高志社長)と凸版印刷(東京都千代田区、麿秀晴社長)は、「社会・産業インフラ向け三次元形状計測・生成・解析プラットフォーム」の共同開発で協業する。
 同協業では、イクシスが提供するインフラ点検ロボット及びAIを活用した取得データ解析サービスと、凸版印刷が提供するデジタルカメラで撮影した画像から高精度な三次元形状モデルを自動生成できるエンジンを連携し、橋梁・道路・電力・鉄鋼・プラント等といった社会・産業インフラの施工から点検・維持管理までの生産性向上を目的として、次の2点を兼ね備えたプラットフォーム実現を目指す。

(1)ワンストップでの支援
 ロボット等によるインフラデータ取得から、モデリング、損傷画像等の一元管理、レポーティング 向けリッチデータ化、画像計測技術を用いた三次元成果品※1納品等のデータ作成、ビューア機能までをワンストップで有したプラットフォーム構築を目指す。これにより、各工程データのデジタル上での一元管理、点検・診断画像や三次元形状の高品質な蓄積データによる損傷等の経年変化の把握を可能にし、社会・産業インフラの点検・維持管理領域における生産性向上やインフラの予防保全等を実現する。

(2)国産プラットフォームの構築
 橋梁・道路・電力・鉄鋼・プラント等といった国内の重要なインフラデータを取り扱うことを想定し、日本の社会・産業インフラの施工から点検・維持管理に必要な機能を有した国産プラットフォームの提供を目指す。


「社会・産業インフラ向け三次元形状計測・生成・解析プラットフォーム」の概要


1.背景
 社会・産業インフラ関連業界、特に点検・維持管理領域ではインフラの老朽化、点検・維持管理費の増大、技能労働者の減少が喫緊の社会的課題となっている。国土交通省においてもこのような状況を踏まえ、生産性向上の観点からICT化や三次元データの利活用を推進している。
 近年のインフラ点検では、ドローンやレーザー計測器を使った構造物外観の測量や点検などは既に行われているが、橋梁のような狭く複雑な構造物内部において、これらの機材だけでは劣化や損傷を判断できる高精細な画像を取得することは困難だ。
 また、三次元形状計測・生成エンジンは、海外を中心にクラウドサービスでの提供が行われているが、点検・維持管理機能の不足や三次元成果品納品への未対応などインフラ点検における三次元データの導入を進める国内の点検事業者が利用するには十分ではない。
 このような現状を踏まえ、この度、イクシスと凸版印刷は「社会・産業インフラ向け三次元形状計測・生成・解析プラットフォーム」の共同開発を開始します。ロボット等の利活用と共に、取得したインフラデータの解析からレポーティングまで一気通貫した取扱いや、三次元データ活用に対応した三次元成果品納品、高品質な蓄積データによる損傷等の経年変化の把握を可能とするサービスの提供を目指す。

2.同協業における各社の独自技術
 イクシスは「ロボット×テクノロジーで社会を守る」のミッションのもと、社会・産業インフラ向け点検ロボット及びAI等を活用した取得データ解析サービスを提供している。十数年前より点検ロボットや特殊環境向けロボットの実用化実績を多数有しており、近年においては土木研究所の「AIを活用した道路橋メンテナンス効率化に関する共同研究」に唯一のロボット開発企業として採択される等、インフラデータの取得から解析(損傷検知・経年変化把握)において知見を有している。
 凸版印刷は、民生品のデジタルカメラで撮影した画像のみを用いて、対象物の立体的なモデルを全自動で高精度に生成できる技術を開発している。異なる視点から撮影された複数枚の画像間での同一点対応を1画素以下の精度で推定することで高精度な三次元形状モデルの生成を実現し、製品デザインプロセスにも応用されている。同協業は、両社の持つ独自技術を融合することで、社会・産業インフラ向けに点検ロボットと3次元形状生成エンジン及びデータ解析サービスを連携したプラットフォームを構築する。


イクシスの点検ロボット Rope Stroller


凸版印刷の三次元形状モデル生成の例 撮影写真(左)から自動生成された三次元形状モデル(右)


3.今後の展開
 イクシスと凸版印刷は、社会・産業インフラの現場で広く利活用される国産「三次元形状計測・生成・解析プラットフォーム」を目指して共同開発を推進。インフラ点検に携わる各領域の企業との協業による機能追加検討や実証実験等も実施し、2020年度中の提供開始を目指す。

4.イクシス「第11回インフラ検査・維持管理展」出展について
 本協業の取り組みについては、2019年7月24日(水)から26日(金)まで開催される「第11回インフラ検査・維持管理展」(会場:東京ビッグサイト)の会期中、イクシスのブース(W1-G37)において紹介予定。

※1三次元成果品…点検写真、メタデータ、損傷の抽出方法を示したドキュメント、損傷形状モデル、ビューアなど