印刷工業会 トップセミナーで『ダイバーシティ2.0』を学ぶ
2017年04月20日
印刷工業会(山田雅義会長)は4月19日、港区元赤坂・明治記念館で220人が参加してトップセミナーと懇親会を開催した。トップセミナーでは藤澤秀昭経済産業省経済産業政策局経済社会政策室長を講師に迎え、『ダイバーシティ2.0~競争戦略としてのダイバーシティの実践に向けて~』をテーマに講演した。
 経済産業省は昨年8月に「競争戦略としてのダイバーシティ経営(ダイバーシティ2.0)の在り方に関する検討会」(北川哲雄座長)を立ち上げ、今年3月まで中長期的に企業価値を生み出し続けるダイバーシティ経営の在り方について検討を行い、報告書をまとめた。さらに、企業が取るべきアクションをまとめた『ダイバーシティ2.0行動ガイドライン』を策定した。
 セミナーでは、まず、これまでの企業におけるダイバーシティの取り組みとして、「新・ダイバーシティ経営企業100選」、「なでしこ銘柄」について説明した。「新・ダイバーシティ経営企業100選」表彰は平成28年度で5回目を迎えたが表彰企業は200社を超え、平成28年度から特色のあるダイバーシティ経営の実践方法、成果等を紹介するセミナー「MeetUP!(ミートアップ)」を全国各地で開催し、ダイバーシティ経営の普及を図っている。
 また、セミナーでは現状と課題、これまでのダイバーシティの評価などについて語り、ダイバーシティ2.0について説明した。企業価値を実現するダイバーシティ2.0とは(定義)、“多様な属性の違いを活かし、個々の人材の能力を最大限引き出すことにより、付加価値を生み出し続ける企業を目指して、全社的かつ継続的に進めていく経営上の取組”だ。ダイバーシティ2.0のポイントは、①中長期的・継続的な実施と経営陣によるコミットメント、②組織経営上の様々な取組と連動した「全社的」な実行と「体制」の整備、③企業の経営改革を促す外部ステークホルダーとの関わり(対話・開示等)、④女性活躍推の推進とともに、国籍・年齢・キャリア等の様々な多様性の確保の4つ。
 また行動ガイドライン実践のための7つアクションとは、①経営戦略への組み込み、②推進体制の構築、③ガバナンスの改革、④全社的な環境・ルールの整備、⑤管理職の行動・意識改革、⑥従業員の行動・意識改革、⑦労働市場・資本市場への情報開示と対話。
 最後に藤澤室長は「ガイドラインの実践には経営者の“粘り強さ”がカギであり、重要なことは、①短期的な課題を乗り越える試行錯誤のプロセス、②中長期で目指す企業価値のゴール共有だ」と締めくくった。


 藤澤秀昭経済社会政策室長

 セミナー終了後、場所を移動して懇親会が行われた。山田会長は日本の経済環境や海外の政治情勢にふれるとともに、「印刷業界では、パッケージ関連やセキュリティなど一部は堅調に推移しているが、メディアの多様化により出版や商業印刷などの情報系事業は厳しい。さらに、人材不足、原材料の値上げ、用紙の一斉値上げ、電気や輸送費の値上げで、印刷業界を取り巻く環境はさらに厳しくなっている。業界としても、生産向上と新分野への挑戦、新しい価値の創造、事業領域の拡大が極めて重要だ」と促した。
 また、印刷工業会では『印刷を魅力ある業界に』をスローガンのもと、12部会で取り組んでいるが、セミナーに先立ち行われた合同部会で部会の活動報告を行ったが、同会長は、「他の団体との連携を取り組み、リサイクルを通じて社会貢献、これから担う若手の人材育成のための研修会、女性活躍推進部会により、魅力ある業界に向け活発な活動を続けていく」と促した。  

 
 山田雅義会長