印刷図書館 70周年記念誌『印刷図書館コレクション』出版パーティーに100名が参加
2017年10月27日
一般財団法人印刷図書館(山田雅義理事長)は、昭和22年(1947年)に創立され、平成29年3月に財団設立70周年を迎えた。同館は創立以来、「印刷文化に貢献すること」を目的に印刷の唯一の専門図書館として、資料閲覧などの日常業務を進めるとともに、後世に残すべき貴重な印刷文化資料の保存に努めている。
このほど、70周年を記念する事業の一環として『印刷図書館コレクション』(A4判、120頁、上製本)を刊行した。同書作成にあたり、明治・大正期発行の資料・作品を中心に、図版として見てもらいたいものを中心に選択・掲載した。さらに、沿革と年表には昭和始めから今日まで、その時代の印刷人がどのような志を抱いて、どのように印刷図書館並びに印刷産業を育てようとしてきたか、今回初めてまとめた。
10月26日、千代田区一ツ橋・如水会館で同書の出版パーティが開催され、業界関係者、来賓など100名が参加した。
主催者を代表して山田雅義理事長は「印刷図書館は戦前、印刷に携わる方々が日本の印刷技術は欧米に比べると遅れているという危機から印刷や関連技術の情報を集約して一日も早く水準を欧米と肩を並べようと印刷学会を中心に準備を進め、同時に資料収集を行った。収蔵された書物、資料は戦火を免れ、1947年に財団を印刷会館に設立した」と経緯を述べた。
さらに、「2万点を超える所蔵資料のなかには、明治10年(1877年)に紙幣局活版部から発行された『活版見本』をはじめ、東京築地活版製造所や秀英舎(現・大日本印刷)の活版見本帳、日本初の印刷専門誌『印刷雑誌』の創刊号(明治24年(1891年)、さらに、「赤玉ポートワイン」に代表される日本のポスター史を語る上で欠かせない石版ポスター130余点など、他ではなかなか見ることができない貴重な資料が含まれている。さらに、収集資料の対象は国内だけでなく、19世紀から20世紀にかけてイギリスやドイツで刊行された印刷年鑑などの洋書も多数所蔵しており、なかでもグーテンベルクが1460年に印刷したとされる「カトリコン」(一葉のみ所蔵)は、インキュナビュラ(最初期の活版印刷本)として知られ、印刷・出版史を語る上でも大変重要な資料といえる」と述べ、今後も専門図書館として役割を果たしていくことを誓った。


山田雅義理事長

 次いで、来賓の樺山絋一館長は印刷博物館を紹介するとともに、MLA連携について「博物館(Museum)、図書館(Library),文書館(Archives)の三つは別々の歩みを取ってきたが、目指すところを追求しながら連携していく。それぞれが展開しながら一緒の文化に踏み込みコミュニケーションや文化のあり方を追求していくよう努力していきたい」と述べた。


 樺山絋一館長

引き続き、大江朋久経済産業省商務情報政策局コンテンツ産業課課長補佐の発声で乾杯し歓談に入った。


 大江朋久課長補佐の発声で乾杯

 歓談の途中で、映像による記念誌の紹介が行われた後、新村重晴新村印刷相談役が「父・長次郎の寄付が多少でも役に立ったと喜んで感謝していることだろう。記念誌の発刊にご尽力頂いたことに深く感謝している。今後も図書館が健全に運営されることを願う」と祝辞を述べた。


 新村重晴相談役

また、水野雅生ミズノミュージアム館長は「図書館との関わりは、私のミュージアムにある重複したものは寄贈した方がいいと思い、30数年前に寄贈した。ポスターについては、40枚修復した。40数年間、図書館の運営にお手伝いしてきたが、新しく良いものが集まらない。ぜひ、皆さんの力による運営に対しての協力がありがたい。そして、メンバーを増やして頂きたい」と支援を呼びかけた。


 水野雅生館長


『印刷図書館コレクション』
『印刷図書館コレクション』は、貴重資料等を図版とともに紹介した「収蔵品図録」をはじめ、これまでの印刷図書館の歩みを記した「沿革」と詳細な「年表」、さらに巻末には、これまで、そして、これからの「印刷」を知る上で、欠かせないタイトル1500冊をピックアップし、「主要図書リスト」として掲載している。

文化・芸術関係機関などに寄贈
印刷図書館では、「印刷」を広く理解してもらうための一助として、『印刷図書館コレクション』を、全国の文化・芸術および関連の専門情報機関・研究機関などへ謹呈するとともに、希望者には頒布する。(頒布価格 2,000円 税・送料別)
『印刷図書館コレクション』 (A4判・120頁・上製本)