大日本印刷 「DNP ヘッドマウントディスプレイ用画素隠蔽フィルム」を開発
2017年09月06日
大日本印刷(DNP,北島義俊社長)は、ヘッドマウントディスプレー(HMD)の画質を改善して、映像へのリアルな没入感を高めるピクセルスムージングフィルム「DNP ヘッドマウントディスプレイ用画素隠蔽フィルム」を開発した。
近年、アミューズメント業界など多くの分野でバーチャルリアリティ(VR:仮想現実)が注目されるようになり、そのデバイスとして臨場感が溢れるHMDの普及が進んでいる。しかしながら、小型のディスプレイを光学レンズで拡大して視聴するHMDの特性上、光の三原色であるR(レッド)G(グリーン)B(ブルー)で構成される画素が拡大されて見えてしまい、没入感が得られにくいという課題があった。
この課題に対してDNPは、HMD内に装着するフィルムを開発して、HMDで映し出される映像の鮮明性を落とすことなく画素感を抑制し、実際にその世界に入り込んでいるような視覚的な没入感を高めることを可能にした。

【DNP ヘッドマウントディスプレイ用画素隠蔽フィルムの概要】
同フィルムをHMD内に組み込むことでRGBの色領域は拡大され、RGBの混色防止などのために各色領域の間に施されているブラックマトリックスを見えにくくする。これにより画質を改善して映像へのリアルな没入感を高めている。
均等に色領域を拡大すると縦横配列の長さが異なる色領域の場合は、ブラックマトリックスが見えてしまうか隣接する色が混じり合うという現象が起きる。同フィルムは、光の拡散を精密に制御することで、画像の鮮明性を維持しながらブラックマトリックス領域のみを見えにくくすることに成功した。
これまでもHMDの没入感を高めるために微細な加工を施した均等に画素を拡大する単層のマイクロレンズなどが使用されていた。今回DNPが開発したフィルムは、微細な加工を施した2層レンズにより3色の色領域のさまざまなパターンの配列に対応することが可能で、画質改善における設計の自由度が高まる。
同フィルムは、DNP独自のレンズ設計・微細加工技術により、ディスプレーの構成やRGBの各色領域の配置形状に合わせた最適な光の制御が可能であり、専用ディスプレーを搭載したタイプと、スマートフォンなどのモバイル機器を装着するタイプの両方のHMDに組み込むことができる。

DNPは新開発のフィルムを、HMDメーカーをはじめ、ゲーム機器メーカーやモバイルメーカーなどに年内から提供を開始し、2021年度までに年間で50億円以上の売上を目指す。