凸版印刷 4色カラーインキを用いた新しいカラー表現印刷技術を確立
2017年06月26日
 凸版印刷(東京都千代田区、金子眞吾社長)は、マイクロ単位(マイクロ:100万分の1)の微細印刷技術と高精度な位置決め技術の融合によって、4色カラーインキを用いた新しいカラー表現印刷技術を確立した。
同技術を使うことで、偽造防止や真贋判定などのセキュリティ印刷や、導電性材料と絶縁性材料の組み合わせによる微細配線回路を活用したセンサー、ウエアラブル端末など幅広い展開の可能性がある。

 微細印刷技術は導電性材料を用いて配線パターンを形成するなどプリンテッドエレクトロニクス(※1)分野で主に使われている。現在では、線幅70μmの配線パターンが既に実用化されており、さらに微細な30μmを形成する技術も実用化に近づきつつある。これまで凸版印刷ではプリンテッドエレクトロニクス分野で培った微細印刷技術により、導電性材料である銀インキを使用し線幅10μmの細線を600mm×600mmの大きさに形成する印刷技術を確立してきた。さらに、印刷物の線幅や間隔を任意に制御することで、単色での階調表現にも成功している。

 このたび、凸版印刷は微細印刷技術を絶縁材料である4色のカラーインキへの展開と、インキ組成の最適化で線幅10μm、間隙10μmを形成する技術を確立した。そして、その技術を応用し各色の線幅や間隙を自由に変え、さらに高精度に配置する技術により新しいカラー表現を行うことにも成功しました。同技術を用いることで導電性インキに続きカラーインキにおいても直線・曲線・マイクロ文字・マイクロ記号やマークなどのパターン形成やカラーでの階調表現も可能となった。

■ 開発の背景
 凸版印刷では、プリンテッドエレクトロニクス分野で培った微細印刷技術を深耕している。導電性材料を用いた微細印刷技術の実用化を進める一方、その技術を絶縁材料であるカラーインキにも広げグラビアオフセット印刷により、線幅、間隙ともに10μmの印刷が可能となり、高精度に配置することで新しいカラー表現の印刷技術を確立した。
このようにインキの対応幅を広げ微細印刷技術を駆使することで偽造防止やブランドプロテクションなどのセキュリティ分野や、絶縁材料と導電性材料の組み合わせなどによる微細配線回路やセンサー、ウエアラブル端末などのプリンテッドエレクトロニクス分野など幅広い展開を視野に入れている。

■ 微細印刷による新しいカラー表現技術の特長
・4色のカラーインキを使い線幅と間隙を10μmで印刷
 シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の線幅と間隙を10μmで印刷、直線・曲線・マイクロ文字・マイクロ記号やマークなどのパターンを形成することができる。これらの組み合わせにより偽造防止やブランドプロテクションなどのセキュリティ製品への用途展開が可能となる。
・網点印刷方式ではない新しい細線印刷技術による色表現
 4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の線幅と間隙を任意に制御し高精度に配置することで、より高精細な階調表現印刷が可能。同技術の特徴は色を重ねて印刷するのではなく、色を規則正しく並べて印刷する技術であることから色本来が持つ彩度をそのまま保つことができる。
 また、通常見る範囲ではごく普通の画像として写るが、拡大すると細線が規則正しく並べられた集合体である特殊な印刷技術であることから、この方式そのものが偽造されにくくセキュリティ性を有した印刷物となる。さらにその中にマークなどを埋め込むことも可能。
・導電性材料との混在印刷
 これまでプリンテッドエレクトロニクス分野で培ってきた導電性材料と新しい色表現を用いたカラー印刷を融合することで、意匠性を持たせたエレクトロニクス商材など新たな視点での展開ができる。
 なお、同技術を用いたカラー表現印刷技術は特許出願中。

■ 今後の目標
 凸版印刷は、導電性材料、絶縁材料ともに微細印刷技術の研究開発を進めていく。新しい色表現技術を用いた描画印刷や、偽造防止、真贋判定などのセキュリティ分
野や、導電性材料や絶縁材料を使った高精度・高精細な印刷が求められるエレクトロニクス分野などに向け、多彩な機能を持つ複合製品に幅広く展開していく。

※1 プリンテッドエレクトロニクス
印刷技術を利用して電子回路などのエレクトロニクス製品を生産すること。印刷技術の特性を生かして、基板として様々な素材を利用できること。これまでの生産方式よりも簡便なプロセスでの生産が可能となることから、次世代の技術として期待されている。