第54回全出版人大会
2015年06月29日


言論・表現と出版の自由尊守
社会繁栄のための貢献目指す
全出版人大会で誓いを新たに

 一般社団法人日本出版クラブ主催の第54回全出版人大会が5月11日、千代田区・ホテルニューオータニで開催され、古希を迎えた長寿者31名を祝い、永年勤続者341名を表彰した。これは出版業界あげての大会で、わが国出版文化の昂揚と発展を期するため、その誓いを新たにする場として例年行われており、今大会は創元社(大阪市)の矢部敬一社長が大会委員長を務めた。
 冒頭、野間省伸大会会長は今年が戦後70周年にあたり、「8月の終戦記念日に向けて、各出版社から戦後70年に関連する数多くの出版企画が刊行されると思われる。メディア規制が垣間見える今、『言論・表現と出版の自由』は何があっても守らなければならない。あの忌わしい戦争を二度と起こさない為にも出版業界に携わる我々の果たす役割はますます大きくなると思われる。それについては大会声明で強く言及している。出版業界を取り巻く環境は厳しさが増しているが、我々出版人が一丸となり知恵を結集して難局を好機に転じていこう」と挨拶した。
 次いで、矢部敬一委員長が「戦後70年、阪神淡路大震災から20年、三宅島噴火から15年など、いろいろな出来事の節目であり、立ち止まり、過去を振り返り、自分はどこにいて何をしていたのか考えることに意味がある」と述べ、大会声明を朗読し採択された。
 大会声明では、日々進化するデジタル化・ネットワーク化の影響が出版の概念を大きく変えつつある中で、著作権法も今年から電子書籍について改正がなされ、今こそ未来に向けた「本とは何か」、「出版とは何か」という本質的な議論が必要であると言及している。
 さらに、次世代の子どもたちに読書の楽しみを伝えていくためには、読書推進運動の輪をさらに広げ、地道な活動が必要であり、昭和32年に制定された出版倫理綱領の前文に〝我々出版人は、文化の向上と社会の進展に寄与すべき出版事業の重要な役割に鑑み〟の一文の原点を再確認し、社会の繁栄の為に貢献することを新たに誓った。
 長寿祝賀、永年勤続表彰の後、作家のあさのあつこさんと文藝春秋文庫局長の羽鳥好之氏の対談が行われた。(2015年5月30日号掲載)