FFGS 独自技術で「SUPERIA ZN」を開発
2015年08月24日
国内初の新聞印刷向け完全無処理サーマルを発売

JANPS2015新聞製作技術展で
実績ある界面制御技術活かして

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社(社長:真茅久則、以下FFGS)は、国内初となる新聞印刷向け完全無処理サーマルCTPプレート『SUPERIA ZN』を、「JANPS2015新聞製作技術展」初日の7月22日から発売を開始した。
 FFGSは、富士フイルムが新聞用サーマルネガプレートの開発で長年培ってきた独自技術をベースに、商業印刷向け完全無処理サーマルCTPプレートで実績のある「界面制御技術」などを活かして開発したもので、オフセット分野向け省資源ソリューションのグローバルブランド『FUJIFILM SUPERIA』の新ラインアップとして、新聞製作における環境負荷低減、生産効率向上に大きく貢献するとみられている。
 ■新聞印刷向けの〝究極の省資源ソリューション〟
 富士フイルムでは、新聞用サーマルネガプレートとして、2003年に「プレヒートレス」の『HN―N』を発売、2007年に「プレ水洗レス」「合紙レス」を実現、2009年には高感度化を果たした『HN―N5』をリリースし、つねに最新の技術を採り入れながら新聞印刷の高度なニーズに応えてきている。一方、商業印刷分野では、ワールドワイドで3000社の実績をもつ『XZ―R』をさらに改良した、第4世代の完全無処理プレートとなる『SUPERIA ZP』を本年5月にリリースし、市場から高い評価を得ている。
 今回発売する『SUPERIA ZN』は、富士フイルムがこれらのソリューションで培ってきた知見や評価技術を活かし、新聞印刷向けに開発した完全無処理プレートで、新たな独自技術の投入により、耐刷性や安定性など、新聞印刷に求められるさまざまな性能を高い次元で実現している。
 ■有処理CTP『HN―NV』と同等の性能を実現
 『SUPERIA ZN』は、露光完了後、そのまま印刷機にかけられるため、処理に関わる機器や薬品、電気などがすべて不要。SUPERIAが目指す「5つの省資源」(省材料、省工数、省エネルギー、省排出、省ウォーター)を同時に実現する。
 また、自動現像機が不要になることで、CTP現場では、現像液・ガム液の液管理、自動現像機のタンク・ローラー・側板の洗浄、予備の薬品・ローラーの在庫管理から解放され、作業時間の大幅な短縮が図れる。環境負荷削減効果も大きく、現像液・ガムの廃液や、自動現像機の洗浄水がなくなることで、大幅な廃液・廃水量ダウンが実現する。加えて、自動現像機のないシンプルな工程は、大幅な省スペース化、作業現場の有効活用を可能にする。
 さらに、『SUPERIA ZN』には、品質や生産性、作業性などに関わる次のような特長を備えている。
 ①有処理サーマルプレートと同等の「10万インプレッション」というロングラン性能を実現。
 ②新開発の超高速ラジカル重合技術によって低い露光エネルギー量でも画像形成が可能になり、生産性向上に寄与。
 ③従来の有処理サーマルプレートと同等の「汚れにくさ」を発揮。「エッジ汚れ」も抑制。
 ④印刷資材に左右されず、つねにスピーディーかつ安定した刷り出しが可能。
 ⑤有処理サーマルプレートと同様の、優れた取り扱い性。
 ⑥新聞用高精細・FMスクリーン対応、細線再現1pixel(1200dpi)の高解像度で、新聞読者の高品質要求に対応。
 ⑦CTPセッターも輪転機も、有処理サーマルプレートと同じ設備を使用でき、既設機と高い適合性を発揮。アブレーションの発生もないため、セッターの吸引装置は不要。
 ■優れた品質・生産性・刷りやすさを支える3つの新技術
 これらの性能を実現するために、『SUPERIA ZN』には、新たに開発した以下の技術が投入されている。
 ●HDN技術(超高次元ネットワーキング技術)
 版材への照射光エネルギーをできるだけ効率よく重合反応に結び付けるために、感光層に使われている材料を一から見直し、あらためて、画像形成に必要な成分だけを最適化。その結果、重合反応の超高速化に成功。従来の完全無処理プレートに比べ反応効率が約3倍に高まり、さらなる耐刷性アップを実現している。
 ●MGZ技術(マルチグレインZ技術)
 重合反応の超高速化に合わせて、有処理CTP『HN―NV』で定評あるマルチグレイン砂目「MGV」を、無処理プレート用に最適化。表層側のマイクロポア径だけを高精度に拡大する「多段構造化」によって、高速に固まった感光層の強度を安定的に保持できるようになり、耐刷性と耐汚れ性が同時にレベルアップしている。
 ●SHC技術(極細親水化コーティング技術)
 有処理CTP『HN―NV』では版エッジの形状制御と『ガム液HN―GV』の組み合わせにより実現していたエッジ部の「耐汚れ性」を、『SUPERIA ZN』では、エッジ部のみを親水化するコーティング技術を新たに開発・実用化。エッジの形状制御と高次元に融合することで、完全無処理プレートでは原理的に困難と言われていた効果的な「エッジ汚れの抑制」を実現している。(2015年7月30日号掲載)