リョービMHIとミノグループが水なしLED―UVオフ機で実現
2015年07月09日
成型用フィルム印刷機SAT SYSTEMを公開稼働
大和グランドで64社111名が見学

 リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社(代表取締役社長:一政譲、以下「リョービMHI」)と株式会社ミノグループ(代表取締役社長:永瀬真一、以下「ミノグループ」)は、6月9日、10日の両日にわたって、世界で初めて水なしLED―UVオフセット印刷機で成型用フィルム印刷を実現した「SATSYSTEM」の特別内覧会を、開発初号機が稼働する大和グランド株式会社(代表取締役社長:河合真吾、以下「大和グランド」)で開催した。
 発表当初から注目されていた同システムの実機運転を視察するために、2日間で計4回の公開稼働に64社111名が全国から参加した。公開運転に先立ち、ミノグループの永瀬社長とリョービMHIの一政社長がそれぞれ次のように述べた。

■永瀬社長挨拶要旨
1997年に私共が日本に紹介した超高圧成型はスクリーン印刷を利用しておりましたので、どうしても越えられない壁がありました。そこで大和グランドさんと協力して、オフセット印刷でスクリーン印刷と同等の性能を持ったシステムの開発に着手し、リョービMHIさんの協力を得て、今日に至りました。でも私共はまだ満足しておりません。さらにレベルアップするために、本日は辛口の批評を歓迎しますので宜しくお願いします。
■一政社長挨拶要旨(10日は広川勝士取締役開発本部長が挨拶)
ミノグループ様、大和グランド様との出会いがあり、お互いの強みを持ち寄って、成型用フィルムを印刷する水なしLED―UVオフセット印刷機の開発を進めてまいり、このたび皆様に実機をご披露できる運びとなりました。オフセット枚葉印刷機メーカーとしての当社の強みである高品質の印刷物を安定して生産する技術を活用し、要求品質の高い自動車部品、電機部品などの業界の方にも安心して使っていただけるシステムを開発できました。
 
 この後SATSYSTEMの紹介を大和グランドの河合省吾専務が8年間にわたる開発の経緯とコンセプトを豊富な記録映像を使ってご紹介し、続いてリョービMHIの広川本部長からSATSYSTEM印刷機の特長と機能が説明された。
印刷デモンストレーションでは、コート紙、ホワイトPET、透明PCの3つの異なる素材に印刷して行われた。参加者は印刷直後の印刷物を手にとって確認をし、スクリーン印刷、オフセット印刷、水なし印刷、LED―UV印刷という4方式の印刷技術の強みが融合された印刷物であることを実感していた。
 主催者側では、「私共の事前予想を大きく上回る数のお客様が来場され、SATSYSTEMに対して皆様が抱いておられる期待の大きさを感じました。自動車内装材や家電部品などインモールド成型品用の印刷、住宅内装部材や壁面パネル部材など耐久性のある高品位印刷の量産に向けて、SATSYSTEMの可能性を感じていただく格好の機会となりました」と語っていた。

三次元形状の製品を大量化新たな市場創出を可能に

 スクリーン印刷は、インキ皮膜が厚いので隠蔽性があり、耐候性や耐久性に優れている。一方、オフセット印刷は短納期・大量生産に強く、画像(絵柄)の再現性が細かい高品位印刷という点で優位性をもつ。
 三次元形状の自動車内装材や家電部品等の製造方法の一つであるインモールド成型では、スクリーン印刷が採用されている。
近年、この分野で短納期・大量生産対応と高品位な印刷表現が求められてきた。このようなニーズに対応して、リョービMHI、ミノグループ、大和グランドが共同で8年間にわたり開発を進めてきた。
 この工法における安定生産に欠かせない水なし印刷を採用した専用オフセット印刷機をリョービMHIが、成型性や耐熱性を高めた専用インキをミノグループがこのたび開発し大和グランドが開発初号機を用いて印刷技術を蓄積してきた。
水なし印刷用刷版を東レ株式会社が、LED―UV乾燥装置をパナソニックデバイスSUNX株式会社が供給する。これらを包含して、「スクリーン印刷の機能性、多様性をオフセット印刷で実現」を意味する「SATSYSTEM」と名付けた。
【注:「SAT(サット)」は『ScreenAdvancedTechnology』の略】。
SATSYSTEMは、従来のオフセット印刷やスクリーン印刷など他の印刷方式と競合するものでなく、新市場を切り拓く新しい印刷システムといえる。

■開発初号機(大和グランド株式会社所有)の主な仕様は、以下の通り。
▽印刷方式=SATSYSTEM専用水なしオフセット印刷
▽使用インキ=SATSYSTEM専用インキ
▽刷版=東レ水なし平版
▽乾燥装置=LED―UV乾燥装置
▽印刷速度=500~8000枚/時
▽最大原反寸法=920×640㎜
▽最小原反寸法=410×290㎜
▽最大印刷面積=900×615㎜
▽原反の厚み=0・04~0・6㎜
(2015年6月20日号 印刷タイムス掲載)