凸版印刷 本田技術研究所の協力の下、デジカメで3Dモデル生成
2017年09月19日
 凸版印刷(東京都千代田区、金子眞吾社長)は、デジタルカメラで撮影した画像から三次元形状モデルを自動生成できる画像処理技術を開発している。
 このたび、同技術の有効性を検証するため、本田技術研究所(埼玉県和光市、松本宜之社長)の協力のもと、自動車デザインの製作プロセスにおける性能評価実験を実施。その結果、CADへの適用にも耐え得る高精度なモデル生成に成功した。

 同性能評価実験は2016年6月から実施したもので、具体的には、本田技術研究所が製作したドアのクレイモデルに対し、凸版印刷が本技術を適用して三次元形状モデルを作成。本田技術研究所にてその三次元形状モデルの表面平滑化処理を行った上で工業用三次元測定機の測定結果との比較評価を行ったところ、A4サイズにて、誤差0.08mmという、高精度なモデル生成を実現した。
 これにより、従来は高価な専用機器でしか実施できなかった、製造デザイン工程における三次元形状計測が、同技術を用いることによって、民生品のデジタルカメラでも手軽に実施可能であることが確認され、業務の大幅な改善が期待される。

 コンピュータグラフィックスやCAD技術の普及に伴い、実世界を再現したデジタルコンテンツの開発が本格化している。特に、正確な三次元形状を簡便に取得したいニーズが拡がりを見せている。
 従来、表面形状をデジタル化する手段としては、レーザーレンジスキャナや光学式三次元計測定器などの専用装置が多く活用されている。しかし、これらの専用装置は計測精度が高い反面、装置が高価で利用時の準備負荷もかかるため、手軽に測定しにくいといった課題があった。
 この課題を解決するため、凸版印刷は民生品のデジタルカメラで撮影した画像のみを用いて、対象物の立体的な形状モデルを全自動で生成できる技術を開発した。

■ 同画像処理技術について
 同技術は、国立大学法人東北大学大学院情報科学研究科 青木孝文研究室(宮城県仙台市、以下、東北大学)が開発した位相限定相関法に基づき、凸版印刷と東北大学で2014年に共同開発した多視点ステレオ技術であり、高精度な三次元形状モデル生成が可能。
 凸版印刷は、今回、さらなる高精度化を実現するため、ワークフローの中で、対象物に合わせて対応点を最適化する対応点推定技術と、複数視点から推定された対応点を統合する技術の改良を行った。また、本技術を用い、材質や大き
さ、形状の異なるさまざまな対象物を撮影し、三次元形状モデルの生成実験を繰り返すことにより、生成アルゴリズムを改良。より高精度な形状モデルの生成を実現した。