印刷工業会 管理者研修会で新幹線清掃チームの“働く誇り”を学ぶ
2017年06月09日
 印刷工業会(山田雅義会長)の教育・研究部会(杉山毅部会長・共同印刷)では6月8日、中央区新富・日本印刷会館で管理者研修会を開催し、100人が参加した。今回は、講師に㈱JR東日本テクノハートTESSEI おもてなし創造部長の矢部輝夫氏を講師に迎え、『奇跡の職場 新幹線清掃チームの“働く誇り”』をテーマに講演した。米国・ハーバード大学ビジネススクールでも必修科目となった新幹線清掃の「おもてなし」だ。矢部氏は職場のやる気をアップさせ奇跡の職場と呼ばれるまで変貌させた経緯を語った。
 同氏は2005年に鉄整備株式会社(2012年に株式会社JR東日本テクノハートTESSEIに社名変更)の取締役経営企画部長に就任して以来、10年間、様々なことに取り組み、職場のやる気をアップさせた。6年前、米国のCNNが「7分の奇跡」を取材し、世界に発信され、反響を呼ぶ。新幹線(JR東日本)の停車時間は12分だが、そのうち2分降車、3分乗車で残りの7分間で100席全部のテーブルを拭き、床の清掃、ゴミ出し、座席の回転などを行わなければならない。基本的に1両を1人で担当する。これこそが“7 minutes miracle(7分の奇跡)”だ。1日17万席、年間で6,000万座席を清掃し、クレームは年間でわずか5件だという。
 しかし、同氏の就任当時は財務面でのどんぶり勘定、経営陣の意思不統一など負のスパイラルな職場だった。「変換のスイッチ」はどこにあるかと考え、掃除の世界でイノベーション、すなわち新しい価値観を造ることだと悟った。そして、最初に考えたことはミッション(使命)であり、やがて従業員は「誇り」と「生きがい」を持つようになる。
 さらに、約30名のエンジェル・リーポーターが地道にこつこつと頑張る人たちをリポートする小冊子『エンジェルリポート』を作る他、月間個人褒賞・半期部長表彰、年間優良従業員表彰やよくほめてくれた人を表彰する制度も設定した。講演ではエンジェルリポートから抜粋した従業員とお客とのエピソードをスライドで紹介した。
 最後に、同氏は「一人はみんなのために、一人は一つの目標のため。どんな仕事も、どんな人生にも誇りと生きがいを持たなければならない。人は見られることで成長していく」と締めくくった。


矢部輝夫氏