印刷工業会 管理者研修会で漫画家の弘兼憲史氏を講師に迎え講演
2017年11月28日
印刷工業会(山田雅義会長)の教育・研究部会(杉山毅部会長)は11月27日、中央区新富・日本印刷会館で管理者研修会を開催した。今年度の管理者研修会は、『島耕作シリーズ』で有名な漫画家の弘兼憲史(ひろかね・けんし)氏を講師に迎え、「島耕作とリーダーシップ」をテーマに講演した。
 弘兼氏は1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、松下電器産業(現パナソニック)に入社。73年漫画家を目指して退職、74年『風薫る』で漫画家デビューし、『島耕作シリーズ』、『人間交差点』などの漫画以外の著書も数多くある。
 講演ではまず、日本の漫画がなぜ発展したか、①ときわ荘で手塚治虫、赤塚不二夫、石森章太郎など漫画家集団がいた、②読み手は団塊の世代でマーケットが広かった、③漫画を扱うのは大手出版社で人材が揃い、マーケティングリサーチが綿密にされ発展してきたと語り、弘兼氏が小学生の頃は金持ちの子供が漫画(月刊誌)を買い、回し読みしていたが、中学生の頃、少年マガジンや少年サンデーなど週刊誌が発行され、大学生は「片手に朝日ジャーナル、片手にマガジン」と言われ、社会に出ると青年コミックが発売されたと漫画の変遷を述べた。
 そして、小学生の頃に漫画家になりたいと思ったが、「夢を実現できないのは9割」と自らの著書にも書いているとおり、漫画家を諦め中学生の頃には読書に励み新聞記者になりたいと思い、やがて早稲田大学に入学。そして大学では漫画研究会に入る。卒業後は広告業界に入ってコピーライターをやろうと思ったが松下電器(現パナソニック)に入社した。入社後3年目で「会社を辞めて漫画になろう」と決意する。しかし大学時代に漫画を書いたことはなかったという。その後、ビッグコミックで初めて書いた『風薫る』で漫画家デビューを飾り、現在に至る。
 次に、リーダーについて語り、「リーダーには強いリーダーと正しいリーダーがいる」と述べ、国のリーダー、組織のリーダー、中小企業のリーダー、野球のリーダーなどについて述べ、組織のリーダーの特長として「負けず嫌い、プラス思考、明確なビジョンを持つ」であり、「オーナー社長には優しい人と厳しい人の二通りあり、サラリーマン社長とは自分が社長の任期中は大過なく過ごそうという傾向があり、あまり思い切った施策はしないという感じだ。そして、サラリーマン社長は前の社長よりも成果をあげようとする」と自論を語った。
 最後に島耕作について述べ、「島耕作は取材を元に出来上がっており、エンタテイメント50%、情報が50%だ。農業、漁業、医学、高齢化社会どう生きるか、安楽死ありかなど、作品を展開していく」と締めくくった。


 弘兼憲史氏