東洋インキグループ 有機顔料事業で、グローバル展開
2012年04月06日

東洋インキグループは、有機顔料事業において、中国やインドの現地有力企業と事業提携することで事業基盤を強化し、また、4月1日に発足したトーヨーカラー(東京都中央区、宮﨑修次社長)をグローバル展開の主体とすることで、高成長が見込まれる新興国を中心に事業拡大を図っていく。
昨今、中国・インド・東南アジアなど新興国を中心に、出版物・包装容器・自動車・家電品・日用品などの需要の高まりとともに、インキ、塗料、プラスチック着色剤分野の有機顔料も需要拡大が見込まれる。
東洋インキグループでは、現在、日本・中国・フランスで有機顔料を生産しているが、今回の事業提携を通じて緊密なパートナーシップを確立することで、相互に保有する経営資源を活用し、グローバルでの有機顔料のサプライチェーンと販売網をスピーディーに整備、成長市場での販売拡大を狙う。加えて、グローバル展開を同様に進めているグループの他事業の製品に対し、有機顔料を地産地消的に供給する体制を確立していく。
中国においては、江蘇省常州市の有力化学メーカーである亜邦投資控股集団有限公司と合弁会社を設立し、有機顔料の生産技術を導入、中国国内を中心に共同で販売活動を行う。亜邦グループは、中国国内を網羅する販売チャネルと、コスト競争力の高い生産インフラを有しており、有機顔料では特に青や緑のフタロシアニン系顔料において強みを持つ。この合弁会社によって、亜邦グループの生産インフラおよび販売網と、東洋インキグループの製品化技術や環境対応技術、国際的なブランド力を結びつけ、事業展開を加速させる。なお詳細は、中国・上海市で4月10日から開催される「第12回中国国際染料工業及び有機顔料、紡績化学品展示会(China Interdye 2012)」にて、両社共同でプレスリリースを行う予定。
一方、インドにおいては、現地の有機顔料メーカーとインキ用顔料の生産事業化を狙い、現在協議を進めている。インド企業の生産インフラおよび現地法人運営ノウハウに、当社の技術力およびインキ用顔料のノウハウを結びつけることで、コストと品質に優れるインキ用顔料の生産拠点を構築し、インド・東南アジア市場に進出する日系メーカーや現地系メーカーへの販売に加え、自社グループの現地印刷インキ生産拠点で使用するための高品質顔料の生産・供給を計画している。
東洋インキグループの有機顔料事業は、工程管理を含む技術力を強みとして国内外のインキメーカーなどへの販売を拡大してきたほか、日本および東アジア地域での液晶ディスプレイ用カラーフィルタ材料などの分野でも事業を展開している。また、有機顔料をグループの基幹原料と位置付けており、トーヨーカラー富士製造所(静岡県富士市)のほか、中国・フランスの拠点でも生産を行い、グループの他の事業の製品に使用している。
東洋インキグループは、2017年3月期に海外売上比率を50%まで引き上げることを目標としているが、今回の事業提携により、有機顔料事業のグローバル展開のスピードを高めるとともに、それを原料として使用する印刷インキやプラスチック着色剤などの製品のグローバル展開も加速させる。従来の東洋インキグループの有機顔料事業は、高品位品を中心とした製品群による日本国内のハイエンド品での展開が中心であり、製造コストと品質のバランスを柔軟に求められる新興国市場での展開は限定されたものであった。今回、パートナー企業の現地市場におけるコスト競争力や販売網と、当社の技術力や品質力を結び付けることでサプライチェーンと販売力を拡充する。また、印刷インキや着色剤など、中国・インドでの事業拡大を狙うグループの製品事業に対しては、品質とコストを最適化した顔料を原料として供給し、これら事業の競争力向上に結び付ける。