印刷と価値提供へ「アイデア」を事業基盤に
2015年05月10日


印刷と価値提供へ「アイデア」を事業基盤に

スギタプリディア(大阪府堺市)
「ものづくり補助金」を活用して
加工分野の充実を図る

 あらゆるニーズにワンストップで応えるトータルプロデュースを基本に事業を展開しているスギタプリディア(大阪府堺市、杉田進一社長)では、さらなる顧客満足度を高めるための技術革新を目指し、中小企業庁の「ものづくり補助金(中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金)」を申請し、採択された。
 同社は、昭和25年に杉田印刷として創業して以来、これまでに設備進化による技術革新を図って市場ニーズに応えてきた。
 そして、平成25年には世の中のあらゆるものに、変化とスピードが求められるネットワークの時代を先取りするために第2の創業と位置づけ、社名を「株式会社杉田印刷」から「株式会社スギタプリディア」に変更。
 印刷業という業態や印刷物という紙媒体が過渡期に突入する中で「printing(印刷業)」と価値提供の源泉となる「idea(アイデア)」を事業の基盤とし、既得価値を活かすコーポレートブランドネームとした。
 同時に、堺市にある工場を整理し、阿倍野区にあった営業・企画・制作と管理の本社機能を移して集約。一貫体制にすることにより、顧客との迅速なレスポンスとコストの削減を実現。市場ニーズを的確に捉え、より良いコミュニケーションを図るための企画力やクリエイティブ力を高めるために企画・制作部門強化して贅肉を削ぎ、企業体質を変えている。
 その結果、課題解決型の広告制作会社を目指して広告・Web・プロモーション・ブランディングといったビジネスにおけるコミュニケーション活動の全てを行うことにより、集客促進によって発注者の収益向上に貢献できる課題解決型の業態へと変貌を遂げている。
 現在では、紙媒体の企画・制作から印刷に、Web(ホームページ製作・ECサイト制作/運営・SNS)を組み合わせたプランニングまでトータルに、それぞれの市場ニーズに最も効果的な戦略を提供している。
 製造部の青木康憲部長は「当社が社名変更した理由としては、社名に『印刷』とあれば、印刷屋さんというイメージが払拭できないことが挙げられます。当社はもともと制作の分野が強く、企画力で勝負していくための選択でした。お客様の集客を促進するために印刷を基盤に何ができるかを考え、カタチにすることが私たちの提供価値であり、使命です。『集客促進プリンティング』というコンセプトを通じて当社では、お客様の集客促進に寄与する企画提案型のプリンティングカンパニーとなることを目指しています」と語る。
 青木部長が示す通り、同社では60有余年の実績を通して、クライアントと販促の課題を共有し、印刷という原点にどのようなプラスαが必要かを追求する中で、事業の本質として販促ツールを製造することではなく、発注者と市場との双方向のコミュニケーションを創造することにあると確信している。
 このように、「クライアントの成功のために」を願っている同社では昨年、わが国製造業の国際競争力の強化および新たな事業の創出を図るため、中小企業が担うものづくり基盤技術の高度化に向けた研究開発およびその成果の利用を支援するための施策である「ものづくり補助金」を申請し、採択された。
 そして、加工分野の充実を図り、納期短縮と付加価値創造を実現することで顧客満足度を高めるためにホリゾン西コンサルから四六判半裁クロス折機「AFC―566FKT」、ロータリーダイカットシステム「RD―4055」、ミシン機「VP―66」などを導入し、品質管理はもちろんのこと、納期短縮と付加価値創造の強化を図った。
 以前はロットの大きなものを得意とし、オフセット輪転機を中心とした設備強化を図ってきた同社ではあるが、近年では時代の流れが小ロット・多品種・短納期となってきたことから、枚葉印刷機に代わってオンデマンド印刷機を導入(現在では3台のオンデマンド印刷機を保有)し、小ロットの対応も積極的に行っている。
 同時に、昨年3月にはプロトタイプのCADを導入し、オンデマンド印刷機で出力したものをカッティングしてパッケージとしての提案も開始。以降、オンデマンド印刷機の後加工を内製化するためにラミネータや角丸機を導入し、印刷物に付加価値を創造して顧客に提案する体制を整備。印刷物にアイデアをプラスアルファした形で顧客に提案するまでに至っている。
 「印刷するだけの仕事は価格競争になるだけです。これからの時代は企画力が勝負になります。安く早くは当たり前の時代であり、良いものを高く買ってもらえるよう、どこに付加価値を見出すかというとデザイン力・企画力になります。
 当社では『プラスアルファの提案』をキーワードに掲げ、お客様の要望に対して、独自の考え方で付加価値を乗せてプラスアルファの提案をしてきたことで、それなりの結果は出てきました」と青木部長は自信を示す。
 そうした実績をもとに昨年採択された「ものづくり補助金」を活用して加工分野の充実を図り、さらなる顧客満足度の向上を目指している。
 加工分野の設備強化を図る以前は断裁機しかなく、後加工は協力会社に依頼していた。しかし、近年では短納期が当たり前の時代になってきたことから同社では一貫した生産体制を構築することによって短納期化で競争力を高めた。
 「今の時代は当日・翌日の納品は当たり前であり、自社に設備があるかないかで違ってきます。そういった意味では後加工を内製化することによって製造現場も活気づきました」と青木部長は語る。
 また、今回の加工分野の充実では付加価値を創造することを目的とした型抜き機やミシン機が導入され、差別化を図ることも実現した。同社が加工分野においてホリゾンを選んだ理由としては、滋賀工場へ足を運んだ際に製造ラインを見て安心感を持ったことと、企業としての方針に共感したことが挙げられる。
 同時に、機械操作が簡単であったことと、ホリゾンの社員が製品に対する知識が豊富であったことが安心感へとつながったという。
 このように、新しい戦力機が入ってきたことから同社では、今後も実績のある企画力・デザイン力と生産力をもって顧客ニーズを高めていく姿勢を示している。(2015年5月10日掲載)