コンバーティングの明日を考える会 第7回セミナー「サスティナブルな業界を目指して」を開催
2019年04月26日
 コンバーティングの明日を考える会(田口薫委員長)主催で第7回セミナー「サスティナブルな業界を目指して~循環型社会をつくり、明るい未来を!~」を4月23日、墨田区吾妻橋・すみだリバーサイドホールで開催し、350名が参加した。
このセミナーでは、グラビア印刷関連業界全体でこの貴重な知見と経験を共有し、食品パッケージの社会的責任の重さと価値の認識のレベルアップに繋げることが業界の使命であるとしている。
 それには大手も中小も企業の垣根を越え、ともに明日へ向かわなければならないと考え、サスティナブルな業界を目指し、さらなる進化を目指している。
 第7回目の今回も、同業界が目指す「環境・品質・コスト」の調和と「安全・安心」をテーマとした。
 内容は~循環型社会をつくり、明るい未来を!~そして海洋プラチックごみ問題、働き方改革に向き合う講演と取引を正常化するために下請事業者が出来ることについての解説となった。
 セミナーに先立ち、田口薫委員長は「なぜ、軟包装は軽く扱われるのか。『3・11の時に、軟包装は人の命を救った』と若い人に言うと『そうですか』と素直に聞く。しかし、空気と水とパッケージは切り捨てられている。我々の業界は残って行かなければならない。今日、ここに来ていない人たち、3分の2はカバーされていない。そういう人たちにどう話しをしたらよいか、全体でどうすべきか。法律を守っているところに仕事を出しましょう」と挨拶した。
 この後、セミナーに入り、次の4つのテーマで講演した。

■「海洋プラスチックごみ問題とプラスチック資源循環戦略」
~プラスチックと賢く付き合う未来を考える~
凸版印刷株式会社 (エコロジーセンター 環境政策部 部長 木下敏郎氏)
同セミナーでは、まず、海洋プラスチックごみ問題とはなにかを解説し、海洋プラごみ2つの側面として、入る一方でなくならず、自然への累積量は2020年には120億トン(海水量は140京トン)という量の問題で、海洋生物誤食や漂着で船舶航行影響等があるが、地球温暖化のように、との量までいくとどうなるかが示されていないと指摘。また、EUのプラスチック戦略からプラスチック資源循環戦略へ、「プラスチックと賢く付き合う」とはについて説明し、最後に、「使い捨てプラスチック(容器包装)は「資源循環+海洋プラごみ対策」のために不必要なもののリデュース、必要なものでもリサイクル、リュースが求められる時代に向かうとしながら、国内で感情的、短絡的な議論になりがちなところがある。そして、包装産業も受身ではなく、できるところから情報発信をして「不必要ではないパッケージの正しい処理」を啓蒙していく必要があると考えられる」と強調した。

■「取引を正常化するために下請事業者ができること」
弁護士法人 千代田オーク法律事務所 (弁護士 柴田里香氏)
柴田氏は、不条理な取引、証拠は特殊なものではない、下請け法、親事業者の注意すべき点の4つについて説明し、親事業者の注意すべき点として、「①下請法にない事項 短納期、損害賠償請求、取引中止②親事業者の担当者が知らない会社の方針 会社は、中国工場での生産計画を進めていたところ、末端の担当者には知らされておらず、発注後に計画を知り、キャンセルする。③親事業の担当者のパワハラーー親事業者は、優良な下請事業者と末永く取引を継続し、相互に信頼し、協力関係を築くことが利益に繋がるのであり、一担当者に取引を台無しにされないように気をつける必要がある」と述べた。

■「これからの食品パッケージについて」
味の素株式会社 食品事業本部 食品研究所 
(商品開発センター 包装設計グループ 主席研究員 小林義浩氏)  
小林氏はまず、持続可能な開発目標について解説し、日本の食品ロスの現状を述べ、食品ロスの削減方法として。仕組み構築・変更、包装技術について述べるとともに、使い捨てではなくリサイクルの時代、循環型経済への転換ついて説明した。
また、大手食品メーカの包材廃棄物に対する取り組みを紹介し、PETボトルのリサイクル、軟包材のリサイクルを説明し、味の素での包材開発事例を紹介した。最後に、環境配慮したピロー袋を開発・導入した結果、①包材の大幅はリュースを達成し②包材製造時のVOC使用料を大幅に削減できたことを述べた。

■「働き方改革法 対応準備はできていますか?」
株式会社吉田労務コンサルティング (特別社会労務士 大西綾子氏)
大西氏はまず、主な働き方改革法の施行日を述べ、労働時間の上限規制(大企業)、年休の5日付与義務化、産業医・産業保険機能の強化、労働時間の上限規制(中小企業)について説明した。
最後に、同氏は「政府の奉仕は明確だ。できる限り働いてもらい、税金、保険料を納めてもらう。一方で、年金・医療・生活保護費を抑制すること。そして会社に求められることも明確だ。誰もが長く働け、退職者が出ない環境を整備することで、長時間労働をなくし、心身の健康を確保し、外国人も含めて多様性に対応できる柔軟な労働環境が必要だ」と締めくくった。


田口薫委員長


業界が目指す「環境・品質・コスト」の調和と
「安全・安心」をテーマに4つのセミナーを開催