大日本印刷 内容物の風味を長期間保持できるアルコール飲料向け液体紙容器を開発
2018年09月04日
大日本印刷(DNP、北島義斉社長)は、アルコールに含まれる香気成分がフィルムに吸着することを抑制し、風味を保持したまま、常温での長期保存が可能な口栓付きのアルコール飲料向け液体紙容器「DNP低吸着包材(液体紙容器)」を開発した。
DNPは、持続可能な社会の実現に向けて、さまざまな課題の解決につながる機能を付与したDNP機能革新パッケージシリーズ「ADJUST PACKAGING」の開発を進めている。そのなかで、食品分野で長年培ってきたフィルム製膜技術とラミネート技術を応用し、医薬品や化粧品などに含まれる有効成分や香気成分が吸着しにくいフィルムを使用した低吸着包材を開発した。また2015年には、同製品に使う低吸着フィルムをポリアクリロニトリル(PAN)系からポリオレフィン系のフィルムに替えることで、フィルム同士の融着強度を2~3倍に引き上げた「DNP低吸着包材」を開発した。この低吸着フィルムをアルコール飲料用の容量の大きい液体紙容器の最内層に使うことで、耐久性を高めることができたが、清酒や焼酎など独特の香りを持つ飲料では、香りを長期間保つために、さらなる包材の低吸着性能が求められていた。
今回DNPは、従来の「DNP低吸着包材」の樹脂の配合量の見直しなどにより、低吸着性能をさらに向上させ、酒類・飲料などの風味を長期間保持できる「DNP低吸着包材(液体紙容器)」を開発した。

【「DNP低吸着包材(液体紙容器)」の特長】
○新たに開発した「DNP低吸着包材(液体紙容器)」は、従来の「DNP低吸着包材」と比較して低吸着性能が向上している。例えば、清酒中のカプロン酸エチルの低吸着性能が13.5%向上することで清酒の風味の長期保持を可能とした。



○この「DNP低吸着包材(液体紙容器)」は、充填機などの既設の生産ラインに対応可能で、設備改修や新規設備導入などは必要ない。
○清酒と芋焼酎の風味の保持性を確認するため、「DNP低吸着包材(液体紙容器)」「DNP低吸着包材」および「低吸着でない紙容器」で、充填から10日後の内容物の香り成分の残存率を測定し、比較した。その結果、今回開発した「DNP低吸着包材(液体紙容器)」は、清酒や焼酎の香りの主要成分である酢酸イソアミルやカプロン酸エチルが他の容器に比較して多く残存していることが分かった。

【今後の展開について】
DNPは本製品を、清酒・焼酎などの酒類業界向けに販売し、2019年度で年間3億円の売上をめざす。また、同製品を「DNP易解体液体紙容器」や「DNPキャップ・中栓同時開封注出口」と組み合わせることで、内容物の香りを保持しながら、簡単に開栓できて分別廃棄もしやすく、人にも環境にも配慮した液体紙容器の開発を進めていく。
なお、本年10月2日(火)~5日(金)に東京ビッグサイトで開催される「TOKYO PACK2018(2018東京国際包装展)」のDNPブースに「DNP低吸着包材(液体紙容器)」を出展する。