「第21回日本自費出版文化賞」大賞に『石川啄木と北海道―その人生・文学・時代―』
2018年09月07日
 一般社団法人日本グラフイックサービス工業会(ジャグラ、中村耀会長)主催、NPO法人日本自費出版ネットワーク主管(中山千夏代表理事)の「第21回(2018年)日本自費出版文化賞」の最終選考会が9月5日吉祥寺・東急REIホテルで開催され、507点の応募作品の中から『石川啄木と北海道―その人生・文学・時代―』(福地順一・北海道札幌市)が大賞に選ばれた。表彰式は10月6日アルカディア市ヶ谷で開催される。大賞には賞状ならびに賞金20万円が贈られる。
 大賞作品について佐藤和夫選考委員は、「石川啄木は北海道の滞在は1年足らずだったが、様々な仕事、人間たちを通じていろいろな活動を行った。この本は福地さんが生涯をかけて調べた著作だ。北海道時代の新聞記事を調べ、この時代の北海道の文化的活動がどういうものかを含めて、啄木の社会主義や女性解放運動まで興味を持っていたことが伺える」と審査講評を述べた。
 第21回自費出版文化賞は、募集を2018年3月末で締め切り、4月~6月まで専門審査委員による一次審査を行い、約200点の作品を選考。7月7日に東京都内で二次選考会が行われ、74点が入選候補作品として選出された。
 発表会は中村耀ジャグラ会長の挨拶に続き、色川大吉選考委員長から引き継ぎ選考委員長になった鎌田慧氏は「自費出版文化賞は21年になる。自費出版文化賞は、記録を自分たちで作っていき、個人誌で歴史に参加する運動だ。スマホ文化だが、本が持っている役割はますます大きくなっていく。自費出版は燦々と輝き、商業ベースとは違う。色川さんがやってきたことを引き継ぎ、他の選考委員の協力によりやっていきたい。今回、各部門、力が入っていた。特長としては身体障がい者、マイノリティの人たちの作品が多くなった」と述べた。


 大賞作品を紹介する佐藤和夫選考委員
 右は鎌田慧選考委員長


 入賞作品は次のとおり(敬称略)。
■大賞
▽〈研究・評論部門〉
『石川啄木と北海道―その人生・文学・時代―』(福地順一・北海道札幌市)
■部門賞
▽〈地域文化部門〉
『佐野掛地祝い絵図鑑―下野とちぎの民画―』(藤田好三・栃木県壬生町)
▽〈個人誌部門〉
『ピンクの車いすを街の風景に語りの旅人』(宮城永久子・東京都三鷹市)
▽小説
『ハイネさん』(住田真理子・愛知県豊橋市)
▽〈エッセー部門〉
『いつか見た青空』(黒澤絵美・茨城県取手市)
▽〈詩歌部門〉
『もう一度かあさんの聲が聴きたい』(法邑美智子・北海道札幌市)
▽〈研究評論部門〉
『茶の湯 文様ものがたり 五十帖』(木下宗周・千葉県茂原市)
▽〈グラフィック部門〉
『三0周年大百科』(㈱パレード・東京都渋谷区)
■特別賞
▽〈地域文化部門〉
『幕末・維新と仙台藩始末―雲水の行衛はいづ古―』(千葉茂・宮城県大和町)
『篠山の鼠草紙―現代語で楽しむ絵巻の物語―』(愛原豊・兵庫県神戸市)
▽〈個人誌部門〉
『おーい、中村くん~ひきこもりのボランティア体験記~』(中村秀治・長崎県佐々町)
▽小説
『天狗壊滅』(広田文世・茨城県土浦市)
▽〈エッセー部門〉
『謡跡探訪』(清藤幸一・京都府宇治市)
▽〈詩歌部門〉
『句集 姉妹アルバム』(鳥越やすこ、浅野なみ・兵庫県神戸市)
▽〈グラフィック部門〉
『『はさみ』『のり』『くれよん』三部作』(こばやしゆか、平松尚樹・東京都杉並区)

 最終選考委員は次のとおり(敬称略)。
鎌田慧(ルポライター)、中山千夏(作家)、佐藤和夫(哲学思想研究家)、秋林哲也(編集謝、藤野健一(編集者)、小池一子(クリエイティブデザイナー)、成田龍一(大学教授)