地方自治体や関連事業の発展活性化を目的に一般社団法人「むらまち結び」が動き出す
2015年07月21日
千代田区のブランド資源を用いて
印刷業の得意分野も活かして

 一般社団法人むらまち結び(東京都千代田区、山本久喜代表理事)は、千代田区内及びその周辺に存在するブランド資源を用いて、地方自治体及び関連事業の発展や活性化を図ることを目的として4月1日に設立された。これまで、千代田商工業連合会(商工連)として、人と地域を繋げる活動を展開してきたが、さまざまな表情を持つ千代田区の特長と印刷業の得意分野を活かし、全国の1700以上の市町村のプラットフォームになり、商業、工業、観光など総合的な産業振興と地域活性化の支援を行うために同法人を設立した。
 同法人の代表理事である東洋美術印刷の山本久喜代表取締役社長と仲山裕文トーヨーデザインコアXメディアグループグループ長プロデューサーに同法人の設立経緯ならびに千代田区のブランド資源について取材した。

千代田区のブランドを分析して

 千代田区の人口は5万2千人だが、昼間の人口は82万人のビジネスパーソンや学生が通うとともに、日中、千代田区を行き交う多種多様な人々は約300万人といわれている。円安の影響により秋葉原電気街や小川町のスポーツ店街には多くの訪日客の外国人が見られるようになり、お昼近くになると安くてウマいランチを求め店の貼り紙を食い入るように見る姿が目立つ。外国人旅行者が都内で行きたい街として、秋葉原が4位、丸の内が8位とランキングされている。
 さらに、千代田区には、江戸城の名残を留める皇居、国の中枢となる国会議事堂や政府省庁が集まる霞ヶ関・永田町の他、大企業の集積(上場企業本社数312社)、4大新聞社、出版社の街であり、金融機関、産業の街でもある。また、国立・私立大学数は16大学(学生数8万5千人)、東京駅の乗降客数は41万人、千代田区内のホテルは帝国ホテル、シャングリ・ラやアマン東京など65件が軒を連ねる。
 また、電気街とサブカル文化の秋葉原、楽器店街の御茶ノ水の他、江戸の風情が残る神田や、千鳥が淵や靖国神社は日本でも有数の桜の名所として知られ、千代田さくら祭りには全国各地から100万人を超える見物客が訪れ、千代田区最大のイベントのひとつとなっている。さくら祭りに対して、千代田の秋まつりは、世界一の神保町古書街の古本まつりや小川町のスポーツ街まつり、神田カレーグランプリなど多様なイベントが大小を問わず、複合的に開催されており、千代田区の秋のイベントウィークの風物詩として例年30万人を超える人が訪れている。
 中でも、神田カレーグランプリは昨年で4回目を迎えたが、欧風、インド、タイ、カフェバー、うどんなど多種カレー店舗数は日本最大級。3日間を通したイベントでカレーグランプリを決定するとともに、『神田カレー街公式ガイドブック2014』を配布し、53店舗の神田カレーを100日間楽しめる食べ歩きスタンプラリーを行い、集めたスタンプ数に応じて抽選で豪華賞品がもらえるイベントで好評を得た。

むらまち結び設立の経緯と目的

むらまち結びの設立までの経緯は、1964年4月、千代田区内の印刷業、製版業、製本業、軽印刷の組合4団体をはじめ、紙器業、繊組業の企業が参加し、千代田区の産業の活性化を推進する目的で千代田区工業団体連合会を設立し、2005年4月に地域産業の変革に伴い組織改編を行い千代田区商工業連合会(商工連)に改名する。2015年3月現在、参加企業数は136社。
 2005年より、地域活性化事業に注力し、同年千代田さくら祭り、2010年より千代田の秋まつりなど各種のイベントに参画し、2011年から神田カレーグランプリの企画を運営する。
 さらに、2013年商工連の部会として、千代田ブランド委員会(地方創生支援委員会)を発足、商工連の基本方針である「人と地域をつなげる力」を具現化させるため、千代田区の地域資源調査ならびに解析を開始する。
 2015年4月、千代田区の地域資源を活かして、日本全国の市町村と相互補完的な活性化施策の実施を検討するため「むらまち結びプロジェクト」を発足させ、今年3月、千代田さくら祭りで三重県尾鷲市の特産品の試食と販売やふるさと納税のPR活動を行った。
 今年4月には本格的に事業に取り組むため、一般社団法人むらまち結びを設立した。このむらまち結びでは、①地域振興支援に関するコンサルティング及び調査、②地域振興支援に関する展示会・交流会等の企画・開催・運営、③地域振興支援に関する広報業務の代理業、④地域振興支援を促進するための各種物品の製作に関する事業、⑤前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業を行う。
 役員として、山本代表理事の他、理事に米倉伸三氏、佐野栄二氏、中俣拓哉氏、二村宏志氏、設立時社員に長瀬千鶴子氏、大和綜合印刷、ミイレー、千代田オフセット、東洋美術印刷などが参画している。

定期的な情報発信〝市〟を開催

 今後の活動として、むらまち結びの所在地である千代田区飯田橋の「ii―Bridge(イイブリッジ)」で定期的な情報発信〝市〟を開催していく。各市町村の自治体や地方事業者との関係づくりも目的の一つとして、今後の構想では7月に同会場で地方のクラフトビールとその地方の食材を使った料理を提供するイベントの他、8月に日比谷公園丸の内音頭大盆踊り大会への出展、千代田の秋まつりなどがある。
 この他、時期は未定だが、各市町村を千代田区内のクリエイターたちが各市町村のブランディングをサポートし、コンテンツ形式により参加自治体ごとに優秀賞を表彰し、国内外へのシティプロモーションに繋げていく。
 むらまち結びは、千代田区に集まる多くの人々を「千代田モノ(者)」と定義し、「千代田モノ」は「ここ(千代田)」に通うことを誇りに持ち、楽しんでいる人と捉えている。そして、「千代田モノ」の属性を一言でいうと情報高度感である。同時に、「千代田モノ」は情報発信者でもあり、SNSなどを使いリアルタイムで千代田区のトレンドを発信している。むらまち結びは地方と「千代田モノ」を結ぶ手段や接点を提供していくことになる。


左から仲山グループ長プロデュサーと山本社長